はつばき(発馬機)
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発馬機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/11 04:17 UTC 版)
発馬機(はつばき)とは競馬などの競走において使われている、全頭を一斉にスタートさせるための設備である。現在の競馬においてはほとんどの競走でゲート式のものが使われており、スターティングゲート (starting gate) または略してゲートが発馬機の同義語として使われることも多い。
注釈
- ^ ただし、中央競馬では目隠ししてでも入れるので、枠入不良による発走除外は滅多に行われない。逆に地方競馬ではそれなりに見かけられる。
- ^ 一般的にはエキシビジョンパークが最初に導入した競馬場とされるが、ベイメドウズ競馬場では同競馬場が最初のゲート導入競馬場であると主張していた(参照:Bay Meadows History - ベイメドウズ競馬場公式サイト (Internet Archive) )。
- ^ ゲートの牽引車が宮道式の場合はトレーラーヘッドであるのに対しJRA式のものはトラクターによる牽引であるため、判別は容易である。
- ^ 中には高知競馬のように馬番号部分をLED表示、及び上部にリボン状の映像表示機能を備えるのもある。
- ^ 2022年現在、JRA式(JSS型)を導入しているのは門別・盛岡・水沢・金沢・名古屋・笠松の6競馬場で、南関東4競馬場・園田・姫路・高知・佐賀は宮道式を採用している。
- ^ ばね探訪【馬に捧げた人生物語】日本スターティング・システム株式会社様 - 東海バネ工業HP。
出典
- ^ a b c Peake, Wayne. “Chapter 4: Programming and conducting unregistered proprietary horse racing” (pdf). Unregistered proprietary horse racing in Sydney 1888-1942. Australian Digital Theses Program (University of Western Sydney). pp. p.141-184 2006年4月17日閲覧。
- ^ 日本中央競馬会 編集『日本競馬史』第4巻、1969年、扉画像
- ^ a b c d The Encyclopaedia of Flat Racing [p281-282](1986 著者:Howard Wright 出版:Robert Hale ISBN 0-7090-2639-0)
- ^ “National Museum of Australia: Annual Report 2003-2004 Part 5 - Appendices; Appendix 3, Acquisitions - National Historical Collection (page 3 of 3)”. National Museum of Australia (2004年). 2006年4月17日閲覧。
- ^ a b c d 競馬用語辞典 - 発馬機 - JRAホームページ
- ^ Horse Racing's Top 100 Moments [p.68](2006 著者:ブラッド・ホース編集部 出版:ブラッド・ホース出版局 ISBN 158150139-0)
- ^ Wood, Greg (2006年4月3日). “End of an era as Jockey Club falls on own sword”. The Guardian 2009年10月18日閲覧。
- ^ True Center Gate - about us
- ^ シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説 [p.34](2003 原著:ローラ・ヒレンブランド 翻訳:奥田祐士 出版:ソニー・マガジンズ ISBN 4-7897-2074-8)
- ^ TCKヒストリー - 東京シティ競馬
- ^ 競馬ファンの大発明 - TCKドラママガジン(2009年9月27日時点のアーカイブ)
- ^ a b c 馬に捧げた人生物語「日本スターティング・システム株式会社-JSS」第1話 第3話 - あのばねマガジン
- ^ 製品情報 - 発馬機 - 日本製鋼所
発馬機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 17:08 UTC 版)
詳細は「発馬機」を参照 出走馬がスターターの合図で一斉にスタートを切ることができるように考案された装置。現在主流なのがゲート式であることから単にゲート、もしくはスターティングゲートといわれることが多い。当初は旗を振り下ろすことで合図としていたが後にバリヤー式発馬機が導入され、さらに現在ではゲート式のスタートで実施されている(なお、1971年まで存在した繋駕速歩競走では距離によるハンデだったため、スターターの振り下ろす赤旗がスタートの合図で最後まで行われたほか、一時的にはモービルゲート方式が使用されていたこともある)。ばんえい競馬では距離の変動がないため、発馬機はスタート地点に固定されている。 バリヤー式(濠州式バリヤー) まず、横に佇立させた出走馬の胸の高さに「スターティングバリヤー」と呼ばれる棕櫚縄のロープ(ネット)をフックを利用して張る。発馬担当者のレバー操作でフックを外すとこのロープが上方に跳ね上がり、これをスタートの合図とする。装置は簡便であるが発走前の位置取りで騎手間の牽制があったり馬が静止しないため突進や出遅れなどの問題が多く、現在のゲート式に切り換えられた。なお、バリヤー式には軟式バリヤーと硬式バリヤーの2種類があった。 日本の競馬では1926年にこの方式が導入されたが、現在は使用されていない。 現在は競馬先進国ではほとんど用いられない方法であるが、欧州の障害競走では現在でも使用されている。但し、1993年に英国・エイントリー競馬場で行われたグランドナショナルで、2度の発馬時のトラブルによってレースが不成立になってから発走方法が見直されつつあり、最近では、馬場の左右にオレンジ色のゴムテープを張り、スタート時に片方を放す事で、馬にバリヤーロープが当たらなくするバリヤースタートを採用する競馬場が多くなっている。 ゲート式 JRA式 宮道式 現在、世界的に見ても主流のスタート方式である。多くは電磁石や金具などで開扉する機構を持つ可搬式のスターティングゲートを使用する。枠で仕切ったゲート内に出走馬を佇立させ、スターターの制御によるゲートの一斉開扉をもって競走のスタートとする。 バリヤー式スタートの欠点を解消したスタート方法であるが馬には本質的に狭所を嫌う性質があるため、ゲートに入れるためにはトレーニングが必要な上、トレーニングにより可能となっても環境が異なる実際のレースでは難渋し最悪の場合には発走除外の措置となったケースも存在する。また、気性の極めて激しい馬の場合にはこのゲート入りがどうしてもクリアできずに結果として競走馬失格となる場合も見受けられる。 日本で最初に導入したのは1953年の大井競馬場を初めとする地方競馬の南関東地区である。これに用いられたのは「宮道式(みやじしき)」と呼ばれる電磁石の力だけで開閉を制御するものである。これは金具を使わず磁力のみによって閉扉状態を維持しているため暴れた馬が突破してもゲートが開くだけで破損がおきにくくメンテナンスが容易という利点を持つが、構造上出走頭数が制限されてしまう難点がある。もっとも、大井競馬場では16頭立てのゲートも使用されている。 地方競馬では現在でもこの宮道式の改良型(日本スターテイングゲート社製)を使用している所が多い。 他方、近年は後述するJRA式(あるいはJRA旧式ゲートの中古再整備品)を導入している地方競馬場も存在する。ゲートの牽引車が宮道式の場合はトレーラーヘッドであるのに対しJRA式のものはトラクターによる牽引であるため、判別は容易である。 「宮道式」の名は開発者である宮道信雄の名に由来する。 中央競馬では1960年7月2日の小倉競馬場の3歳戦(※旧年齢表記)から導入された「ウッド式発馬機」が最初である。これは当時、ニュージーランドの競馬で用いられていたゲートを参考に中央競馬会が開発したものといわれ当初のものは足元にパイプがあり馬が躓いたり、ゲートが動きやすいなど問題のある構造であった。しかし、1975年から電動式で扉が開く発馬機を使用。それ以降の幾次にも渡る改良により現在使用されているゲートは世界的に見てももっとも安全な競馬用発馬機の一つと言われ、海外の競馬場にも輸出されるほどになっている。ちなみに発明したウッドは、水道技師だった。 現在のJRA式(日本スターティング・システム社製)と呼ばれるゲートは、金具と電磁石の併用による電動開扉をするシステムとなっている。そのため、開扉タイミングの誤差は小さい。ただし馬のゲート突破などによる金具の破損などの問題により、外枠発走などの競走結果にも関わる問題が生じる欠点が地方競馬で主流の「宮道式」との比較などで指摘されている。
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