瑕疵
読み方:かし
英語:flaw、defect、fault
「瑕疵」とは、キズ・欠点・欠陥・不具合、「不動産やビジネス上の成果物が引渡や納品の前にすでに何らかの欠陥を抱えている状態」などを意味する言葉である。
法律の用語としては、「瑕疵」は「本来なら満たされているべき機能・性能・要件が満たされていない状態」を意味する語である。商取引においては、瑕疵は売り手(納品する側)が補償等の対応の責任を負うものとして扱われることが多い。
漢字の「瑕」は、「きず」もしくは「欠点」を意味する字である。「玉に瑕(たまにきず)」という表現があるように、「瑕」はもともと「宝玉に付いてしまったキズ」を指す字義がある。
漢字の「疵」には、「小さな傷」「欠点」「過ち」あるいは「誹謗(悪口をいうこと)」を指す意味合いがある。
たとえば「瑕疵物件」といえば、不動産取引において土地または建物に何らかの難を抱えている物件を指す。
「瑕疵担保責任」は、仕事が完了して納品・引き渡しが済んだ後に不具合などが発見された場合、納品者(売り主)が注文者(買い主)に対して負う責任のことである。この際に行われる修正等の作業を「瑕疵対応」という。ただし「瑕疵担保責任」は法改正により「契約不適合責任」という呼称に改められている。
瑕疵ある商品を提供した売り手は、それによって発生した損害の賠償、あるいは契約の解除などの責務を負う場合がある。買い手の瑕疵ある意思表示は、後から取り消すことが可能である。このように民法上、瑕疵が発覚した場合は買い手が売り手側に対して有利になるよう定められている。
こうした仕組みは、法整備が為される近現代以前に、買い手は売り手に対して不利な立場にあり、買い手の保護が必要だった事情を背景としている。この傾向は特に不動産契約において顕著といる。
不動産については旧「瑕疵担保責任」=2020年4月1日からは「契約不適合責任」と呼ばれる概念により、売り手の責任の所在が明確にされている。なぜなら、不動産は通常の商品と違い、一見しただけでは発覚しないような箇所に瑕疵が存在し、後年になって発覚するようなケースが多々あるためである。このような場合、どの時点で発生した欠陥であるかが不明瞭だと、買い手も売り手に対して責任を問いにくくなってしまう。そういった事態を避けるために、売り手は契約不適合責任を負うこととなる。
瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更されたことによって、買い手の立場はいっそう強く保障されることとなった。賠償請求、契約解除に加えて、改めて完全に契約内容を履行するよう売り手に求める「追完請求」ほか、いくつかの権利を新たに得たためだ。諸外国のルールに合わせる、わかりやすい言葉を使用したわかりやすい民法を目指す、などという目的から、実のところ「瑕疵」という文言は今後、民法では使われなくなる。
「物」に発生した不備であるからといって、必ずしも物理的なきずであるとは限らない。不動産やその他商品が、法律的に本来備えているべき用件を満たしていなければ、それもまた瑕疵として扱われる。
英語:flaw、defect、fault
「瑕疵」とは、キズ・欠点・欠陥・不具合、「不動産やビジネス上の成果物が引渡や納品の前にすでに何らかの欠陥を抱えている状態」などを意味する言葉である。
法律の用語としては、「瑕疵」は「本来なら満たされているべき機能・性能・要件が満たされていない状態」を意味する語である。商取引においては、瑕疵は売り手(納品する側)が補償等の対応の責任を負うものとして扱われることが多い。
「瑕疵」という言葉の意味
「瑕疵」の「瑕」の字も「疵」の字も、ともに「きず」を意味する字である。どちらの字も「傷」の異表記として用いられることがある。漢字の「瑕」は、「きず」もしくは「欠点」を意味する字である。「玉に瑕(たまにきず)」という表現があるように、「瑕」はもともと「宝玉に付いてしまったキズ」を指す字義がある。
漢字の「疵」には、「小さな傷」「欠点」「過ち」あるいは「誹謗(悪口をいうこと)」を指す意味合いがある。
法律用語としての「瑕疵」
法律上の概念としての瑕疵は、民法、とりわけ不動産契約において頻出した単語である。人、あるいは法人格の持つ権利やものについて、法的に何かしらの欠陥がある状態を指している。たとえば「瑕疵物件」といえば、不動産取引において土地または建物に何らかの難を抱えている物件を指す。
「瑕疵担保責任」は、仕事が完了して納品・引き渡しが済んだ後に不具合などが発見された場合、納品者(売り主)が注文者(買い主)に対して負う責任のことである。この際に行われる修正等の作業を「瑕疵対応」という。ただし「瑕疵担保責任」は法改正により「契約不適合責任」という呼称に改められている。
民法における「瑕疵」
法律、とりわけ民法においての瑕疵は、行為・権利・ものが、法的に欠陥を抱えている状態を表す言葉である。例えば契約の締結後、売り手が事前に告知した数量・品質・種類通りの商品やサービスを提供できない状態にあったり、買い手が意思表示をする際に何らかの詐欺・強迫行為があれば、それらは民法上の瑕疵となる。瑕疵ある商品を提供した売り手は、それによって発生した損害の賠償、あるいは契約の解除などの責務を負う場合がある。買い手の瑕疵ある意思表示は、後から取り消すことが可能である。このように民法上、瑕疵が発覚した場合は買い手が売り手側に対して有利になるよう定められている。
こうした仕組みは、法整備が為される近現代以前に、買い手は売り手に対して不利な立場にあり、買い手の保護が必要だった事情を背景としている。この傾向は特に不動産契約において顕著といる。
不動産については旧「瑕疵担保責任」=2020年4月1日からは「契約不適合責任」と呼ばれる概念により、売り手の責任の所在が明確にされている。なぜなら、不動産は通常の商品と違い、一見しただけでは発覚しないような箇所に瑕疵が存在し、後年になって発覚するようなケースが多々あるためである。このような場合、どの時点で発生した欠陥であるかが不明瞭だと、買い手も売り手に対して責任を問いにくくなってしまう。そういった事態を避けるために、売り手は契約不適合責任を負うこととなる。
瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更されたことによって、買い手の立場はいっそう強く保障されることとなった。賠償請求、契約解除に加えて、改めて完全に契約内容を履行するよう売り手に求める「追完請求」ほか、いくつかの権利を新たに得たためだ。諸外国のルールに合わせる、わかりやすい言葉を使用したわかりやすい民法を目指す、などという目的から、実のところ「瑕疵」という文言は今後、民法では使われなくなる。
「瑕疵」と「過失」の違い
法律概念上の類義語として「過失」があるが、これは瑕疵と明確に区別される。過失とは注意義務を怠ることによって、人が引き起こした過誤を意味する。因みに、「意図的に引き起こされた過ち」は過失ではない。過失とはあくまで、不注意・怠慢によって生じた過ちを指す。対して瑕疵は、物に生じた欠陥や不具合のことである。「物」に発生した不備であるからといって、必ずしも物理的なきずであるとは限らない。不動産やその他商品が、法律的に本来備えているべき用件を満たしていなければ、それもまた瑕疵として扱われる。
瑕疵の類義語
「瑕疵」の類義語に̪は「疵瑕」(しか)という語もある。疵瑕も「瑕疵」と同様、欠点や過ちなどを指す言葉だが、こちらは瑕疵とは違い、法律用語として使用されることはない。flaw
別表記:フロー
「flaw」とは、欠点・不備を意味する英語表現である。
「flaw(割れ目、欠陥)」は、印欧語根の「plak-(平らな)」から発生した単語である。語源が同じ言葉に「flake(破片、はがれた断片)」「flagstone(敷石)」「plank(厚板)」など、床や地面に関するものが多い。関連した単語を把握するとともに、地面に入ったひびを連想することで「flaw」が覚えやすくなる。
「character flaw」とは、「性格上の欠点」を意味する英熟語である。「It is also useful to reflect on our own shortcomings and character flaws rather then gossip about the faults of others.(また、他人の欠点を噂するのではなく、自分自身の欠点や性格の悪さを振り返ることも有効だ)」のように用いられる。
「design flaw」とは、「設計上の欠陥」を意味する英熟語である。「Unfortunately, it has a rather nasty design flaw that can cause severe data corruption under many conditions.(しかし残念なことに、多くの条件下で深刻なデータ破壊を引き起こすという、かなり厄介な設計上の欠陥がある)」のように使用する。
「flawless」とは、「きずのない」「完璧な」を意味する英語表現である。「flawless skin」で「シミのないキメの整った肌」という表現になり、「New fomula contains precious stones and skin care properties, to create flawless complexion.(肌の奥深くまで洗い上げ、うるおいを与え、つややかで生き生きとした、キメの整った肌へと導く)」のように使用する。
「きず」という言い方では、「The system is carried by the robot to detect the flaws and to measure the thickness of the tank surface.(このシステムはロボットに搭載され、タンクの表面のきずを検出したり、厚さを測定したりするためのものである)」のように使用される。
物理工学における物体のきずという意味では、次のように用いられる。「This correction factor is calculated using an empirical formula developed on the basis of a large experimental database containing variety of diameter, thickness, flaw depth and flaw length values.(この補正係数は、直径、厚さ、きずの深さ、きずの長さのさまざまな値を含む大規模な実験データベースを基に開発された経験式によって算出される)」「The strengths corresponding to small flaws leveled off to those of plain specimens.(小さなきずに対応する強度は、平板な試験片の強度まで平準化された)」
「駄目にする」という意味で、「You can say that this makes the sport flawed: but subjective judgment is a part of all sport.(あなたは、これがスポーツを駄目にしているということもできる。しかし、スポーツに主観的な判断はつきものだ)」のような使い方がある。
「flaw」とは、欠点・不備を意味する英語表現である。
「flaw」とは・「flaw」の意味
「flaw」とは、主に「欠点」「弱点」「不備」「きず」「ひび」「欠陥」「割れ目」「傷をつける」「突風」などを意味する英語表現。品詞は名詞、他動詞または自動詞としての用法がある。過去形・過去分詞形の「Flawed」は、形容詞的用法で「傷のある」といった表現になる。「flaw」の覚え方
「flaw(割れ目、欠陥)」は、印欧語根の「plak-(平らな)」から発生した単語である。語源が同じ言葉に「flake(破片、はがれた断片)」「flagstone(敷石)」「plank(厚板)」など、床や地面に関するものが多い。関連した単語を把握するとともに、地面に入ったひびを連想することで「flaw」が覚えやすくなる。
「flaw」の発音・読み方
「flaw」の発音記号はアメリカ英語で「flɑː」、イギリス英語で「flɔː」である。カタカナで表記する場合、アメリカ英語で「フラァー」、イギリス英語で「フロォー」のような音になる。「flaw」の語源・由来
「flaw」の語源は、中期英語の「flaw(雪片、火花)」、古ノルド語の「flaga(石畳)」である。「flake」と同じく「はがれた断片」などの意味から、次第に性格的欠陥や、物質的な欠陥という言い方でも用いられるようになった。敷石という意味の「flag」は同じ語源である。「flaw」と「defect」の違い
「flaw」と「defect」はどちらも欠陥を意味する英単語であるが、これらは欠陥の重要度に違いがある。「flaw」は失敗の元となったり、効果を減少させるような欠陥で、一部の問題点を指摘するのに使用できる。「defect」は機能を妨げるような重大な欠点で、そもそも動作に問題があるような場合に使用する。「flaw」の類語
「flaw」は欠陥という意味の単語で、類語には「blemish(汚点)」、「bug(バグ)」、「defect(欠陥)」、「fault(故障)」、「glitch(誤作動)」などがある。「flaw」を含む英熟語・英語表現
「character flaw」とは
「character flaw」とは、「性格上の欠点」を意味する英熟語である。「It is also useful to reflect on our own shortcomings and character flaws rather then gossip about the faults of others.(また、他人の欠点を噂するのではなく、自分自身の欠点や性格の悪さを振り返ることも有効だ)」のように用いられる。
「design flaw」とは
「design flaw」とは、「設計上の欠陥」を意味する英熟語である。「Unfortunately, it has a rather nasty design flaw that can cause severe data corruption under many conditions.(しかし残念なことに、多くの条件下で深刻なデータ破壊を引き起こすという、かなり厄介な設計上の欠陥がある)」のように使用する。
「flaw」に関連する用語の解説
「flawless」とは
「flawless」とは、「きずのない」「完璧な」を意味する英語表現である。「flawless skin」で「シミのないキメの整った肌」という表現になり、「New fomula contains precious stones and skin care properties, to create flawless complexion.(肌の奥深くまで洗い上げ、うるおいを与え、つややかで生き生きとした、キメの整った肌へと導く)」のように使用する。
「flaw」の使い方・例文
「欠陥」という意味では、以下のような表現がある。「There's a fatal flaw in your reasoning.(君の推理には致命的な欠陥がある)」「The tendency to see constitutions as predetermined legal moulds can be a source of flawed institutional arrangements and eventual institutional failure.(憲法をあらかじめ決められた法的な型とみなす傾向は、制度的な取り決めに欠陥があり、最終的には制度的な失敗の原因となり得る)」「If this assumption does not hold, the inferences we make will be flawed.(この仮定が成り立たない場合、我々が行う推論に欠陥が生じる)」「きず」という言い方では、「The system is carried by the robot to detect the flaws and to measure the thickness of the tank surface.(このシステムはロボットに搭載され、タンクの表面のきずを検出したり、厚さを測定したりするためのものである)」のように使用される。
物理工学における物体のきずという意味では、次のように用いられる。「This correction factor is calculated using an empirical formula developed on the basis of a large experimental database containing variety of diameter, thickness, flaw depth and flaw length values.(この補正係数は、直径、厚さ、きずの深さ、きずの長さのさまざまな値を含む大規模な実験データベースを基に開発された経験式によって算出される)」「The strengths corresponding to small flaws leveled off to those of plain specimens.(小さなきずに対応する強度は、平板な試験片の強度まで平準化された)」
「駄目にする」という意味で、「You can say that this makes the sport flawed: but subjective judgment is a part of all sport.(あなたは、これがスポーツを駄目にしているということもできる。しかし、スポーツに主観的な判断はつきものだ)」のような使い方がある。
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