灰礬柘榴石とは? わかりやすく解説

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灰礬柘榴石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/21 01:50 UTC 版)

灰礬柘榴石
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Ca3Al2(SiO4)3
結晶系 等軸晶系
へき開 なし
モース硬度 6.5〜7.5
光沢 ガラス光沢
無色褐色緑色
条痕 白色
比重 3.61
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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灰礬柘榴石(かいばんざくろいし)は、ネソケイ酸塩柘榴石群に属する鉱物の一種である。

グロッシュラー(grossular)とも呼ばれる。この名称は、緑色の結晶から西洋スグリの旧学名、Grossulariaにちなんだものである。

特徴

組成式はCa3Al2(SiO4)3で表され、純粋なものは無色であるが普通は少量の灰鉄柘榴石および灰鉻柘榴石成分を固溶体として含み淡褐色や淡緑色を呈する。屈折率は1.74程度であるが、密度と共に固溶する灰鉄柘榴石成分などの比率により変動する。カルシウムイオンイオン半径がやや大きいため、苦礬柘榴石鉄礬柘榴石とは固溶体をつくりにくい[1]ケイ酸の一部は水酸基と置換し、「ヒブシュ柘榴石」[2](Hibschite)という独立種とされてきたが、現在は灰礬柘榴石の一種として扱われる。

一般の柘榴石と同様に菱形十二面体あるいは偏菱二十四面体の自形結晶をつくりやすく菱形十二面体が一般的である。灰鉄柘榴石などとの区別は難しいが、灰鉄柘榴石は磁化率が高いことなどから区別が可能である。

産出

ツァボライト

スカルン中あるいは蛇紋岩中など様々な産出形態があり、変成岩中にも産出する[3]熱力学的には常圧下では不安定であり高圧下で安定となるため人工合成は困難を伴い、20000気圧、900℃が合成の最適条件とされる。常圧、1080℃以上では分解してゲーレナイト(Ca2Al2SiO7)、珪灰石および灰長石の混合物となる[4]

世界の有名な産地としては、ケニアイタリアスリランカメキシコカナダケベック州石綿に伴ったもの)、ロシアヴィリュイ川などがある。塊状で産出することも多く、南アフリカ産の「トランスバール・ジェード」など、別の石の名称を冠した多彩な名称を持つ。

ケニアからはクロムを含む濃い緑色を呈した種類を産することがあり、透明度の高いものはツァボライトTsavolite)の名の宝石で呼ばれる。

日本国内の産地では、福島県伊達市霊山地域や長野県川上村の甲武信鉱山のスカルン中、あるいは福岡県篠栗町蛇紋岩中などが挙げられる。

参考文献

  1. ^ 木下亀城、小川留太郎 『標準原色図鑑全集6 岩石鉱物』 保育社、1967年
  2. ^ Hibschite, mindat.org
  3. ^ 堀秀道 『楽しい鉱物図鑑』 草思社、1992年
  4. ^ 吉木文平 『鉱物工学』 技報堂、1959年

灰礬柘榴石(グロッシュラー:grossular)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 22:17 UTC 版)

柘榴石」の記事における「灰礬柘榴石(グロッシュラーgrossular)」の解説

Ca3Al2(SiO4)3。スカルン産するツァボライトがこれに属する。

※この「灰礬柘榴石(グロッシュラー:grossular)」の解説は、「柘榴石」の解説の一部です。
「灰礬柘榴石(グロッシュラー:grossular)」を含む「柘榴石」の記事については、「柘榴石」の概要を参照ください。

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