塊状熱水鉱床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 08:54 UTC 版)
塊状熱水鉱床は、熱水が海中に噴出して急冷されてできたもので、秋田県北部の花岡鉱山などがある。秋田県北部には銅、鉛、亜鉛などの鉱石が濃集した品位の高い黒鉱が産出していたが、鉱床の生成原因は1960年代まで明らかではなかった。その後の研究で海底で堆積したことが判明し、ほぼ同じ頃に紅海の底で鉄や亜鉛を高濃度に含んだ泥が海底から採取され、海底成因説を決定づけた。現在では紅海と同様のプレート発散型境界の近くで、右写真の様なチムニーの映像が確認されており、塊状熱水鉱床の生成の場面を見せてくれる。黒鉱はチムニーが崩壊して堆積した後、早期に他の火山岩により埋められて固定化されたもので、黒鉱の産地では黄銅鉱が主体の黄鉱も産出した。日本の黒鉱の鉱山は2011年現在すべて閉山している。 塊状熱水鉱床が地下で変成作用を受けた鉱床をキースラーガーと呼ぶ。海洋プレートが海溝で島弧や大陸の下に沈み込む際に、鉱床がプレートと一緒に大陸下に引きずり込まれて高温高圧を受けた後、大陸に底付けされて大陸地殻に取り込まれ、その後地表まで移動したもの(付加体参照)。変成作用中に鉱石の再濃集が行われて、大規模な鉱床となる。愛媛県の別子銅山や茨城県の日立鉱山が代表例。
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