映画デビュー&初主演作で新人賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 18:59 UTC 版)
「小芝風花」の記事における「映画デビュー&初主演作で新人賞」の解説
当時16歳の映画デビューで初主演を務めた『魔女の宅急便』では、第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人女優賞を受賞する。国民的な作品への抜擢に周囲の声が気になり不安とプレシャーを感じたが、清水崇監督の「俺が小芝を選んだんだから気にせず思い切りやれ」という言葉に吹っ切れたといい、「お仕事が楽しいのでいつも笑っているんですが、その笑顔は私にとっての魔法なのかなと思います。」と述べている。ほうきに乗るシーンに関しては「どうしたら自然にほうきに乗れるか考えて、筋力をつけるために木刀で毎日200回素振りをするという訓練もしました」と述べ、また、最高20mもの高さで行われる特撮・ワイヤーアクションでは体の重心が真ん中にないと、軸がズレて回転してしまい筋肉痛にもなったというが「小さい頃からフィギュアスケートをやっていた経験が活かされました。高い所も怖くありません」と持ち前のバランス感覚をいかんなく発揮したとのこと。 キキを演じる小芝について、本作のナレーションを担当しカメオ出演も果たした原作者の角野栄子は、「すごくかわいらしくてイメージ通りです。今まで生身のキキを見たいとずっと思っていました」「風花さんに会って、ひとみの中に強い意志と何か憂いがひそんでいるのを見たとき、この人からどんなキキが生まれてくるかと、心がときめきました」「スケートできたえたという体で、どんな飛び方を見せてくれるでしょう。たのしみです。『風』という字をすでに持っている風花さん、この『魔女の宅急便』という映画をほうきにして、大きな世界に旅立って下さい」とロケ地となった小豆島の取材会でコメント。共演の尾野真千子は、「自然とね、おソノさんのような視点になっちゃうんですよ、現場で風花を見ていると」「この年齢だからこそ、この夢のある作品だからこそのキラキラしたものが彼女の姿から、彼女が発するセリフから感じられて、すごくきれいでした」と評すと、小芝は尾野を尊敬と憧れに満ちた瞳で見つめながら「どんな役でもどんと来い! と言える女優になりたい」と女優としての理想を語り、さらに「私もいつまでも気さくで、まだ芸能界に入ったばかりの子にも気配りができる、思いやりのある女性になりたいです!」と述べたという。『魔女の宅急便』初日舞台挨拶は、会場からの反響に大きな笑顔を見せたあと涙ぐみ、終始、女優として歩き出した小芝の喜びと輝きが感じられる舞台挨拶だったという。世界7カ国・地域でも公開され、その皮切りとなる香港を訪れた際は「やっぱり語学は大事ですね」と地元メディアとのやりとりには心残りもあったという。しかし地元紙はむしろ彼女の強心臓、大物ぶりを報じるなど反響は大きく、最後は「香港で考え方が変わりました。外国の作品出演も目指したい」との思いを述べたとのこと。BD&DVDリリース記念イベントでは、「共演した人のいいところをいっぱい盗んで、私が大好きな人の大好きなところをもらった人になりたい」となどと女優としての抱負を語り、共演したい俳優は綾瀬はるかと井上真央と答えている。 初舞台の『夕陽伝』では紅一点、共演者や演出の岡村俊一、そして観客の反応を生で感じたことにも大きな影響を受けたという。Dステシリーズ最大という見どころの殺陣シーンでの殺陣・アクションだけでなく、18歳で初めてのキスシーンも体当たりで演じ、鬼気迫る狂気の演技でも評価を得た。公開稽古を取材した記者の開出牧は、若手男優の激しい立ち回りのシーンが多い中で長い黒髪を振り乱して演じる小芝の姿が、会見などで見せる天真爛漫な笑顔と清楚な雰囲気の普段の彼女の印象とまるで別人だといい「氷上で磨かれた演技力と集中力。幼少期から培われたオンとオフが、ギャップを生んでいるにちがいない。」「公開稽古を終え、囲み会見に出てきた彼女は、再び天真爛漫な笑顔を見せた。それはまるでキス&クライで笑顔を見せるフィギュアスケートの選手ようだ。演じるという点では、氷上も舞台も同じ。銀盤から舞台へ、楽しみな女優だ。」などとと評している。共演の瀬戸康史は小芝の印象を「目の輝きやパワーがすごい」「芯のある“男らしい”役者」と語る。小芝の起用理由について、総合プロデューサーの渡辺ミキは、女性としての強さと純真な少女らしさを合わせ持つ魅力的な陽向という役に相応しい「日本女性の美点を持ち合わせている」とコメントしている。 2度目の舞台は白井晃の演出で日本初演となる『オーランドー』。二十歳の時のこの舞台では、小日向文世、戸次重幸、池田鉄洋、野間口徹らと、主演の多部未華子を除く5人がコロスとして年代や性別の異なる複数の人物をそれぞれ5役ほどこなしながら、さらに舞台上の装置を移動するなどの裏方的な働きも。演出の白井晃は、最小限の人数だからこその自由さ、面白さを出したいと思い「これぐらい力のある方たちでないと難しい戯曲で、本当に面白い俳優さんが揃いました。」と述べる。小芝の得意とするスケートを芝居で表現するシーンもあり、その演技で「雪の精のような可憐さを見せ」「本当に滑っているかのような優美な表現で、舞台上でその姿を再現している」と注目される。そんなミステリアスな立ち振舞いで主人公のオーランドーを誘惑し振り回すロシアの姫君・サーシャ役の小芝について、共演の野間口徹は、座組最年少の彼女の安定感を評価。観劇に訪れた和田正人は「実は舞台向き。さすが体育会系。」と語る。長期間かつ長時間で有名な白井晃演出の稽古は2ヶ月弱に渡ったが、共演の戸次重幸が「彼女がいると良い風が吹く」と言うと他の役者もみんな頷くように、稽古場における小芝は一生懸命で明るいムードメーカーとのこと。小芝は「スポンジになりたいと思って(笑)。共演者の方が素晴らしい方ばかりなので、学ばせていただくことばかりじゃないですか?」と語る一方で、ベテランたちの中で「やっぱり若いなって思われたくない。」「ちゃんと6人で創っている一員に入りたいという思いで参加してきました。」とも述べている。 そして、2018年暮れに封切られたディズニー実写映画『くるみ割り人形と秘密の王国』では、主人公・クララの吹き替えで初の声優に挑戦。バレエ音楽「くるみ割り人形」は、偶然にもフィギュア選手時代にこの楽曲で滑った経験がありとても思い出深い作品だと明かし、小芝は本作で声優デビューすることを「運命的」だと嬉しそうな表情を見せたとのこと。「自分の声なのに顔が別人という経験は初めて(笑)」と初の声優挑戦は試行錯誤の連続だったという小芝だが、「機械いじりが大好き」「人付き合いは不器用」「おしゃれをすることが苦手」といった他のディズニープリンセスのイメージとは一風違う主人公・クララと自身の共通点について「(クララが)母とか近い人からの一言で自信を持った時の行動力とか、パンってたった一言なのにこんなに自信を持っているんだという所は、似ているのかなと思った」と自己分析する。また、21歳の「今のタイミングだからオーディションに合格できたと思います」「自分のお芝居ではなく、人が演じられているので、細かい息づかいや表情、声のトーンも意識して演じました」とも語る。そして、本作を鑑賞したフリーアナウンサーの神取恭子から「小芝さん声は強い意志を持ったクララにとても合っていました」と伝えられると「本当ですか?!良かった~!ありがとうございます!」とホッとしたような笑顔になったとのこと。
※この「映画デビュー&初主演作で新人賞」の解説は、「小芝風花」の解説の一部です。
「映画デビュー&初主演作で新人賞」を含む「小芝風花」の記事については、「小芝風花」の概要を参照ください。
- 映画デビュー&初主演作で新人賞のページへのリンク