【Ka-27】(けーえーにじゅうなな)
ソ連のカモフ設計局で開発された対潜ヘリコプター。
NATOコードはHelix(へリックス)。
初飛行は1973年。艦載型対潜ヘリコプターとして開発された。
ローターはKa-50やKa-25と同じく二重反転ローターを採用しているが、Ka-25よりも胴体が延長されており、また、夜間や悪天候下での作戦能力の強化や自動ホバリング機能の採用などが行われている。
また、対潜ヘリコプター以外にも救難ヘリコプター型のPS型やレーダー・ピケット任務型のKa-31、輸出用ダウングレード型のKa-28など派生型も多数開発されている。
スペックデータ
乗員 | 3名 |
全長 | 11.30m |
全高 | 5.40m |
主ローター直径 | 15.70m |
空虚重量 | 6,100kg |
最大離陸重量 | 12,600kg |
最大兵装搭載量 | 800kg |
エンジン | イソトフ TV3-117ターボシャフト(推力1,659kW)×2基 |
速度 (最大/巡航) | 132kt/120kt |
海面上昇率 | 750m/min |
実用上昇限度 | 5,000m |
ホバリング高度限界 | 3,500m(OGE) |
航続距離 | 432nm(機内燃料のみ) |
戦闘行動半径 | 200km(対潜哨戒作戦時) |
兵装 | Kh-35(AS-20「カヤック」)対艦ミサイル×2発 対潜魚雷(AT-1M・VTT-1・UMGT-1 Orlan・APR-2 Yastreb)×2発 深度爆弾×2発 ロケット弾ポッド×2基 GShG-7.62 7.62mm機関銃(TB型) 2A42 30mm機関砲(TB型)等 |
派生型
- Ka-25-2:
プロトタイプ。
- Ka-27K:
対潜ヘリコプター型のプロトタイプ。
- Ka-27PL "Helix-A":
対潜ヘリコプター型。
- Ka-27PS "Helix-D":
捜索救難ヘリコプター型。吊り下げウインチを装備。
- Ka-27PV:
Ka-27PSの武装タイプ。
- Ka-28 "Helix-A":
Ka-27PLの輸出型。PL型と同等の仕様だが電子装備はダウングレードされている。
- Ka-29TB "Helix-B":
突撃輸送ヘリコプター型。兵員16名を輸送可能。
- Ka-29RLD:
Ka-31の再設計型で初期の空挺部隊仕様。海上監視に使用。
- Ka-31 "Helix-D":
レーダー・ピケット機型。
胴体下部に折りたたみ式の早期警戒用レーダーアンテナを装備している。
降着装置は引込式になり、レーダー使用時に干渉しないようになっている。
- Ka-32A:
民間輸送用の初期モデル。
- Ka-32A1:
戦闘ヘリコプター型。
- Ka-32A2:
警察仕様。サーチライトとスピーカーを装備。
- Ka-32A3:
捜索救難ヘリコプター型。
- Ka-32A7
Ka-27PSの武装型。
- Ka-32A11BC:
カナダ向けモデル。
- Ka-32A12:
スイス向けモデル。
- Ka-32C:
詳細不明。
- Ka-32M:
TV3-117VMA-SB3(1,839kW)ターボシャフトエンジン搭載型。Ka-32-10の後継機種。
- Ka-32S "Helix-C":
民間向け全天候ヘリコプター型。アンダーノーズレーダー付。
石油プラットホームや船舶との連絡に使用される。
- Ka-32T "Helix-C":
多目的輸送ヘリコプター。2名のクルーと16人乗り込み可能。
- Ka-32K "Helix-C":
民間向けクレーン付ヘリコプター。引き込み式のゴンドラを装備。
- HH-32:
韓国空軍向けの捜索救難型。
Ka-27 (航空機)
(Ka-27 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 14:06 UTC 版)

Ka-27(カモフ27;ロシア語:Ка-27カー・ドヴァーッツァチ・スィェーミ)は、ソ連のカモフ設計局で開発された二重反転式ローターのヘリコプターである。
北大西洋条約機構(NATO)では、Ka-27に対し ヘリックス(Helix)というNATOコードネームを割り当てた。 Helixとは「螺旋」の意。
概要
Ka-27の開発は、まず艦載対潜ヘリコプターであるKa-27PL(ヘリックス-A)から始められた。1968年からKa-25PLに新しい捜索・追跡システムを搭載する試みが開始され、そのために改修された機体は新たにKa-252と名付けられた。Ka-252は艦上での試験を続け、1981年4月14日から制式名称Ka-27PLとしてソ連海軍に採用された。
Ka-27は前任機Ka-25PLのみならず陸上運用機であった大型のMi-14PLをも代替し、各地で幅広く運用された。Ka-27PLは現在もロシア海軍の主力ヘリコプターである。
Ka-27PLの派生型としては、まず捜索救難機型のKa-27PS(Ка-27ПС)が製作された。この機体は1980年から生産が開始され、現在でもロシア、ウクライナなどで多数使用されているほか、民間でも救難ヘリコプターとして運用されている。その他、Ka-27PLの輸出型であるKa-28(ヘリックス-B)、強襲用のKa-29(ヘリックス-B)、空中早期警戒用のKa-31(ヘリックス-B)、民間向けとして開発されたKa-32(ヘリックス-C)などがある[1]。特にKa-32には多くの派生型が開発され、西側諸国でも比較的多数が使用されている。
Ka-27シリーズの開発は、このように多数の派生型を生みつつ現在も続けられており、今後も多くの派生型が登場すると見られる。ただし、Ka-27という名称の機体が運用されているのは、現在までのところソ連海軍機を受け継いだロシア海軍とウクライナ海軍、ベラルーシ空軍だけである。ほかでの運用機は基本的にすべてKa-28かKa-32である。
この機の特徴は双発エンジン、同軸反転ローターのため高いパワーウエイトレシオを誇り[2]、このクラスでは最大となる。また、ホバリング時の操縦安定性に優れ[3]、テールローターが無いため障害物が近い場所での運行などに適しているため、西側諸国の民間企業でも採用が行われており、Ka-32で吊り上げ重量が5トンであるため[2][4]、この機体を使用した重要物の空輸、空中消火活動用途などで使用されている[4]。
バリエーション

ロシア、オメガヘリコプター社の機体
2004年、モスクワ郊外のビコヴォ空港での撮影



- Ka-25-2
- 初期のプロトタイプ。
- Ka-27K
- 対潜型のプロトタイプ。
- Ka-27PL "Helix-A"
- 対潜ヘリコプター。
- Ka-27M
- Ka-27PLの改良型。FHA(Lance-A)アクティブフェーズドアレイレーダーを搭載し、コックピットや各種機材も近代化される[5][6]。
- Ka-27PS "Helix-D"
- 調査・救出ヘリコプター。
- Ka-27PV
- Ka-27PSの武装タイプ。
- Ka-28 "Helix-A"
- Ka-27PLの輸出用。
- Ka-29TB "Helix-B"
- 突撃輸送ヘリコプター(2名のパイロットと16人乗り込み可能)。
- Ka-29RLD
- 初期の空挺部隊仕様。海上監視に使用。Ka-29TBの再設計型.
- Ka-31
- 早期警戒型。Ka-29を元に設計。
- Ka-32
- 民間輸送用の初期モデル。
- Ka-32A1
- 戦闘ヘリコプター。
- Ka-32A2
- 警察仕様。サーチライトとスピーカーを装備。
- Ka-32A3
- 調査・救出用仕様。避難と救出バージョン。
- Ka-32A7
- Ka-27PSの武装型。
- Ka-32A11BC
- カナダ向けモデル。
- Ka-32A12
- スイス向けモデル.
- KA-32C
- Ka-32M
- 1839kW TV3-117VMA-SB3 エンジン搭載型。Ka-32-10の後継機種。
- Ka-32S "Helix-C"
- 海上輸送用、調査・救出用ヘリコプター。アンダーノーズレーダー付.
- Ka-32T "Helix-C"
- 多目的輸送ヘリコプター。2名のクルーと16人乗り込み可能。
- Ka-32K
- クレーン付ヘリコプター。
運用国

軍用



- アルジェリア空軍[7]
- アゼルバイジャン空軍 - 2024年時点で、3機のKa-32 ヘリックスCを保有[8]。
-
大韓民国
- 対ロシア借款の返済として導入。2015年3月、山林庁がKa-32のエンジンを地上で点検したところ、内部で爆発により部品が破損しているのが確認された。同庁が同じ機種を内視鏡で検査した結果、別の1機にも同じ欠陥が見つかったほか、蔚山(ウルサン)消防本部のヘリ1機と民間所有の1機でもそれぞれ問題が見つかった。また、海洋警察が保有する8機全機でも問題が発見された。極限の状況を想定した地上テストで、エンジンタービンの温度センサーが変形し、ローターブレードなどが破損したという。これを受け、国土交通部は整備・改善を指示、飛行時間が10時間に達する前に燃料フィルターを洗浄すること、50時間飛行するごとにエンジンの内視鏡検査を実施して結果を報告することなどを通達した[10][11]。
- 8機を運用[10]。特殊部隊用として使用されている[14]。海洋警察では原因不明のエンジン問題を受け、2015年7月20日から24日まで6つの航空隊に配置された8機について緊急点検をすることもしたが、輸入の関係で円滑な整備支援が行われておらず整備に支障が発生したりしている。そのため2016年12月6日にKAIと国産の「KUH-1 スリオン」を2019年までに2機を導入することで合意した[11]。
- 韓国国立公園公団
- 1機を運用[17]
民間

- ヘリカーゴ[18]
- バンクーバー島ヘリコプター[19]
- 民間企業(名称不明):9機[10]
- ヘリポートユーガル
退役
- ユーゴスラビア空軍[24]
性能・主要諸元

一般的特性
- 乗員:1-3名、+2-3名のスペシャリスト(Ka-27)
- ペイロード: 4,000kg(8,818ポンド)の(Ka-32)、または16名の空挺部隊員(Ka-29)
- 全長: 11.3m
- 全高: 5.5m
- 空虚重量: 6,500kg
- 総重量: 11,000kg
- 最大離陸重量: 12,000kg
- エンジン:クリーモフ設計局 製TV3-117KM ターボシャフト ×2
- メインローター直径: 2×15.8m
- メインローター面積: 392.2m2 3枚刃逆回転ローター
パフォーマンス
- 最高速度:270 km/h
- 巡航速度:205 km/h
- 航続距離: 980km
- 実用上昇限度: 5,000m
武装
- Ka-27
- 魚雷 (AT-1M、VTT-1、UMGT-1、APR-2) ×1またはソノブイ(RGB-NM、RGB-NM-1)×36
- Ka-29TB
- GShG-7.62機関銃(1,800発)×1
- 2A42機関砲(250発)×1
- 4つの外部ハードポイントに爆弾、ロケット、ガンポッド、9K114を装備可能。
アビオニクス
- レーダー、MADまたはディッピングソナー、ソノブイ
登場作品
テレビドラマ
アニメ
- 『HELLSING』
- 架空のインヴィンシブル級航空母艦「イーグル」をリップヴァーン率いるミレニアム大隊が占拠する際の移動手段として登場(漫画版ではAS 365 ドーファン)。
ゲーム
- 『エースコンバット インフィニティ』
- 一部ミッションで敵ヘリコプターとして登場。
- 『トロピコ6』
- 建造した空母に駐機してある。
- 『マーセナリーズ2 ワールド イン フレームス』
- アジアン軍が所有しており、「ローカストアサルトヘリ」という名称で登場する。ガンポッドとロケット弾ポッドを搭載しているため、兵員輸送のほか、対地攻撃が可能。
- 『Modern Warships』
- プレイヤーが操作可能な艦載機として登場する。
脚注
- ^ “初飛行から半世紀 二重反転ヘリKa-27ファミリーに最新型「Ka-32A11M」が登場”. 乗りものニュース (2021年5月18日). 2021年5月24日閲覧。
- ^ a b “機体紹介”. アカギヘリコプター. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “KAMOV Ka-32”. omundodaprogramacao.com. 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月6日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “Kamov KA 32 A12”. Swiss Helicopter AG. 2021年3月29日閲覧。
- ^ A new set of avionics and airborne electronics to be installed on the latest-version Kamov Ka-27 helicopters
- ^ Russian Navy begins flight trials of modified Kamov Ka-27M helicopter
- ^ a b c d e f g h “World Air Forces 2013”. Flightglobal Insight (2013年). 2013年4月5日閲覧。
- ^ IISS 2024, p. 181.
- ^ “Kamov Ka32A11BC”. EMA. 2014年1月20日閲覧。
- ^ a b c d “ロシア製ヘリにエンジン不具合 緊急整備へ”. 韓国
- ^ a b “바다로 간 수리온, 해병대에 이어 해경까지 계약” (朝鮮語)
- ^ a b [1]
- ^ “Korea Coast Guard 2012 White Paper”. 2013年6月6日閲覧。
- ^ Ka-32輸送ヘリコプター(ヘリックスC)(韓国)
- ^ **산림청 소속 산불 진화 헬리콥터**
- ^ “산림항공기” (朝鮮語). fao.forest.go.kr. 2021年8月4日閲覧。
- ^ “항공대 창설과 헬기 도입” (朝鮮語). www.knps.or.kr. 2022年9月24日閲覧。
- ^ “Helicargo Services”. helicargo.com.br. 2013年4月5日閲覧。
- ^ “From Russia With Love”. Annex Business Media. 2013年11月5日閲覧。
- ^ “雪竜号、流氷からの脱出に成功”. Sceience Portal China (2014年1月8日). 2014年12月7日閲覧。
- ^ “Heli Swiss Fleet”. heliswissinternational.ch. 2013年4月5日閲覧。
- ^ “Aircraft fleet”. akagi-heli.co.jp. 2013年4月5日閲覧。
- ^ “航空機登録 2024年2月 ヤマト2号機新規登録、"オンリーワン"なロシア製ヘリ抹消”. Fly Teamニュース. (2024年3月17日) 2024年3月17日閲覧。
- ^ “World Air Forces 1997 pg. 71”. flightglobal.com. 2013年4月5日閲覧。
参考文献
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7
外部リンク
- Ka-27のページへのリンク