植物としての特徴
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「セイヨウミザクラ」の記事における「植物としての特徴」の解説
落葉樹であり、樹高は15 - 32メートルに達し、幹は直径1.5メートルになることもある。幼木は頂芽優勢(茎の先端ほど成長しやすい)の傾向が強いため、幹はまっすぐと上に、枝はきれいな円錐形になることが多い。木が成長してくると、樹の上部は丸っぽく不規則な形状となる。樹皮の色は紫がかった茶色である。幼木にははっきりとした焦茶色の皮目(表皮の模様、lenticel)が付いており、成長とともに亀裂状となる。 葉は、葉脈が交互に規則正しく通っており、大きさは長さ7 - 14センチメートル、幅は4 - 7センチメートルである。葉の表側はツヤがあまり無い緑色であり、細かい綿毛が生えている。葉の周囲はギザギザであり、先は尖っている。葉柄(葉と枝を結ぶ茎)は緑または赤っぽい色で2 - 3.5センチメートル、2 - 5個の小さな蜜腺が付いている。葉のギザギザの先にも小さな赤い蜜腺が付いている(下部の#ギャラリー参照)。秋になるとオレンジ、ピンク、赤などに紅葉し、葉が落ちる。春になると、花と葉が同時に作られる。花は2つから6つが散房花序の形になっている。それぞれの花は2 - 5センチメートルの花茎の先に付いており、直径は2.5 - 3.5センチメートル、5枚のほぼ白い花びら、黄色がかった雄蕊と子房(雌蕊)からできている。雌雄同株であり、ハチなどによって受粉する。果実は直径2センチメートルの核果であり、改良品種でもっと大きなものもある。実は夏に熟し、明るい赤か黒紫色となる。実は食べることができ、甘く、いくらか収れん作用がある。新鮮なものはやや苦い。果肉の中には長さ8 - 12ミリメートル、幅7 - 10ミリメートル、厚さ6 - 8ミリメートルの硬い種があり、平らな面の周囲には溝が付いている。種の殻を除くと、その中身は6 - 8ミリメートルである。多くの鳥、動物が熟した実を食べ、果肉だけ消化して、種を排出する。ただし齧歯類やシメなどの鳥は、種の硬い殻を割って中身も食べてしまう。熟す前の実には青酸配糖体が含まれるため、やや毒性がある。 樹皮が傷つくと樹脂が出て、昆虫や菌への感染を防いでいる。 セイヨウミザクラはギーン(アメリカ英語)およびジン(イギリス英語、どちらもGean)やマザード (Mazzard) の名でも知られていたが、ともに今では死語である。マザードは比較的新しい語であり、自家受粉で作られた種から育てた栽培品種を意味し、接ぎ木の苗として使われたものを意味した。英語"wild cherry"の名称は、セイヨウミザクラだけを指すわけではなく、野生のサクラに対する一般名詞あるいは口語である。特に、ブラックチェリー (Prunus serotina) を指すことが多い。 18世紀、19世紀の植物学者は、古代ローマの博物学者プリニウスの記述を受けて、セイヨウミザクラが西アジア原産と考えていた。しかしながら、今では考古学的発見から、この考えは否定されている(後述)。
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植物としての特徴
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芋をもつ植物は、その進化の過程で種子による子孫繁栄よりも栄養繁殖器官(塊根、塊茎、球茎、担根体など)による同一個体の複製を目指した植物ではあるが、有性生殖の機能は完全には失っておらず、花や種を付ける。栽培に適した地域であるほど花や種を付ける事が多い。この花や種は繁殖手段として必ずしも有効なものではないが、ウイルスによる遺伝子汚染の影響が少ない真正種子は親とは異なる性質を持つことから、芋植物の品種改良は採種を介して行われる場合も多い。 芋は地上に出た部分で光合成を行い、地下の肥大部分すなわち芋に栄養を蓄えて、葉や茎が枯れてしまう冬や乾季を芋のみの状態で過ごし、成育に適した季節が訪れると再び芽を出して育つ。多くの芋は多年草で、種子から育てると一年以内に芋が大きくならない。種芋から育てて一年以内で収穫するのが普通だが、中にはコンニャクイモのように数年越しで育てる芋もある。但し、無性生殖によって単一品種のみが栽培された場合には特定の植物固有の病気が蔓延しやすくなる傾向(連作障害)もあり、それが原因となってジャガイモ飢饉のような飢饉を招いた例もある。 食料としての芋は焼く・煮る・炒めるといった簡単な調理で食用とすることが可能なものが多い。しかし例えばキャッサバのように有毒な栽培種もあり、害虫や他の動物に食べられる被害にあい難い利点があり、毒抜きして食用にされる。一般的なジャガイモであっても発芽部分や緑色になった皮には嘔吐や腹痛・下痢や頭痛といった食中毒程度の被害が主ではあるとはいえ毒性が存在し、その食用には注意を要する。
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