収れん作用
収れん作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 21:12 UTC 版)
タンニンは皮革の加工工程において原料皮から不要なたんぱく質を除去して皮を革に変化させる性質をもつ。また、タンニンは口に入れると強い渋味を感じさせる。これはタンニンが、舌や口腔粘膜のタンパク質と結合して変性させることによると言われている。このようなタンニンによる変性作用のことを「収れん作用」と呼ぶ。渋味は厳密には味覚の一種というよりも、このタンパク変性によって生じる痛みや触覚に近い感覚だと言われており、このため渋味のことを収れん味と呼ぶこともある。 タンニンが渋味を感じさせるためにはそのタンニンの水溶性が高く唾液に溶けることが必要である。逆に、縮合タンニンの重合度が増したことなどによって不溶化すると渋味を感じさせなくなる。渋柿を甘くするために干し柿にするのは、この効果を狙ってのことである。 タンニンの収れん作用は粘膜からの分泌を抑える働きがあるので、内服することによって止瀉作用や整腸作用があらわれる。このためタンニンを含む植物には薬用植物として用いられるものが多い。
※この「収れん作用」の解説は、「タンニン」の解説の一部です。
「収れん作用」を含む「タンニン」の記事については、「タンニン」の概要を参照ください。
- 収れん作用のページへのリンク