発馬機とは? わかりやすく解説

はつばき(発馬機)

出走馬が、スターター合図で、一斉にスタートを切ることができるように考案されたもの。日本では最初旗を振ったりしていたが、1926年から濠州バリヤーという、綱をコース内外にわたし、バネ斜め前上方はね上げるタイプのものを使っていた。しかし、馬が静止しないため、突進回転をして出遅れトラブル絶えなかった。
そこで中央競馬会は、1960年からウッド式という軽くて移動簡単なパイプ組み合わせたような前扉が開くタイプのものに切り替えた。しかし、軽いので馬が暴れるとゲート全体が動くのと、第一歩踏み出すとき、馬が脚元のパイプを踏むおそれがあって事故の危険があった。そこでウッド式の欠点改良し電動式前扉が開くJSG48型と呼ばれる発馬機を1975年から使用その後1985年1990年1995年改良重ね2000年から操作性安全性高めた最新型のJSS20型を使用している。
発馬機
バリヤー式発馬機
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発馬機
ウッド式発馬機
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発馬機
電動式発馬機


発馬機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/11 04:17 UTC 版)

発馬機(はつばき)とは競馬などの競走において使われている、全頭を一斉にスタートさせるための設備である。現在の競馬においてはほとんどの競走でゲート式のものが使われており、スターティングゲート (starting gate) または略してゲートが発馬機の同義語として使われることも多い。


注釈

  1. ^ ただし、中央競馬では目隠ししてでも入れるので、枠入不良による発走除外は滅多に行われない。逆に地方競馬ではそれなりに見かけられる。
  2. ^ 一般的にはエキシビジョンパークが最初に導入した競馬場とされるが、ベイメドウズ競馬場では同競馬場が最初のゲート導入競馬場であると主張していた(参照:Bay Meadows History - ベイメドウズ競馬場公式サイト (Internet Archive) )。
  3. ^ ゲートの牽引車が宮道式の場合はトレーラーヘッドであるのに対しJRA式のものはトラクターによる牽引であるため、判別は容易である。
  4. ^ 中には高知競馬のように馬番号部分をLED表示、及び上部にリボン状の映像表示機能を備えるのもある。
  5. ^ 2022年現在、JRA式(JSS型)を導入しているのは門別・盛岡・水沢・金沢・名古屋・笠松の6競馬場で、南関東4競馬場・園田・姫路・高知・佐賀は宮道式を採用している。
  6. ^ ばね探訪【馬に捧げた人生物語】日本スターティング・システム株式会社様 - 東海バネ工業HP。

出典

  1. ^ a b c Peake, Wayne. “Chapter 4: Programming and conducting unregistered proprietary horse racing” (pdf). Unregistered proprietary horse racing in Sydney 1888-1942. Australian Digital Theses Program (University of Western Sydney). pp. p.141-184. http://library.uws.edu.au/adt-NUWS/uploads/approved/adt-NUWS20050817.163106/public/06Chapter4.pdf 2006年4月17日閲覧。 
  2. ^ 日本中央競馬会 編集『日本競馬史』第4巻、1969年、扉画像
  3. ^ a b c d The Encyclopaedia of Flat Racing [p281-282](1986 著者:Howard Wright 出版:Robert Hale ISBN 0-7090-2639-0
  4. ^ National Museum of Australia: Annual Report 2003-2004 Part 5 - Appendices; Appendix 3, Acquisitions - National Historical Collection (page 3 of 3)”. National Museum of Australia (2004年). 2006年4月17日閲覧。
  5. ^ a b c d 競馬用語辞典 - 発馬機 - JRAホームページ
  6. ^ Horse Racing's Top 100 Moments [p.68](2006 著者:ブラッド・ホース編集部 出版:ブラッド・ホース出版局 ISBN 158150139-0
  7. ^ Wood, Greg (2006年4月3日). “End of an era as Jockey Club falls on own sword”. The Guardian. http://sport.guardian.co.uk/horseracing/story/0,,1745459,00.html 2009年10月18日閲覧。 
  8. ^ True Center Gate - about us
  9. ^ シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説 [p.34](2003 原著:ローラ・ヒレンブランド 翻訳:奥田祐士 出版:ソニー・マガジンズ ISBN 4-7897-2074-8
  10. ^ TCKヒストリー - 東京シティ競馬
  11. ^ 競馬ファンの大発明 - TCKドラママガジン(2009年9月27日時点のアーカイブ
  12. ^ a b c 馬に捧げた人生物語「日本スターティング・システム株式会社-JSS」第1話 第3話 - あのばねマガジン
  13. ^ 製品情報 - 発馬機 - 日本製鋼所


「発馬機」の続きの解説一覧

発馬機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 17:08 UTC 版)

競馬場」の記事における「発馬機」の解説

詳細は「発馬機」を参照 出走馬スターター合図一斉にスタートを切ることができるように考案され装置。現在主流なのがゲート式であることから単にゲートもしくはスターティングゲートといわれることが多い。当初旗を振り下ろすことで合図としていたが後にバリヤー式発馬機が導入され、さらに現在ではゲート式スタート実施されている(なお、1971年まで存在した繋駕速歩競走では距離によるハンデだったため、スターター振り下ろす赤旗スタート合図最後まで行われたほか、一時的にはモービルゲート方式使用されていたこともある)。ばんえい競馬では距離の変動がないため、発馬機はスタート地点固定されている。 バリヤー式濠州バリヤー) まず、横に佇立させた出走馬の胸の高さに「スターティングバリヤー」と呼ばれる棕櫚縄ロープネット)をフック利用して張る発馬担当者レバー操作フックを外すとこのロープ上方跳ね上がり、これをスタート合図とする。装置簡便であるが発走前の位置取り騎手間の牽制があったり馬が静止しないため突進出遅れなどの問題多く現在のゲート式切り換えられた。なお、バリヤー式には軟式バリヤー硬式バリヤー2種類があった。 日本の競馬では1926年この方式が導入されたが、現在は使用されていない。 現在は競馬先進国ではほとんど用いられない方法であるが、欧州障害競走では現在でも使用されている。但し、1993年英国エイントリー競馬場行われたグランドナショナルで、2度発馬時のトラブルによってレース不成立になってから発走方法見直されつつあり、最近では、馬場左右にオレンジ色ゴムテープ張りスタート時片方放す事で、馬にバリヤーロープが当たらなくするバリヤースタートを採用する競馬場多くなっている。 ゲート式 JRA宮道式 現在、世界的に見て主流スタート方式である。多く電磁石金具などで開扉する機構を持つ可搬式スターティングゲート使用する仕切ったゲート内に出走馬佇立させ、スターター制御によるゲート一斉開扉をもって競走スタートとする。 バリヤー式スタート欠点解消したスタート方法であるが馬には本質的に所を嫌う性質があるため、ゲート入れるためにはトレーニング必要な上、トレーニングにより可能となって環境異な実際レースでは難渋し最悪場合には発走除外措置となったケース存在するまた、気性極めて激しい馬の場合にはこのゲート入りがどうしてもクリアできずに結果として競走馬失格となる場合見受けられる日本最初に導入したのは1953年大井競馬場初めとする地方競馬南関東地区である。これに用いられたのは「宮道式(みやじしき)」と呼ばれる電磁石の力だけで開閉制御するのである。これは金具使わず磁力のみによって閉扉状態を維持しているため暴れた馬が突破してゲートが開くだけで破損がおきにくくメンテナンスが容易という利点を持つが、構造上出頭数制限されてしまう難点がある。もっとも、大井競馬場では16頭立てゲート使用されている。 地方競馬では現在でもこの宮道式の改良型日本スターテイングゲート社製)を使用している所が多い。 他方近年後述するJRA式(あるいはJRA旧式ゲート中古再整備品)を導入している地方競馬場も存在するゲート牽引車宮道式の場合トレーラーヘッドであるのに対しJRA式のものはトラクターによる牽引であるため、判別は容易である。 「宮道式」の名は開発者である宮道信雄の名に由来する中央競馬では1960年7月2日小倉競馬場3歳戦(※旧年表記)から導入された「ウッド式発馬機」が最初である。これは当時ニュージーランドの競馬用いられていたゲート参考中央競馬会開発したものといわれ当初のものは足元にパイプがあり馬が躓いたり、ゲート動きやすいなど問題のある構造であった。しかし、1975年から電動式で扉が開く発馬機を使用それ以降の幾次にも渡る改良により現在使用されているゲート世界的に見てももっとも安全な競馬用発馬機の一つと言われ海外競馬場にも輸出されるほどになっているちなみに発明したウッドは、水道技師だった。 現在のJRA式(日本スターティング・システム社製)と呼ばれるゲートは、金具電磁石併用による電動開扉をするシステムとなっている。そのため、開扉タイミング誤差小さい。ただし馬のゲート突破などによる金具破損などの問題により、外枠発走などの競走結果にも関わる問題生じ欠点地方競馬主流の「宮道式」との比較などで指摘されている。

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