スカルン鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/12 23:55 UTC 版)
スカルン鉱床(すかるんこうしょう、英: skarn deposit)とは、熱水鉱床の一種である。石灰岩などの大規模な炭酸塩岩が発達する地域で、花崗岩などが貫入した際に発生する熱水により、交代作用が起こり、炭酸塩岩が単斜輝石や柘榴石などに置き換えられることがある。これがスカルンである。この時、鉄や銅をはじめ亜鉛や鉛などの有用な金属が、酸化物や硫化物の形で一緒に沈殿することがあり、これが大規模に発達すれば、スカルン鉱床として開発の対象となる。
露頭として認められやすく、山口県秋吉台の長登地区や福岡県香春岳地区の銅鉱石は奈良時代から開発されてきた。
日本における代表的な鉱山
- 釜石鉱山(鉄・銅)(岩手県)
- 八茎鉱山(鉄・銅)(福島県)
- 秩父鉱山(鉄・銅・亜鉛・鉛)(埼玉県)
- 神岡鉱山(亜鉛・鉛)(岐阜県)
- 中竜鉱山(亜鉛・鉛)(福井県)
- 三原鉱山・山宝鉱山(鉄・銅)(岡山県)
- 都茂鉱山(鉄・銅・亜鉛・鉛)(島根県)
- 藤ケ谷鉱山・玖珂鉱山・喜和田鉱山(タングステン)(山口県)
- 豊栄鉱山(亜鉛・錫)(大分県)
関連項目
参考文献
- 島崎英彦「第12章 スカルン鉱床」(立見辰雄編『現代鉱床学の基礎』、東京大学出版会、1977年、175-187頁)。
外部リンク
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スカルン鉱床
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マグマから分離した鉱液は通常多量のケイ酸成分を含んでいるが、これが石灰岩と接触すると下記のように反応して珪灰石が生成する。 CaCO3 + SiO2 = CaSiO3 + CO2 母体となる岩石が大きく変化する中で、鉱液に含まれていた有用成分や石灰岩中の他の微量成分も反応し、濃集・固定化が生起して各種の金属鉱床が形成される。このようにマグマと石灰岩が接触した場所で形成される特徴的な熱水鉱床をスカルン鉱床と呼ぶ。鉱液が高温の時にはタングステン、モリブデン、スズ、鉄の鉱床が形成され、中低温の時には銅、亜鉛、鉛の鉱床が形成される。日本の代表例としては鉄と銅を産出して日本の近代化に貢献した岩手県の釜石鉱山や、奈良の東大寺の大仏作成にかかわったといわれる山口県の長登銅山がある。
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