せとみ【セトミ】(果樹)
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登録番号 | 第11721号 |
登録年月日 | 2004年 3月 3日 | |
農林水産植物の種類 | かんきつ | |
登録品種の名称及びその読み | せとみ よみ:セトミ |
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品種登録の有効期限 | 25 年 | |
育成者権の消滅日 | ||
品種登録者の名称 | 山口県 | |
品種登録者の住所 | 山口県山口市滝町1番1号 | |
登録品種の育成をした者の氏名 | 田中仁、宮田明義 | |
登録品種の植物体の特性の概要 | ||
この品種は、「清見」に「吉浦ポンカン」を交配して育成されたものであり、果形が扁球、果実の重さがやや重、果皮色が濃橙の育成地(山口県大島郡橘町)では3月上旬~4月中旬に成熟するかんきつである。樹姿は中間、樹の大きさ及び樹勢は中である。枝梢の太さは中、節間長は長、枝梢のとげの多少は中である。葉身の形は紡錘形、波状の程度、葉身の大きさ、葉身長及び葉身幅は中、網脈の鮮明度は明瞭である。翼葉の形は痕跡、葉柄の長さ及び太さは中である。花序の形成は単生、花(花蕾)の重さは中、花弁の形は紡錘形、長さ及び幅は中、色は白、数は5枚、花糸の分離の程度は分離、花粉の多少は少である。果実の形は扁球、果形指数は大、果頂部の形は平坦、放射条溝及び凹環の有無は無、果梗部の形は切平面、放射条溝の多少は中である。果心の充実度は粗、大きさは小、果実の重さはやや重、果皮の色は濃橙、油胞の大きさは大小混合、密度は中、凹凸は凸、果面の粗滑は粗、果皮の厚さは厚、果皮歩合及び剥皮の難易は中である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は濃橙である。果汁の多少は中、甘味は高、酸味は中、香気の多少及び種子数は少、胚の数は多胚である。発芽期及び開花期は中、成熟期は中で育成地においては3月上旬~4月中旬である。隔年結果性は高、浮皮果の発生は無、裂果の発生は少、貯蔵性は中である。「清見」と比較して、果形指数が大きいこと、果心が大きいこと等で、「不知火」と比較して、果梗部が切平面であること、果皮の色が濃橙であること等で区別性が認められる。 | ||
登録品種の育成の経過の概要 | ||
この品種は、昭和56年に山口県大島柑きつ試験場(大島郡橘町)において、「清見」に「吉浦ポンカン」を交配し、その実生の中から選抜、以後、増殖を行いながら特性の調査を継続し、平成12年にその特性が安定していることを確認して育成を完了したものである。 |
せとみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/22 02:26 UTC 版)
せとみは、ミカン科ミカン属の柑橘類の一つ。「伊予柑」の代替品種として、「清見」に、山口県原産の「吉浦ポンカン」を交配して育成され、2004年に品種登録された[1][2]。また2006年3月から糖度13.5 度以上、酸度1.35%以下の果実を「ゆめほっぺ」の名称で販売している[2]。
果形は扁球、果実の重さが180~200 グラム程度、果皮色は濃橙で、育成地(山口県大島郡橘町)では3月上旬から4月中旬に成熟する。「不知火」のようなデコは発生しない。食味の特徴として、みかんの仲間で最も甘い、プチプチした独特の食感がする、袋(じょうのう膜)ごと食べられることなどが挙げられる。
日本における2010年の収穫量は132.6 トンで、その全てが山口県において生産されている[3]。
韓国での栽培
韓国にはデコポン、甘平、せとか、紅まどんななどと同じく2000年代初頭に種苗が日本から済州島へ流出。
せとみは漢拏香(한라향)の名称で出荷され、2012年には栽培面積20.4ha、生産量313tとなった[4]。
なお、韓国独自開発の栽培品種は全体の3%に過ぎないことを現地関係者が苦慮し、2023年より甘平、紅まどんな、せとかなどの交配種を独自新品種として公表する予定である[5]。
2024年、韓国済州道農業技術院は、10年以上の月日をかけて開発した新品種タルコミ(韓国語で「甘い」)の苗木が中古取引プラットフォームで不法取引されたとして、出品した4人を食品新品種保護法違反疑惑で告訴した。「今後も実施権移転契約を締結していない業者や個人が苗木を販売する場合、警告なしに強力な法的措置を取る」と通告している。タルコミは紅まどんなとせとみの交配品種である[6]。
脚注
- ^ 農林水産省品種登録データベース Archived 2015年9月20日, at the Wayback Machine.2013年6月14日閲覧
- ^ a b 山口県農林総合技術センター公式ウェブサイト ゆめほっぺ2013年6月14日閲覧
- ^ 農林水産省 特産果樹生産動態等調査2013年7月25日閲覧
- ^ 済州島セトカ(天恵香)農産指導
- ^ 『済州農業技術研究所所長インタビュー 済州島、独自の柑橘類開発に努める』コリアヘラルド、2022年11月14日
- ^ 『「なぜ中古サイトに?」済州島が10年間開発した新品種みかんの不法販売に「法的措置」=韓国』wowKorea 2024年10月18日
外部リンク
- せとみのページへのリンク