競争環境
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司法・行政からの指摘 「3E戦略」および「Microsoft Windows#マイクロソフトによる独占の問題」も参照 事実上の標準が一企業に集中することは、ユーザーや社会全体が不利益を被る面も存在する。マイクロソフトは米国で反トラスト法違反として司法省に提訴された。一審では、OS会社とアプリケーション会社に2分割する是正命令が出たが、ワシントン連邦高等裁判所は一審を破棄して地方裁判所に差し戻した。現在では実質マイクロソフトの勝利の形となっている[要出典]。 2004年3月、欧州連合の欧州委員会はマイクロソフトがWindowsの支配的地位を乱用し、競争法に違反しているとして約4億9,720万ユーロ(当時相場約795億円)の制裁金を科す決定をした。マイクロソフトは当初これを拒否していたが、2007年10月にこれを受け入れた(マイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件も参照のこと)。しかし、2008年2月27日、欧州委員会はその後もマイクロソフト側が十分なWindowsの基礎情報を提供していないと判断し、8億9,900万ユーロ(当時相場約1,440億円)の新たな制裁金を科すと発表した。これは発表時において欧州委員会が1社に科した制裁金の最高額である。欧州委員競争政策担当のネリー・クルスは発表に際して「(命令に)従うというだけでは十分ではない。行動で示す必要がある。欧州委員会の要求はまだ満たされていない」と発言した。毎年、ビル・ゲイツが世界長者番付(Forbes誌)に名を連ねる一方で、マイクロソフトが全世界的にオペレーティングシステムの市場を独占し、また世界中のパソコンの新規購入費用にWindowsのライセンス費用が大抵含まれている様から、「マイクロソフト税」という揶揄する言葉が生まれた。2002年に公表された決算報告書から、Windowsの利益率が約85%であることなどが判明したところ、「ほとんど紙幣を刷っているようなものである」などと一部のメディアに揶揄される事態に至った。 アンチWindows運動 1999年には、Windows Refund CenterというWebサイトを中心に、LinuxやFreeBSDなどのユーザーが、「PCにプリインストールされているWindowsは使わない」として、PCの価格からWindowsのライセンス料の返金を求める運動を起きている。また、フリーソフトウェア財団(FSF)は2009年10月22日に発表されたWindows 7については、アンチWindows 7キャンペーンを展開した。FSFは、Windows Vista発表時にも同様のキャンペーンを起こしている。 反Google運動 詳細は「全米作家協会他対Google裁判」を参照 マイクロソフトは競合他社のAmazonやYahoo!などと連携し、Googleブックスによる電子書籍市場の独占化を懸念して反対運動を起こしている。事の発端は2005年、アメリカ合衆国最大・最古の著作家業界団体である全米作家協会などがGoogleを相手取り、著作権侵害で集団訴訟を起こしたことに始まる。総額1億2,500万米ドルで和解することで原告団と被告の当事者間では合意していたものの、その和解案には将来的な著作物のデジタル化ライセンス許諾が含まれていたことから、反トラスト法違反が新たに指摘された。マイクロソフトらは2009年にオープンブック連盟(英語版)を組成し、この和解案に異議を唱えている。また、同和解案にはフランスやドイツ政府からも批判が寄せられ、ドイツ法務省は「被害者救済や被害拡大防止に見せかけて、著作権が有効な世界中の全書籍に対する強制執行権をGoogleに獲得させるため集団訴訟が利用されている」と、マイクロソフトらに同調する意見書を提出している。
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