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せとか【セトカ】(果樹)

※登録写真はありません 登録番号 第9398号
登録年月日 2001年 10月 18日
農林水産植物の種類 かんきつ
登録品種の名称及びその読み せとか
 よみ:セトカ
品種登録の有効期限 25 年
育成者権の消滅  
品種登録者の名称 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
品種登録者の住所 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1
登録品種の育成をした者の氏名 松本亮司、山本雅史國賀武、吉岡照高三谷宣仁、奥代直巳、山田彬雄、浅田謙介、池宮秀和吉永勝一内原茂、生山巖、村田広野
登録品種の植物体の特性の概要
この品種は、(「清見」×「アンコール」)に「マーコット」を交配して育成されたものであり、果形が扁平、果重がやや重、果皮色が濃育成地(長崎県南高来郡口之津町)では2月上旬2月下旬成熟するかんきつである。姿は中間大きさ及び樹勢は中である。太さ及び節間長は中、とげの多少は多である。葉身の形紡錘形波状程度は無、大きさは小、葉身長は中、葉身幅は狭、網脈の鮮明度はやや明瞭である。翼葉の形痕跡葉柄長さはやや短、太さは細である。花序形成は単生、花(花蕾)の重さ軽、花弁の形は紡錘形長さは短、幅はやや広、色は白、数は5花糸分離程度分離花粉多少は無である。果実の形は扁平、果形指数は大、果頂部の形は平坦放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は切平面放射条溝の多少は少である。果心の充実度は中、大きさは小、果実重さはやや重、果皮の色は濃、油胞の大きさ大小混合密度は疎、凹凸は凸、果面の粗滑はやや滑、果皮厚さ極薄果皮歩合極小剥皮難易はやや易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃である。果汁多少は多、甘味は高、酸味及び香気多少は中、種子数は少、胚の数は多胚である。発芽期及び開花期はやや晩、成熟期はやや早で育成においては2月上旬2月下旬である。隔年結果性は中、浮き皮果の発生及び裂果発生は無、貯蔵性は中である。「清見」と比較してのとげが多いこと、果皮が薄いこと等で、「マーコット」と比較して花粉が無いこと、種子少ないこと等で、「アンコール」と比較して花粉が無いこと、果皮の色が濃であること、種子少ないこと等で区別性認められる
登録品種の育成経過概要
この品種は、昭和59年農林水産省果樹試験場口之津支場(現独立行政法人農業技術研究機構果樹研究所カンキツ研究部口之津長崎県南高来郡口之津町))において、(「清見」×「アンコール」)に「マーコット」を交配し平成2年一次選抜3年から系統適応性検定試験実施して特性の調査行い10年にその特性が安定していることを確認して育成完了したのである。なお、出願時の名称は「カンキツ口之津19号であった



せとか

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 08:45 UTC 版)

せとか
懐石料理での「せとか」

せとかは、ミカン科常緑樹柑橘類の一種である。品種名は、育成地が長崎県島原と熊本県天草の間にある「早崎瀬戸」海峡のそばに位置すること、中国・四国の「瀬戸内地方」で普及が期待される、芳香のある柑橘類であることに由来する[1]

日本における2020年の収穫量は5,003トン、収穫量1位は愛媛県の3,315トンで、他に和歌山県や佐賀県、広島県など日本各地で育成されており、せとかの名前ながらも日本各地で育成される柑橘類の一つとなった。[2]

生産

1984年に長崎県口之津の農研機構(旧農林水産省果樹試験場)において、タンゴールの「清見」と「アンコール」を掛け合せたものに「マーコット」を交配し、育成された品種である。

系統は異なるが同じ交配パターンで別の品種として登録された柑橘として「麗紅」がある。せとかの人気が上がるにつれ、親が同じだということで麗紅のブランド商標はまさきと比較されるケースが見られるが、「清見×アンコール」の系統番号は、せとかはNo.2、麗紅はNo.5と若干異なっている。[3]同じ交配でも系統で風味の違いを楽しむことができる。[4]

収穫期は育成地の長崎県で2月上旬から2月下旬。品種登録は2001年10月18日(有効期限25年)[5]

年明け以降出荷される中晩柑として「はるみ」、「不知火」(デコポン)とともに市場の評価が高く、海外からも注目されている。近縁種の「麗紅」よりも(木に生らせたまま)収穫時期を遅らせることができ、収穫後の長期保存性も良いとされる。

トゲが多い品種のため、果実の表面に傷が付きやすい。栽培にあたって高品質の果実収穫を目指すために、枝のトゲを切り取ったり果実の袋掛けが行われる場合もある。果皮およびじょうのう膜が薄く、食べやすいことから、大玉の傷の無い果実は贈答用として高値で店頭に並んでいる。長いトゲが、果実のカンキツかいよう病蔓延の原因や作業時の障害になるため、トゲなし系統の選抜が2001年より進められており2010年頃より「トゲなしせとか」の苗も発売されている(ただし、若木の間はトゲが出る)。

韓国での生産

韓国ではデコポン、甘平などと同じく2000年代初頭に種苗が日本から済州島へ流出。2005年に韓国期待の新品種として名称が公募され「天恵香(チョネヒャン)」となり、高級品種として取引されている。2020年には韓国内で13,137トンを生産、更に増産が図られ2022年は16,535トンであった[6][7]

果実の特徴

果実の大きさは200グラムから300グラム程度で、タンゴールタイプとしては比較的大玉である。果面はなめらかで美しく、果皮は非常に薄く色も赤橙色を呈している。浮き皮の発生も少ない。アンコールの親品種であるキングマンダリンに似た香りがある。果汁糖度も13度から14度と極めて甘味が強く、樹上で酸味も程良く抜ける為、甘味と酸味のバランスが良い品種である。[8]

脚注

  1. ^ せとか 農林認定品種データベース 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター”. 2022年2月24日閲覧。
  2. ^ 特産果樹生産動態等調査(令和2年度)
  3. ^ [1]
  4. ^ [2]
  5. ^ 農林水産省登録品種データベース「せとか」 Webpage archiveより 2013年7月23日閲覧。
  6. ^ 『「セトカ」商品名… 「天恵香」で統一』済州毎日、2005年9月16日
  7. ^ 『「収穫量が増えたが、価格さえ高空行進、大勢は天恵香」栽培面積と収穫量は着実に増加したが、歴代最高水準の価格記録』西帰浦人、2024年2月21日
  8. ^ 農林水産省登録品種データベース「せとか」 Webpage archiveより 2022年3月5日閲覧。

関連文献

  • 松本亮司ほか「カンキツ新品種'せとか'」『果樹研究所研究報告』第2号、農業技術研究機構果樹研究所、2003年3月、25 - 31頁、doi:10.24514/00001652NAID 120006586762 

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