TPPに関心を示した国・地域
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「環太平洋パートナーシップ協定」の記事における「TPPに関心を示した国・地域」の解説
韓国 TPP参加に前向きな姿勢を見せていたが、その後TPPへの参加が自国に不利に働くとみてアメリカとの二国間交渉に切り替え、米韓FTAで合意、妥結に至っている。 2011年11月16日には、外交通商部が記者会見で、TPPは国益にならない、として正式に不参加の旨を明らかにした。 2013年11月29日、ヒョン・オソク経済副首相兼企画財政相が「(韓国政府が)まず、TPP交渉に参加することへの関心を示し、交渉参加各国との2カ国間協議を行う必要がある」と述べ、日本などTPP交渉参加国と個別協議を行う方針を表明。これに対して2014年3月13日、米政府高官は、米韓自由貿易協定の問題が解決されるまで、韓国がTPP交渉に参加することは歓迎されないとの見方を示した。 CPTPP加入に関する、韓国政府の態度表明は、2018年4月5日に「新通商戦略」において、TPP11の加入について上半期中に結論を出すと発表されていたが、実際には行われず、米国のTPP11再加入及び台湾・英国のTPP11加入の行方、米中貿易紛争、米国のイラン・トルコ経済制裁など、対外情勢に不確定な要素があるため、TPP11加入についての結論を上半期ではなく、2018年内に結論を出す予定となったとの報道もあったが、2019年にいたっても決定がされず、加入促進論の半面で慎重論も根強く容易に意思決定できないジレンマに陥った状態となっている。 2020年12月8日、韓国の文在寅大統領は、CPTPPについて「参加も検討していく」と述べ、前向きな姿勢を示したと発言したと複数のメディアが伝えた。毎日新聞は、この報道のなかで、日本政府関係者の指摘として「中国や英国、タイ、台湾などTPP加入に関心を示す国・地域が増えたことが刺激になったのだろうとも伝えた。 2021年9月30日、韓国産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長は、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)関連専門家懇談会」で、「政府は協定への加盟を積極的に検討し、対内外の準備作業を滞りなく進めている」と述べたが、具体的な加盟申請の時期についは「国益の最大化という観点から協定加盟の可否と時期を決める」とし明言を避けた 2021年12月13日午前、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、政府ソウル庁舎で開かれた第226回対外経済長官会議においてCPTPP加盟に向けた準備を始めると明らかにした。今後国会での報告などを経て加盟申請する方針と報道されている。 2021年12月15日、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、外国メディア向けの記者会見でCPTPP加盟申請について、現政権の任期内(2022年5月)での加盟申請を目標として国内手続きを進める、と表明した。日本経済新聞は、記事のなかで、「22年3月に大統領選挙が予定されており、TPP参加の是非を巡っても議論が交わされる見通し。現政権の思惑どおりに国内での合意形成が進むかは不透明な面も残る。」と論評した。 2021年12月27日、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、対外経済安保戦略会議の席上で、2022年4月にCPTPP加盟申請書の提出を目標に手続きを進めていく、と表明した。 タイ 2012年11月18日、首相のインラックは米大統領バラク・オバマとの会談後の会見でTPPへの参加を表明していた。2014年5月のクーデターによりプラユット・チャンオチャが首相に就任した後、2018年3月29日にソムキット副首相(経済担当)は米国を除く11カ国による新協定「TPP11」の署名を受けて、参加表明した。 2018年5月1日、タイのソムキット・チャトゥシピタク(英語版)副首相は、日本の茂木経済再生担当相との会談において、タイ政府がCPTPP早期加盟に向け準備をしていることを伝え、今後タイが他のCPTPP加盟国と協議するに当たって、日本からのサポートに期待を表明した。 2019年3月2日、タイが3月中に環太平洋連携協定(TPP)への参加を申請する方針であると日本の共同通信が報道した。報道によるち「タイ商業省のオラモン・サップタウィタム貿易交渉局長が2日までに共同通信に明らかにしたとなっている。日本の日本経済新聞も3月2日夕方の電子版で同様の報道をしている。なお報道において「環太平洋連携協定(TPP)への参加」とあるが、日本経済新聞が「米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)」とあるようにCPTPPへの参加のことである。 2020年1月7日、日本の茂木外務大臣が、タイのプラユット首相兼国防大臣を表敬し、その際、TPP11について、プラユット首相から、「タイ国内での手続きを進めているところであり,タイ政府が参加を決定した際には日本に最初に伝達する」旨発言があった。 2020年2月17日、タイのソムキット副首相と日本の西村経済再生担当大臣が会談を行った。その後の記者会見で西村大臣は「副首相からは、タイ国内において、TPP 加入に向けて4月頃にも正式な決定ができるよう前向きな調整を進めているというお話がありました。」と発言した。 2020年4月28日、タイのバンコックポスト(電子版)は、アヌテイン副首相兼保健相が食料安全保障や医薬品へのアクセスが阻害されるとして,CPTPPへの新規加盟申請に反対し、閣議は分裂状態となっていると報じた。この反対の後、閣議での結論は確認できないが、4月中の加盟申請は行われておらず、その後も5月13日の日本とタイの会談において検討中と、タイ側が発言していることから結論は出ていないと思われる。 2020年5月13日、タイのドーン・ポラマットウィナイ外務大臣と日本の茂木外務大臣が電話会談を行った。このなかで、TPP11協定について、ドーン大臣から「現在、タイ政府内で検討中であり、引き続き日本政府と連携していきたい。」との発言があった。 2020年5月26日、ロイターの報道によれば、タイの内閣は、CPTPPへの加盟をめぐり、下院に検討委員会を設置することで合意した。政府スポークスマンは「委員会の結論は、内閣がCPTPPへの加盟を決定するのに役立つだろう。政府としては30日以内に全て完了させたいと考えている」と話した。 2020年6月11日、日本経済新聞電子版は「タイの連立政権で国軍が後ろ盾の保守派が台頭し、環太平洋経済連携協定(TPP)参加が後退する可能性が出てきた」と報道した。最大与党「国民国家の力党」内のポスト配分への不満で、党首選を実施されることになったが、その結果、CPTPP加盟を推進しているソムキット副首相派の閣僚は全員、更迭される可能性があるとするものでその場合は参加機運はしぼみかねないとするものである。 2020年6月12日のタイのバンコックポスト(電子版)は、「タイの下院が、49人の委員からなるCPTPPに加入した場合の費用対効果を検討する特別委員会の設置を決定した、検討期間は30日で、下部に種苗、公衆衛生と医薬品、貿易と投資の3分野を検討するサブグループを設置する。」と報じた。5月末に報道されたものであるが、設置が6月12日となったことから検討終了が7月半ばとなり、内閣による加盟申請の是非の決定はその後になる。 2020年7月2日、タイのバンコックポスト(電子版)は、オーラモン・サプタウィツム貿易交渉局長の発言として「CPTPPへの加入について今年中に正式に申請することは難しいと」と報じた。 2020年9月29日、日本経済新聞電子版は、タイのスパタナポン副首相兼エネルギー相へのインタビューとして、『TPPについて「ビジネスを広げたいのならば(参加手続きを)進めるべきだ」と言明した。だが、国会審議で利害関係者の意見を聞く必要があるとも述べた。』と報道した。更に『スパタナポン氏は「(改造後の内閣の)経済チームのトップはプラユット首相だ」と指摘。自身は経済政策を統括していたソムキット前副首相の直接の後任でないとの立場を明らかにした。』とも報道した。 2020年11月12日、タイの下院はCPTPPに加入した場合の費用対効果を検討する特別委員会がまとめた報告書を承認した。政府に提出し、新規加盟を目指す場合にはさらなる検討を求めることになる。 2020年11月24日付タイのクルンテープ・トゥラキット紙が伝えるところによると、タイは23日の閣議においてCPTPPへの加盟交渉の実施判断に向けた関係機関の調整を30日以内に実施するようドーン副首相兼外相に指示すると決定した。 インドネシア 2011年の段階では、「自由化品目の割合が非常に高く、対象になった品目の関税撤廃を一気に進める」としてTPPに不参加の意向を明らかにしている。 2015年10月、ジョコ・ウィドド大統領が、米国訪問時に参加の意向を表明した。 2016年6月12日、日本経済新聞電子版は、『ユスフ・カラ副大統領は、日本訪問時における講演で、CPTPPについて「インドネシアは参加する意思がある」と明言した。』と報道した。 フィリピン TPP交渉参加の意向を表明したことがある。 2021年4月1日、日本経済新聞は、「フィリピンが将来の環太平洋経済連携協定への参加を視野に、調査を始めた。」と報じた。 コロンビア TPP交渉参加の意向を表明したことがある。 2018年6月15日、コロンビアのマリア・ロレーナ・グティエレス(スペイン語版)商業・産業・観光相がCPTPPに公式に加盟申請したことを明らかにした。なお、コロンビアはCPTPPの寄託国のニュージーランドに公式に通知しているとしているが、CPTPPの発効の前のために、TPPの現参加国の見解では公式なものではないとしている。 スイス 2021年2月3日、スイスの連邦参事会(内閣)は、エリザベト・シュナイダー国民議会議員から、2020年12月2日に提出されたCPTPPへの加入の検討を求める質問趣意書に対する回答において、CPTPPへの加入により、既存のFTA締結国におけるEUなどとの相対的な競争環境の劣化を克服するとともに、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、ブルネイなど、スイス(EFTAを含む)がFTAを締結していない国との自由貿易が実現、締約国間の輸出に関する規則を統一できるという利点もある一方で、特許申請後の猶予期間の扱い、地理的表示(GI)に関する制限や輸入国側による原産地証明の事後確認といった、スイス側が受け入れ難い規則が存在するとして、加入に否定的な見解を明らかにした。
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