結晶
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2022年9月) |


概要
結晶を構成する原子の配列は、X線や電子線など、可視光線と比べて短い波長の電磁波に対して回折格子として働き、X線回折あるいは電子回折(電子線回折)と呼ばれる現象を引き起こす。この現象は、結晶構造を同定するために利用される[2]。
モデルとは異なり、現実の結晶は、完全な規則性を有しているわけではなく、格子欠陥と呼ばれる原子の配列の乱れが存在する。格子欠陥の存在によって、理想的な結晶の構造から予想されるものとは異なる性質を示すことがある。例えば、一般的な金属が比較的小さな力で塑性変形する事は、結晶欠陥の存在によって説明される。
準結晶と呼ばれる構造は、並進対称性を欠くにもかかわらず、X線を回折する高度に規則的な構造を持っている。数学的には高次元結晶の空間への射影として記述される。また、液晶は3次元のうちの一つ以上の方向について対称性が失われた状態である。そして、規則正しい構造をもたない物質をアモルファス(非晶質)と呼び、これは結晶の対義語である。
定義
国際結晶学連合 (IUCr) では1992年に、結晶(Crystal) を「本質的に離散的な回折を与える固体」として、また非周期的結晶 (aperiodic crystal) を「三次元の格子の周期性を持っていない結晶」として定義し直している。 これにより、3次元の周期性は悪すぎるが非周期的結晶の解析のために開発された結晶学的方法によって 議論ができる化合物、例えば変調された構造体、ポリタイプ、不整合(インコメンシュレート)相、複合結晶、準結晶も結晶と呼ぶこととなった。
種類
結合の種類によって結晶は次のように分類される。
食塩結晶において、それを形成する結合は一種類だけとは限らず、複数の結合が混在(共有性とイオン性両方を示す場合はよくある)している場合がある。例として2001年に39Kの超伝導を示し有名になった MgB2(二ホウ化マグネシウム)がある。MgB2 は金属(金属間化合物)でありながら、原子間の結合が主に共有結合による部分(B層のB原子間)と主にイオン結合による部分(Mg層とB層の間)からなる(電子状態は金属なので、金属結合的な部分もある)。
形状
脚注
参考文献
- 芦田玉一『X線結晶構造解析の発展』 2巻、0号、名古屋文理大学、2002年、81-91頁。doi:10.24609/nbukiyou.2.0_81。ISSN 24335517。 NAID 110004706502。 NCID AA11562518。
関連項目
- 完全結晶(単結晶)
- 多結晶
- 微結晶
- 双晶 - 双晶面 (twin boundary)
- 混晶
- 液晶
- 準結晶
- アモルファス
- 物性物理学
- 結晶学
- 結晶構造 - 結晶格子
- 鉱物学、鉱物
- タバコモザイクウイルス
- 対称性
外部リンク
- 日本結晶学会
- 結晶美術館
- 2014年は世界結晶年!(生活環境化学の部屋)
- Atomwork - 無機材料データベース (国立研究開発法人 物質・材料研究機構)
- AFlow - material database (Duke University, North Carolina)
「結晶質」の例文・使い方・用例・文例
- 結晶質なる
- 土壌の放線菌から得られる黄色の結晶質の抗生物質(商標名テラマイシン)
- 特定の皮膚病と写真の現像液として使われる有毒な白い光る結晶質のフェノール
- 哺乳動物の胆汁から得られた無色の結晶質
- 自然で見つからない結晶質の金属元素
- 希少な硬い黄緑色の鉱物で、結晶質のベリリウムアルミ酸塩から成る
- 切り出されて宝石として研磨される結晶質の石
- マオウ属の植物(特にシナマオウ)から得られるか、あるいは人工的に作られる、白い無色の粉末、または結晶質のアルカロイド
- 保存料として使われる白い結晶質のカルボン酸
- その中により大きな水晶が埋め込まれている、きめの細かい結晶質の物質の基質
- 水溶性の結晶質の酸
- 農業殺虫剤として使われる白い結晶質の粉
- 薬で主に使われる白い結晶質の粉
- 硫黄を含む結晶質のアミノ酸
- コールタールから抽出される浅黄色の結晶質の炭化水素C16H10
- 胆汁の中に存在する不溶性で結晶質の酸
- 白い結晶質として黒いカテキュから抽出されるタンニン酸
- タンパク質に見られる無色の結晶質のアミノ酸
- 閃亜鉛鉱またはウルツ鉱として自然に発生し、発光色素として使用される白から黄色の結晶質の蛍光合成物
- 透石膏という,白色または無色透明の結晶質の石膏
結晶質と同じ種類の言葉
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