ささげ【豇=豆/大=角=豆】
読み方:ささげ
1 マメ科の一年草。葉は3枚の小葉からなる複葉。夏、蝶形で淡紫色の花が咲く。莢(さや)は細長く、弓なりに曲がる。種子や若い莢は食用。中央アフリカの原産。ささぎ。《季 秋》「—摘む籠を小脇に恵那夕焼/風生」
2 《形が1の莢に似ているところから》歌舞伎衣装で、禿(かむろ)・姫などの着付(きつけ)の袖口に垂れている5色のひも。

ささげ【×捧げ】
ささげ (大角豆)









●アフリカのエチオピアが原産だといわれています。古くから各地に伝播し、わが国でも平安時代には栽培が始まっています。このササゲ属には180種ほどの品種がありますが、蔓性もしくは蔓なし矮性で、莢が長いのが共通した特徴です。栽培品種は、蔓性で莢が長く30~100センチのグループ、蔓性もしくは蔓なし矮性で莢が10~30センチのグループそれに蔓なし矮性で莢が10センチほどのグループに大別されます。ふつうに「ささげ」といえば、莢が10~30センチのグループを指します。名前の由来は、莢の先が上に反り返り、捧げもつ手の形に似ていることから。
●マメ科ササゲ属の一年草で、学名は Vigna unguiculata。英名は Cow pea。
ささげ
ささげは、日本では古くから栽培され、平安時代にはすでに「大角豆」という名前で存在していたことが記録として残っていますが、アフリカ原産のものが中国を経て渡来したものです。なお、「大角豆」という名前は、豆の端が少し角ばっていることから付けられたようです。また、江戸時代の「農学全書」には、紅色に由来して![]() |
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日本では主に関東以南の暖地で栽培され、昭和30年代までは国内栽培が盛んでしたが、以後減少しています。また、輸入は主に中国やタイなどから行われています。日本で生産される豆は赤色のものですが、輸入豆には、白色、褐色、黒色のものもあります。 | |
ささげには大粒種と小粒種がありますが、通常、ささげといわれるものは小粒種の方です。関東地方ではあずきに代わって赤飯に用いられます。これは、あずきは煮たときに皮が破れやすいため、「腹切れ」→「切腹」という連想から武家社会で嫌われ、煮ても皮が破れないささげの方を用いるようになったのだと言われています。 |
ささげ
食品名(100g当たり) | 廃棄率(%) | エネルギー(kcal) | 水分(g) | たんぱく質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) | 灰分(g) |
豆類-豆類/ささげ/全粒、乾 | ![]() |
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豆類-豆類/ささげ/全粒、ゆで | ![]() |
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捧
姓 | 読み方 |
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捧 | ささげ |
ササゲ
ササゲ | ||||||||||||||||||||||||
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![]() ササゲ(黒目豆)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Vigna unguiculata (L.) Walp. | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Cowpea Black-eyed pea |
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 336 kcal (1,410 kJ) |
55.0 g | |
デンプン 正確性注意 | 36.3 g |
2.0 g | |
23.9 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(0%) 19 µg |
チアミン (B1) |
(43%) 0.50 mg |
リボフラビン (B2) |
(8%) 0.10 mg |
ミネラル | |
カルシウム |
(8%) 75 mg |
鉄分 |
(43%) 5.6 mg |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
ササゲ(大角豆、豇豆[2]、学名:Vigna unguiculata、英: Black-eyed pea)はササゲ属の一年草。アフリカ中部原産[2]。主に旧世界の温暖な地方で栽培される。樹木の形状は低木であり、直立ないし匍匐する。つる性の種類とつるなしの種類とがある。枝を張ったり、からみついたりと、成育の特性は多彩。ササギとも呼ばれる[2]。
特徴
語源は、莢が上を向いてつき物をささげる手つきに似ているからという説[3]、莢を牙に見立てて「細々牙」と言ったという説、豆の端が少々角張っていることからついたという説など諸説ある。
藤色、紫、ピンクなど様々な色の花をつける。花の形は蝶形花である。
穀物用種は、さやが10-30センチメートルで固く、豆は1センチメートル程度の腎臓形で、良く知られる日本で一般的な赤褐色の他に、白・黒・淡褐色・紫色など様々な色をもつ。白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピー(黒目豆)と呼ばれる。つる性種は草丈が2 - 4メートルになるのに対し、つるなし種の草丈は30 - 40センチメートル。ナガササゲと呼ばれる品種は1メートルに達する。耐寒性は低いが、反面暑さには非常に強い。
ササゲの子実はカメムシ類によって食害される。他方で、莢の柄の基部付近には蜜が出る部位があり、この花外蜜腺がアリを呼び寄せる。そのうち大型のクロヤマアリが近くにいるカメムシを攻撃し、結果としてカメムシを追い払ってササゲの実を守ることが確かめられている[注 1]。
歴史
日本では、平安時代に「大角豆」として記録が残されている[5]。江戸時代の『農業全書』には「豇豆」という名前で多くの品種や栽培法の記述がある[3]。
また、江戸の武士の間では赤飯に小豆の代わりに使われるようになった。小豆は水に浸して戻すための浸漬時間を長くするほど加熱中に割れる「胴切れ」が起きやすくなる[6]。そのため、関東地方などでは、小豆は「切腹に通じる」として武家では忌避され、皮が破れにくく煮崩れしにくいササゲを用いる地域がある[7]。
ササゲを用いた料理
莢が膨らみ始めた頃の若い実を皮ごと適当に切り豚肉・人参等と共に炒め醬油で味付ける。また、味噌汁の具や煮た莢を胡麻和え等にもする。南アメリカでは繁栄と幸運を呼ぶ食物と考えられ、正月に食べる風習がある。
- ホッピン・ジョン
- 加熱したササゲを冷却し、微塵切りにしたニンニクやビネグレットソースを添えたテキサスキャビアと呼ばれる料理がある。他、豚肉、米、タマネギなどと併せて煮る。
- 赤飯 - 小豆は煮ると皮が破れやすく、「腹切れする豆は切腹に通じる」ため武士にとって縁起が悪いという理由で、煮ても皮が破れにくいササゲが関東で多く使用されている。市販のパック赤飯には、ササゲの代わりに小豆を用いている物品もある。
- ささげ餅
- とびつき団子 - 福井県の郷土料理で、団子にササゲ大豆をまぶしたもの[8]。
下位分類
以下の4亜種または品種群が栽培されている。
- Vigna unguiculata subsp. unguiculata
- (Southern pea, Black-eyed pea)
- ササゲ。黒目豆と呼ばれる品種はクリーム色地に黒の大きな斑紋を一つ持つ。ベトナムではデザートの材料になる。インドから中東にかけても栽培されている。アメリカ南部や西インド諸島には、西アフリカからの奴隷によってもたらされ、ソウルフード等、主にアフリカ系の人々の伝統料理に用いられる。
- V. u. subsp. cylindrica (Catjang)
- ハタササゲ、ヤッコササゲ。旧世界の熱帯で食用とされる他、アメリカ合衆国では飼料作物として栽培される。
- V. u. subsp. dekindtiana
- ササゲの祖先野生種とされる。
- V. u. subsp. sesquipedalis (Yardlong bean)
- ジュウロクササゲ。長く生長するさやを野菜として利用する。東南アジアと日本の一部で食用にされる。
画像
-
黒目豆
-
ジュウロクササゲ
脚注
注釈
出典
- ^ 池上文雄、加藤光敏、河野博、三浦理代、山本謙治『からだのための食材大全』NHK出版、2018年11月、197頁。ISBN 978-4-14-011360-8。
- ^ a b c 『広辞苑』(第六版)岩波書店、2008年1月11日、1119頁。
- ^ a b 青葉高『日本の野菜』八坂書房、2000年、97 - 98頁。ISBN 4-89694-456-9。
- ^ 小澤朗人「ササゲの花外蜜腺に集まるアリはカメムシから莢果を守れるか?」『関西病虫害研究会報』第54号、2012年5月、41-45頁、国立国会図書館書誌ID:023844784。
- ^ 『新猿楽記』
- ^ “第3章 調理室における衛生管理&調理技術マニュアル”. 文部科学省. 2020年6月6日閲覧。
- ^ “ささげ”. 東海農政局. 2020年6月6日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “とびつき団子”. うんちく 豆事典. 福井新聞 (2007年3月5日). 2024年4月14日閲覧。
参考文献
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- バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント 編『世界の食用植物文化図鑑』山本紀夫 監訳、柊風舎、2010年1月、211頁。ISBN 978-4-903530-35-2。
関連項目
外部リンク
- 農業生物資源ジーンバンク[リンク切れ]
豇
「ささげ」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はシェークスピアの研究に一生をささげた
- 彼は最初の著書を父母にささげた
- その医者はその病気の治療法の発見に身をささげた
- 彼は生涯を世界平和の促進のためにささげた
- 王女は庶民のために人生をささげようと決心した
- 神に祈りをささげる
- 神にいけにえをささげる
- 彼らは神に子牛をいけにえとしてささげた
- 墓に花輪をささげる
- 私の愛全てをあなたにささげます。
- 全ての愛をささげます。
- 私達は先祖に祈りをささげます。
- 彼女は科学の研究に一生をささげた。
- 彼女は音楽に一生をささげた。
- 彼女はひざまずいて神に祈りをささげた。
- 彼女はアフリカでの伝道の仕事に身をささげた。
- 彼女は、全精力をスペイン語の学習にささげた。
- 彼は不正との戦いに一生をささげた。
- 彼は国のために命をささげた。
ささげと同じ種類の言葉
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