二国間交渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 05:18 UTC 版)
2015年1月21日にアメリカとキューバはハバナで国交正常化に向けた二国間協議を開始した。初日の交渉では、ハバナのコンベンション・センターで移民問題に関する非公開会談を行った。この会談でキューバの代表者は海上で捕捉された場合は送還されるが、アメリカ合衆国本土に上陸した場合は在留許可を与えるという「濡れた足と乾いた足(英語版)」政策を廃止するよう求めた。これに先立ち、CNNはオバマの雪解け声明後にアメリカ政府が対キューバ難民政策を変更するとのうわさが広まり、アメリカへの「駆け込み」入国を図るキューバ人の数が急増していると報じている。 アメリカ側の代表を務める西半球担当国務次官補(英語版)のロバータ・ジェイコブソン(英語版)は「人権問題がアメリカの政策の中心であることは間違いない。この問題でキューバ政府に意見を表明し続ける」と述べた。彼女はまた、(濡れた足と乾いた足政策を採用する)「キューバ調整法(英語版)」を今後も維持していくと一歩も譲らない意向を明らかにした。 アメリカとキューバの2回目の国交正常化交渉は2月27日からワシントンD.C.で開催された。両政府代表はともに、この交渉を「進展があった」と評価している。キューバ側の代表を務める外務省アメリカ担当局長のジョセフィーナ・ヴィダルは交渉後の記者会見で、「テロ支援国家」の指定解除は国交正常化の前提条件ではないが、キューバにとって優先事項で「重要な問題だ」と強調した。 アメリカとキューバの3回目の国交正常化交渉は3月16日からハバナで開催された。双方の国での大使館再開などについて話し合ったが、合意には至らなかった。協議は翌17日に突然終了したが、キューバ外務省は「今後も協議を継続する」との声明を発表した。 カストロは4月10日からパナマで開催された第7回米州首脳会議(英語版)に出席した。キューバの首脳が同首脳会議に参加するのは初めてのことだった。彼は直前に30か国ほどの首脳が居並ぶ前でアメリカに対する積年の恨みをぶちまける50分間のスピーチを披露したが、4月11日の両首脳による「歴史的な会談」は友好的なムードの中で行われた。オバマは「冷戦は終わった」と述べ、カストロもオバマを「正直な人物」と評価した。カストロは会談の冒頭で、キューバの人権状況や報道の自由についても議論する用意があると表明したが、「幻想を抱いてはいけない。双方には相違があり、大変な忍耐が必要だ」という発言もしている。会談の場では経済制裁の解除を求めたほか、アメリカからキューバに逃亡した犯罪者の扱いについて協議した。
※この「二国間交渉」の解説は、「キューバの雪解け」の解説の一部です。
「二国間交渉」を含む「キューバの雪解け」の記事については、「キューバの雪解け」の概要を参照ください。
- 二国間交渉のページへのリンク