宝石としてのサンゴとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 宝石としてのサンゴの意味・解説 

宝石としてのサンゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 02:06 UTC 版)

サンゴ」の記事における「宝石としてのサンゴ」の解説

折れて海岸漂着したり、海底から採取されたりした一部サンゴ宝石サンゴ)は見た目美しさにより、古代から世界各地宝飾品として使用取引されてきた。日本宝石協会ではサンゴ3月の誕生石としている。結婚35周年珊瑚婚式ともいう。仏教における七宝一つサンゴ生息海域限られ成長が遅いにもかかわらず現代において宝飾品需要高まっているため、資源保護課題となっている。古くから珊瑚珍重され密輸乱獲大きな問題となっている中国申し入れにより、Paracorallium japonicum (アカサンゴ)、Corallium elatius (モモイロサンゴ)、Corallium konjoi (シロサンゴ)、Corallium secundum (ミッドサンゴ)の4種が「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約ワシントン条約)」附属書Ⅲ類に掲載された。2008年7月1日より国際輸出の際は、輸出国管理当局発行する輸出許可書、または原産地証明書等が必要とされている。取引規制機運はさらに高まっており、2016年ワシントン条約第17回締約国会議COP17)でサンゴ資源量貿易状況議論する場を設け提案採択された。2017年付属委員会で、各国サンゴ資源管理流通について2018年夏報告することが決まった日本では東京都高知県沖縄県などで各都県の許可受けた漁船により年間5t程度サンゴ採取されている。加工前の宝石サンゴ価格2017年時点)は1kg 100万円以上と2011年比で5割以上高くなっており、出漁船が増える傾向にある。乱獲防止のため採取方法規制禁漁期間が設定されているものの、内容は各都県にゆだねられており、日本政府としての統一した規制はない。 西洋でも宝石サンゴには長い歴史様々な関連文化がある。ギリシア神話によると、英雄ペルセウス怪物メドゥーサの首掻き切った時、溢れた血からペガサスが、地中海滴り落ちた血のから珊瑚生まれたとされている。ローマ時代から護符として愛用された。 12世紀のカスティリヤ王アルフォンソ10世がまとめた『宝石誌』には、「珊瑚金星と月に結びついた宝石と書かれているイタリア農婦の間の俗信では「持ち主女性月経の間は珊瑚の色が褪せる」と考えられていた。伝統的に金星肉体的な愛を司るヴェヌス、月は妊娠つかさどるダイアナ結びつく惑星とされている。イタリアで古くから地中海珊瑚C. rubrum(ベニサンゴ)を使った工芸発達し、海にちなむことから船乗りや血のような赤い色から妊婦厄除けとして珍重されてきた歴史がある。 赤い珊瑚で角を象った「コルノ」という護符厄除けとして現在でもよく好まれる中世夢判断においては夢に珊瑚現れると病から回復する予兆であるとされた。 一方で珊瑚の色が褪せることは持ち主の健康が脅かされている予兆だと恐れられていた。1584年イワン雷帝謁見したサー・ジェローム・ホーシーは、皇帝美し珊瑚ホーシーの手取らせて間違いなく美し色合いをしていると確認させた後、自分の手乗せた珊瑚が「衣の色」に白く褪せて自分の死を予知している。と言った記録している。三年前に癇癪から妊娠中の皇太子妃蹴り殺し、妻を助けようとした皇太子撲殺皇太子妃の身ごもっていた初孫をも殺害しており失意の底にあった皇帝は、ホーシー謁見して間もない1584年3月18日に自らの言葉通り発作起こして死んだ日本では奈良時代以来シルクロード渡ってきた地中海珊瑚珍重していた。産地イタリアで地中海珊瑚乱獲原因により絶滅に近い状態に陥り、代替品求められていた。 19世紀土佐沖でシロサンゴ発見されるや否やインド駐留していたイタリア商人中国商人通じて買い付けイタリア送った次いで土佐沖でアカサンゴモモイロサンゴ発見されるにいたり、日本開国決めるとイタリア珊瑚商人が自ら買い付け土佐乗り込んだイタリア人々久方ぶりに輝くような赤や桃色珊瑚を手に取れようになった日本産珊瑚のうち、日本中国台湾で最も人気があるのはアカサンゴで、そのうちでも深みのある赤を市場では血赤珊瑚アメリカではオックスブラッドヨーロッパでは「トサ」などの名称で呼ばれることがある)と呼んで最高ランクとされ、台湾中国富裕層人気高く2国の発展に伴い値段高騰激しい。この人気のため日本海域アカサンゴ大規模に密漁されている(中国漁船サンゴ密漁問題)。 モモイロサンゴ桃色の名を冠するものの朱色から桜色まで色調広くアカサンゴより大型のものが多いので広く使われるヨーロッパでアカサンゴより本種が人気。本種も含め透明感のある淡いピンク色のものは市場では天使の肌という意味の「エンジェルスキン」とロマンチックな名で呼ばれるが、日本流通業界では「ボケ」と呼ばれている。一般的に植物のボケ花の色由来するといわれるが、商売上手のイタリア人日本人中国人仲買人を騙すために「色がぼけていて安価でしか買いとれない」と嘘をついて安く仕入れて大もうけしたという俗説もあり、正確な語源いまだに不明である。

※この「宝石としてのサンゴ」の解説は、「サンゴ」の解説の一部です。
「宝石としてのサンゴ」を含む「サンゴ」の記事については、「サンゴ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「宝石としてのサンゴ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「宝石としてのサンゴ」の関連用語

1
6% |||||

宝石としてのサンゴのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



宝石としてのサンゴのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのサンゴ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS