熱水鉱床
ねっすい‐こうしょう〔‐クワウシヤウ〕【熱水鉱床】
熱水鉱脈
熱水鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/09 20:03 UTC 版)
地下から上昇してきた熱水に金や銀、銅、鉛、亜鉛などの有用元素が含まれていた場合、形成された熱水鉱脈は熱水鉱床として採掘対象となる。鹿児島県の菱刈鉱山(金)や足尾銅山(銅)など多くの金属鉱山は岩石内を通る熱水が析出して岩脈となったものである。菱刈鉱山、土肥鉱山のように温泉が湧出する鉱山も多い。 海底火山近くの海底においては、周囲の海水が熱水の起源となり海底熱水鉱床を形成する。このような熱源が豊富な中央海嶺付近は多くが深海底にあり、高い温度と水圧により海水の温度は300℃近くあるが沸騰しない。このような超臨界状態の海水は周囲の基岩から塩類を高濃度に溶出して熱水噴出孔から海水中へ噴出する(ブラックスモーカーなど)が、その周囲の0℃に近い海水に触れることで塩類が直ちに析出沈殿し、チムニーと呼ばれる噴出塔の形成も見られる。また周囲に大量の金属塩類が沈殿して鉱床を形成する。このような鉱床は堆積鉱床と呼ばれる。軟マンガン鉱はこうして得られる鉱物の代表的な例である。 「鉱床学#堆積鉱床」も参照
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熱水鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 08:54 UTC 版)
熱水鉱床は、マグマ中から分離した水 またはマグマ近傍に存在してマグマに熱せられた地下水が、周囲の岩石の成分を溶かして移動し、特定箇所で沈殿したもの。普通100℃以上の高温の地下水を指す。熱水の由来がマグマであるため広義の火成鉱床に含まれるとも考えられるが、通常は別のタイプの鉱床として取り扱われる。熱水鉱床にはその産出状況から、「鉱脈型鉱床」「塊状熱水鉱床」「スカルン鉱床」「斑岩銅鉱床」に分類される。 1960年代以後の高温高圧における実験で、マグマが高温高圧条件にあるときはマグマはかなりの量の水(10-15%)を溶解させうることが判明した。実際のマグマ中の水はそれよりももっと少ないと見積もられているが、火山ガスの主成分が水であることからわかるように、マグマは実際にかなりの量の水分を含んでいる。マグマが地下15km以上の深所にあるとき水はマグマ中に溶解しているが、マグマが上昇するにつれて圧力と温度が下がって溶解度が減少し、水が分離される。また上昇してきたマグマは地下数kmほどの深さで地下水と接触してこれを加熱し、熱水を生成させる。これらの高温(100℃から550℃)の水は各種物質に対する溶解度が高く、多くの有用成分を溶解している。熱水が冷却されると溶解度が低下し有用成分を沈殿させて鉱床を形成する。鉱床形成に関与した熱水を鉱液と呼ぶ。鉱液の起源はマグマからの分離水やマグマに加熱された地下水など多様である。
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熱水鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/21 10:07 UTC 版)
熱水溶液には、比較的融点が低い、金、銀、鉛、水銀など工業的に有用な金属が取り込まれていることが多く、熱水鉱床は貴重な鉱物資源として、鉱山開発が進められてきた。 岩石が熱水変質によってほとんど粘土鉱物になったり(粘土化)、珪酸(SiO2、非晶質~結晶質)になったり(珪化)することも多く、良質であれば粘土鉱床や珪石鉱床として利用される。
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