宝石として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 23:14 UTC 版)
多くの柘榴石と同様に、透明度の高いものは宝石として利用される。 とりわけクロムを含んだ緑色の変種のデマントイド(Demantoid)はアメリカなどで人気が高い。「ダイヤモンドに似た」という語源を持ち、光の屈折率(ダイヤモンドよりやや低い1.89)と分散値(ダイヤモンドを上回る0.057)の高さが特徴。また黄色のものは「トパーズに似た」という語源からトパゾライト(Topazolite)、もしくはイエロー・デマントイドと呼ばれる。 ロシアのウラル地方やイタリアのロンバルディア州など、蛇紋岩系の鉱床から産出した灰鉄柘榴石はしばしば石綿のインクルージョンが見られる。繊維状である事を馬のしっぽになぞらえてホーステールと呼ばれ、透明度や輝きを阻害せず、かつ見栄えの良い円形や放射状のものは高値で取引される(大量に内包して透明度や輝きを阻害すると、一般的な宝石と同様に異物として扱われ価値を下げる)。専らデマントイドの特徴とされるが、同じ鉱床から産していればトパゾライトや褐色の灰鉄柘榴石など色を問わず見られるものである。なおナミビアやマダガスカルなどスカルン鉱床から産した灰鉄柘榴石にはホーステールは見られない。 このほかラメラ構造を持つ事で表面に虹色の光沢を呈するレインボーガーネットという変種も存在する。メキシコのソノラ州で産出したレインボーガーネットは灰鉄柘榴石の層と灰礬柘榴石の層がラメラ構造を形成している。またメキシコ産とは異なり、純粋な灰鉄柘榴石に近いタイプのレインボーガーネットが日本国内でも発見されている。 デマントイド トパゾライト ホーステールが見られるデマントイド
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