結晶運動量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 21:33 UTC 版)
固体物理学における結晶運動量(けっしょううんどうりょう、英: crystal momentum)または擬運動量(ぎうんどうりょう、英: quasimomentum、準運動量とも)[1]とは、結晶格子中の電子に関する運動量に似たベクトル量。格子中で電子が持つ波数ベクトル k によって以下のように定義される。
注釈
- ^ より正確に表現すると、ハミルトニアンが運動項とポテンシャル項の単純な和であるような状況では、無限の周期ポテンシャルを持つハミルトニアンは格子並進の演算子 T(a) と交換可能となる[4]。
- ^ この定理は、ハミルトニアンが格子並進の演算子と交換可能であるという前述の事実から直接導くことができる[5][6]。
- ^ 例えば、自由粒子に対する並進演算子が、量子力学的には波数ベクトルで、古典的には正準運動量で表されることからそのような定義を導ける[7]。
- ^ この性質は、離散対称性を持つ格子では自由空間のようにネーターの定理から運動量保存則を導くことができない、という事実から導かれる。
- ^ その一方、自由粒子では指数関数項だけで運動エネルギーが決まる。
出典
- ^ Gurevich & Thellung 1990.
- ^ Ashcroft & Mermin 1976, p. 139.
- ^ Peter J. Mohr (2015年6月25日). “The 2014 CODATA Recommended Values of the Fundamental Physical Constants (PDF)”. NIST. 2017年1月11日閲覧。
- ^ Ashcroft & Mermin 1976, p. 134.
- ^ Ashcroft & Mermin 1976, p. 261–266.
- ^ Sakurai 1993, p. 139.
- ^ Robert Littlejohn (2012年). “Physics 221a class notes 4: Spatial Degrees of Freedom”. University of California, Berkeley. 2017年1月7日閲覧。
- ^ a b Ashcroft & Mermin 1976, p. 218.
- ^ AshcroftMermin 1976, p. 141.
- ^ Ashcroft & Mermin 1976, p. 216.
- ^ Damascelli, Hussain & Shen 2002.
- 1 結晶運動量とは
- 2 結晶運動量の概要
- 3 応用
- 4 脚注
- 結晶運動量のページへのリンク