8年半ぶりの2部制復活(2012年 - 2016年)
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「オールナイトニッポン」の記事における「8年半ぶりの2部制復活(2012年 - 2016年)」の解説
2007年からディレクターとしてオールナイトニッポンを支え、2018年4月にオールナイトニッポンのプロデューサーに就いた冨山雄一は、2000年代後半から2010年代の半ばまでの時期は「辛うじて番組を維持できていた」と述べるように、この時期のオールナイトニッポンは低迷期に入っていた。この時期はエンターテインメントの多様化に加え、若い人たちがラジオを聴かなくなったということが背景にある。さらに、オールナイトニッポン自体、2010年代の半ばには曜日によっては提供スポンサーが無かったりするなど、まさにつらい時期でもあった。さらに、別のインタビューで冨山は「インターネットの時代となり、ラジオ全体があんまり注目されなくなったと感じました。」とした上で、「一回り下の世代になると、ラジオの代わりにパソコンでニコニコ動画を観るのが流行り、新しい音楽もラジオではなくニコ動で知るというのが主流になったんです。」とも述べている。このように、2000年代から2010年代の半ばまで長期凋落傾向が続いていった。 さらに、冨山は「2カ月に一度の聴取率調査週間には、多額の宣伝費をかけて広告を打ったり、豪華ゲストを呼んだりと社内、業界内はお祭り騒ぎで、それなりに盛り上がってはいたんです。ところが、会社を一歩出るとラジオの話なんか誰もしていない。ANNも活気がなく、スポンサーは数えるほど。制作費が圧縮され、生放送の予算が組めない、といった状況でした」と振り返る。 そうした中で、2010年にradikoというサービスが始まったが、冨山によると「最初は若い人の利用者数があんまり伸びなかったんです。パソコンがないと聴けなくてハードルが高かったから。でも、徐々にWi-Fi環境が整い、携帯もスマホが主流となり、radikoがアプリのひとつとなってからは利用者数が劇的に伸びました。」と述べた上で、「そこでANNを初めて聴いた、ラジオ自体を初めて聴いた、という人が増えたんです。」と述べた。さらに冨山は「ラジコに聞き逃し聴取ができるタイムフリー機能が実装された。SNSの利用者が増えて、ラジオの話題が拡散されるようになったことも大きかったですね」とも述べている。 そして、2012年4月改編から『オールナイトニッポン0(ZERO)』の放送と、並びにNOTTVによるサイマル放送がそれぞれ開始された。この『オールナイトニッポン0(ZERO)』は2003年10月改編をもって『オールナイトニッポンR』の月曜から木曜の放送枠が終了して以来、8年半ぶりに第2部の位置づけ的な番組の復活となった。この番組のパーソナリティオーディションが、プロ・アマを問わずYouTubeを活用した一般公募という形式で、2012年1月16日12時から2月5日23時59分までの応募期間を設けて実施され、締め切りまでに1609組の応募が集まり、その後、オールナイトニッポンのスタッフによって、トークの内容や再生回数、それに、YouTubeのコメント数を基準にした動画審査(1次審査)が行われた後、それを通過した方による2次審査のオールナイトニッポンのスタッフによる面接を行った結果、2012年3月21日に5組のパーソナリティが選出・発表された。特に、1992年に、オールナイトニッポン放送開始25周年を記念して行われた『全日本パーソナリティ選手権』というオーディションで選ばれ、当時は浪人生だった松永並子と北原ゆき以来、20年ぶりに、2012年3月にオーディションで選ばれた当時は大学3年生で就活生だった本村康祐と西岡隼基がこのパーソナリティオーディションで唯一、一般人(素人)のパーソナリティとして選ばれ、2012年4月から2013年3月の1年間にわたり土曜日未明(金曜日深夜)の枠で起用された。 この番組の企画立案者で『オールナイトニッポン0(ZERO)』初代チーフディレクターも務めた松岡敦司は「そもそもオールナイトニッポンという番組は、新しい才能をリスナーに紹介する場だったからです。「新しい才能を発掘していくのがオールナイトニッポンだ」という想いが私自身の中にあったのです」と語っていて、1990年代から2000年代にかけて見られた知名度ありきのパーソナリティを起用するという方針から、かつて、1970年代半ばに見られた新人パーソナリティの発掘・育成を図るという方針に転換している事を窺わせている。また、YouTubeを利用した投稿を用いたことについて松岡は「とにかく面白いことができる人であれば何人でもかまわない。とにかく気軽に応募して欲しいということ。これだけインターネットが普及している時代なのでやはり、動画投稿サイトを使うのが良いだろうという結論に達しました」とも語っている。 2018年4月にオールナイトニッポンのプロデューサーに就いた冨山雄一は、第1部の起用について、「完成されているというか、良い状態にある旬の人を起用するという考え方」と述べている。対して、第2部は「伸びしろに期待できる若手を積極的に起用」するというようにパーソナリティの起用に幅を持たせているという。さらに冨山は、「今は、かつてのように『誰も聴いてないから好き勝手やっていいよ』というわけにはいきません。広告がしっかりついて、話題を発信できる。グッズ販売やイベント開催につなげることができて、局のデジタル戦略にも合致する人材を求めています。まずは特番で起用して反響を見ます。ギャンブル的に起用して『失敗したらしょうがない』という発想はもはや持ってません。ハードルは格段に上がっています」と、パーソナリティの起用の変化について述べている。 特に、2014年4月から2015年3月に放送された『ウーマンラッシュアワーのオールナイトニッポン0(ZERO)』の場合、27時から29時の放送時間帯にもかかわらず、有楽町にあるニッポン放送本社の出入り口には多くの女性ファンが出待ちする中で、NOTTVにチャンネルを合わせて、この番組を見ていたという。 2013年2月22日 22:00 - 2月24日 22:00は『たけし みゆき 千春も登場! 伝説のパーソナリティが今を語る オールナイトニッポン45時間スペシャル』を放送。同番組は24日 9:00 - 12:00「東京マラソン2013」の生中継などを挟みながら45時間の長時間生放送(一部録音)となった。 2013年4月の改編期には、NOTTVが2012年から始まった『オールナイトニッポン0(ZERO)』の映像配信に続いて、火曜日(久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン)と水曜日(ダイノジ 大谷ノブ彦のオールナイトニッポン)のオールナイトニッポン1部でも映像付きの同時生放送が1年間にわたって行われた。また、2014年4月の改編期には、金曜日から水曜日に枠が移動となった「AKB48のオールナイトニッポン」をNOTTVで映像付きの同時生放送を行った。 2013年9月16日より21日までの6日間は、「『オールナイトニッポン』×YouTube エンタメウィーク 連動企画」と題して、史上初めて月曜から土曜日まで旧1部、2部の枠全て(土曜2部を除く)が動画配信された。 2015年2月2日から2017年12月27日までニッポン放送と吉本興業が共同で企画制作するインターネット配信番組『オールナイトニッポンw』(月曜から金曜の19時から、10分から15分程度の動画を配信)がYouTubeを用いて配信された。 2015年10月改編から、これまでの『オールナイトニッポンGOLD』の月曜から木曜の放送枠を引き継ぎ『オールナイトニッポン MUSIC10』の放送が始まった。この番組について、冨山は「『ラジオ深夜便』への導入番組と位置付けていて、40代以上の幅広い人が寝る前に聴きやすい番組を目指している」と述べている。 2016年6月末をもって、『オールナイトニッポン0(ZERO)』を同時放送していたNOTTVの放送が終了になったことに伴い、この『オールナイトニッポン0(ZERO)』の動画配信は2016年3月28日の放送分からLINE LIVEに受け継がれた。『AKB48のオールナイトニッポン』は、『オールナイトニッポン0(ZERO)』のLINE LIVE移行後も引き続き放送が続けられたが、NOTTV閉局当日の同年6月30日(6月29日深夜)をもって同時放送を終了し、その後の空白期間を経て、同年8月11日(10日深夜。当日は欅坂46がパーソナリティ。)からSHOWROOMでの映像配信に移行した。 冨山は大きな転機となったことについて問われ「振り返ると、2016年の星野源さん、2017年の菅田将暉さんのパーソナリティー就任だと思います。2人の起用で、新規の若い女性リスナーが劇的に増えました。ラジオの深夜放送って、パーソナリティーと男性のはがき職人の秘密基地、ふとんにくるまってコソコソ聴くといったイメージがありますよね。でも、若い女性が、昼間にタイムフリーで聴いてツイッターでつぶやく。で、ANNがSNSのトレンド入りする、といった現象が起き始めた。それまで、取材なんかほとんど受けたことがなかったけど、今や女性誌やファッション誌までさまざまなメディアが、ANNの特集を組んでくれる。」と述べている。
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