飛翔騎士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 16:16 UTC 版)
形式・名称不明の空中浮遊試験用幻晶騎士 銀鳳騎士団にて、シルフィアーネ(一世・テイク1)設計の前に、幻晶騎士規模となる飛空船用源素浮揚器を背に取り付けた(web版 では「くくりつけた」と表現している)、形式・名称・ベース不明の空中試験用幻晶騎士が制作され、空中浮遊試験は成功した。 シルフィアーネ(一世:ファースト) 飛行型幻晶騎士試作第一号機。一応の開発名はシルフィアーネ一世。Web版 では一世の代わりにテイク1となっている。 銀鳳騎士団にて、双発魔力転換炉や全方向推進が可能なトイボックスやイカルガを目標に、カルディトーレを改造して、飛翔騎士に必要と思われる機能(双発魔力転換炉・小型源素浮揚器・源素供給器・源素晶石など)をすべて胴体に艤装し、その外を保護のために装甲で囲い、それとコックピットと魔導演算機(マギウスエンジン)をも収めた胴体の外に、3軸3次元対応の姿勢制御システム用魔導噴流推進器群を兼ねた装甲で包んだ結果、ボールのように肥大した胴体に手足が付いた不格好な機体となった。また、浮くことはできても、空中独楽踊り事件(初飛行時での制御不能)でアディの操縦技量を以てしても、操縦性や空中での機動に大問題があることが明らかになり、完全な失敗作となった。作中アディ以外に操縦した者の記述はない。 銀鳳騎士団鍛冶師隊の中では無かったものとして黒歴史扱いされ、デシレアは銀鳳騎士団でのカルディトーレ改造空中浮遊試験用幻晶騎士浮遊実験時にその存在を知らなかった。先行するモートルビート・モートラート・シャドウラートは搭乗者の技量により、後の降下甲冑(ディセンドラート)は実装された紋章術式による自動制御により、姿勢制御システムやイカルガ類似の大気圧縮推進(エアロスラスト)で、多くの搭乗者が安定して飛行・ジャンプ・空中降下をしているにも関わらず、カササギ以外で再挑戦されていない事からも、空中独楽踊り事件がエルを除く銀鳳騎士団内に如何に強烈な悪印象を与えたかが解る。 この悪印象の回避と次のシルフィアーネ(二世・テイク2)の空力姿勢制御コンセプトの成功に基づき、後にボキューズ大森海内で現地開発された降下用追加装甲(ヘイローコート)は、姿勢制御システムを廃し、空力で姿勢を安定・制御する様に設計され、一部カルディトーレ・グゥエラリンデ・再建時の一般型魔力転換炉双発仕様イカルガ・アルディラッドカンバー等の陸戦二足歩行形幻晶騎士に装備され、多くの騎操士により破綻無く運用されている。 諸元シルフィアーネSYRPHIRNE(2RD)所属 フレメヴィーラ王国 全高 17.3m 重量 42.6t フレーム インナースケルトン 武装 騎槍小型連装投槍器(アトラトルポッド)魔導短槍(ショートスピア)牽引索(トーイングアンカー) 搭乗者 アデルトルート・オルター シルフィアーネ(二世:セカンド) 空戦仕様機(ウィンジーネスタイル)の試作二号機で、飛翔騎士の基礎はこの機体でほぼ確立された。Web版 では二世の代わりにテイク2となっている。一世が銀鳳騎士団内で黒歴史扱いとなっているため、こちらが元祖扱いされている。同時に母艦となる飛翼母船もエルの手で設計された。 アディの何気ない言葉から着想を得たエルがツェンドルグの設計を基に生み出した機体で、魔力転換炉を2基搭載するなど共通点が多い。その外観は半人半魚の人魚を連想させる姿をしており、魚体部に双発魔力転換炉・小型源素浮揚器・源素供給器・源素晶石及び相当量の結晶筋肉を収め、後方噴射専用魔導噴流推進器で前進のみ行い、魚体部を曲げ、魚体部に取り付いた複数の可動式の鰭翼の空力で空中姿勢制御する様子は、文字通り空中を泳ぐ人魚と言える。 腕は二本だが脚は廃し、鰭翼は降着装置を兼用し不格好ながら歩行も可能、源素浮揚器から搭載量が限られるエーテルを抜かぬまま、着陸面に打ち込んだ牽引索(トーイングアンカー)で機体を着陸地へ強引に手繰り寄せて着陸する。 脱出の安全性のため、背部に操縦室が設けられている。操縦は降下甲冑を着た状態で行われ、操縦席にて甲冑と周囲の機器を接続し、甲冑の腕を操縦桿として、脚を鐙として用いる。空中での非常脱出時には操縦室を覆う背部構造・装甲の強化魔法を切って排除し、降下甲冑を着たまま射出、安全に空中から地上・水上に降下する事が脱出スイッチを押すだけで全自動で行われる。これは甲冑射出機構と呼ばれる新機軸の操縦・脱出機構であり、シルフィアーネ(一世・テイク1)での空中独楽踊り事件を反省し、シルフィアーネ(二世・テイク2)から開発・実装された。 試作初飛行時からアディがテスト騎操士を務めており、「シーちゃん」とアディは呼び、トゥエディアーネ量産銀鳳騎士団配備以後はアディ専用機となった。イカルガのボキュース大森海への墜落時に、アディは脱出しつつシルフィアーネ(二世・テイク2)でイカルガを下から支え、エルが搭乗したイカルガをハードランディングレベルまで落下速度を低減させ、さらにイカルガと大地の間で大破しつつ衝撃を吸収し、エル生存の一因となった。その後使える資材はカササギ建造に投入され、搭載の双発魔力転換炉はボキュース大森海内で再建されたイカルガに艤装された。 諸元シルフィアーネ・カササギ三世SYRPHIRNE-KASASAGI-3RD所属 フレメヴィーラ王国 全高 17.4m 重量 46.6t フレーム インナースケルトン 推進機関 開放型源素浮揚器(エーテルリングジェネレータ) 武装 小型連装投槍器(アトラトルポッド)魔導短槍(ショートスピア)牽引索(トーイングアンカー)嵐の衣(ストームコート)可動式追加装甲(フレキシブルコート)連射式魔導兵装(スナイドル) 搭乗者 アデルトルート・オルター シルフィアーネ・カササギ三世(サード)・エンゲージ ボキュース大森海からの帰還後にエルによって再設計され、カササギの機能を移されたうえで、主としてデシレア以下の国機研からの移籍組により詳細設計・再建されたシルフィアーネ。当初エルによって「シルフィアーネ・カササギ三世」と名付けられたが、あまりの命名センスの悪さから不評であり、アディ・親方・デシレアからはシルフィアーネ(アディは略称のシーちゃん)としか呼ばれず、アディへの結婚指輪代わりの意味合いあり最終的に「シルフィアーネ・カササギ三世・エンゲージ」とされた。シルフィアーネシリーズ3代は全てアディ専用騎となっているが、3代目にして初めて基本設計時点からアディ専用騎を前提に設計・建造された。 外見は、カササギに搭載されていた可動式追加装甲となる巨大腕を増設したシルフィアーネといったデザイン。操縦席も以前のシルフィアーネとは異なりイカルガに近い雰囲気となっており、追加された機能を操るための操鍵盤までついている。魔導演算機も開放型源素浮揚器を始めとした追加機能運用のためにエルの手が入っており、もはや本職であるはずの構文技師すらお手上げのごちゃごちゃな代物と化している模様。シルフィアーネ(二世・テイク2)やトゥエディアーネと同様に、腕と鰭翼を脚のごとくもちいて、トカゲのように地を這う事が可能で、作中その描写がある。外装は結晶質の透き通った外板状結晶筋肉(クリスタルプレート)を使用し、イカルガとの連動も考慮されている。アディ他が操縦にあたって降下甲冑(ディセンドラート)を明白に装着している描写は無い。 トゥエディアーネ シルフィアーネ(二世・テイク2)の設計データーを基に、国機研で改良再設計量産され、紫燕騎士団設立と共に増産された制式量産型飛翔騎士。大幅に洗練こそされてはいるが、基本的な構造はシルフィアーネからあまり変化していない。 ただし、紫燕騎士団に配備されたトゥエディアーネは先行試作型であり、これらの実際の運用データを基に更に洗練された完成型が、国内に配備された制式量産型となっている。 運用上、飛空船(レビテートシップ)に係留する場合もあり、取り付いてこれを推して補助推進器を務める事もある。 飛翔騎士・飛空船との通信は、発光・点滅信号による。
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