熱水法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 07:11 UTC 版)
地殻内で起こっている熱水変質作用を人為的に行っているといってよい。 アルミナは1気圧の100℃の沸騰水には溶けないが、地殻内の1,000気圧以上、1,000℃以上の熱水には溶け、溶解度は温度が高いほど高く、溶けたアルミナは低温のところへ析出する。この環境を人為的に作る。高圧容器の中に水を入れ、原料のアルミナ他を沈め、種結晶を上から吊し、底から加熱すれば、原料は高温高圧の水に溶け、上部の低温の種結晶の表面に析出する。 方法自体は水晶合成のために1960年代に開発されたが、ルビーの場合はクロムの拡散が難しく、ニッケルを着色剤とすることで1990年代後半になってロシアでようやく成功した。生成する単結晶は格子欠陥が少ないが、装置の構造が複雑で生成速度が遅いので、あまり行われない。包有物、赤外線吸収特性などにより天然物とは区別できる。
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