播磨灘の周辺人物
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播磨灘勲(はりまなだ いさお) 声 - 大塚明夫 本名:山形勲(やまがた いさお) 本作の主人公。身長185cm、体重152kg「土俵の上では力こそが全て」という信念を持ち、観客本位の吊り屋根や放送のための仕切り時間制限などの「創られた伝統」を批判、土俵の内では自分に負けた相手に対して取り組みの内容に関係なく暴言を放ったり、制裁に近い駄目押しを加えるなど、角界の禁をことごとく破る、まさに掟破りの土俵の鬼神。作品では描かれていない前場所の15戦全勝を含む二場所連続優勝で横綱に昇進し、新横綱として迎えた秋場所初日の第1話で早くも仮面をかぶって土俵入りし、「どんなこすっからいやり方でも一敗でもしたら、その日限りで引退する」と豪語。その言葉どおりに連勝を続ける。 驚異の四股を踏む強靭な足腰と怪力を生み出す上体を併せ持ち、得意技は呼び戻し・吊り落とし・櫓投げと、いずれも現実では滅多に見られない大技ばかりである。呼び戻しに関しては秋場所の大江川戦で決まり手として宣告された(突き倒しではないかという声も聞かれた変則の型)ことを境に徹底して探求を続けた結果自身の十八番とし、その稽古の過程で素早く相手の体重移動を感知する相撲勘が磨かれた。土俵入りの型は不知火型。初土俵時の四股名は、山形山(やまがたやま)。 土俵の外でも自らの我を貫き通す傍若無人っぷりを見せており、親方の雷光もその暴走を抑えきれず、部屋の弟子たちは恐れ慄いている。また大食漢の大酒飲みであり、場所中にも一晩で酒を一斗五升飲むこともある。ただし、強面で誤解されやすいが、善良な部分が全く無いという訳ではなく、「年寄りは国の宝」と称して困っている老人に優しくしたり、心労で倒れた母を見舞うべく場所中にもかかわらず彼女のいる故郷に向かって元気になるよう四股を踏んだりもしている。また、2人の弟子たちが自分と同様に優勝した際は、自分の優勝祝いに鯛を持ってきた魚屋に対し「2匹足りん」と言って弟子たちのことも労うよう計らうなど、粋な面も見せている。亜希子が能面を被って突然嫁ぎに現れた際も、自分に通じる物を感じ入ったのか、あっさりと嫁にするなど、懐の広さを見せており、彼女が自身の子をなした際にも祝福している。しかし、普段の傍若無人さが目立つためか、そういった面などを理解している者は数限られており、相撲協会では唯一の理解者であった大河内が死んだ後は、自分なりのやり方で彼の供養を行っている。 普段の言動や仮面を被ったパフォーマンスとは裏腹に、相撲自体に対しては極めて真摯。相撲に対して己の全精力ひいては命・人生そのものを注ぎ込んでおり、他の力士たちにもそれを求めている。そのような気概が感じられる相手に対しては、ある程度の敬意を払っているが、そうでない力士に対しては非常に強い怒りを見せる。特に竜雲との取組では、自身の予告を外すことを優先してわざと負けようとした醜態に激昂。予告通りの形で叩きのめした上で「それでも力士か!」と罵倒している(これには基本的に播磨灘を嫌う愛宕山ですら、同様の怒りを竜雲にぶつけた)。他の力士に対して罵倒を繰り返し、先輩横綱の太刀風や北道山相手にもそれは変わらなかったが、太刀風に対しては(太刀風のことだと明言はしていないが)「名力士」、北道山に対しては直接「おのれがわしに一番近い力士やった」とある程度認める発言をしている。 初場所編の千秋楽にて、「大相撲を解散する」と称し、相撲協会と決別する。後に「播磨灘道場」を旗揚げし、相撲協会と対決する意味で、7月場所と同じ時期に「播磨灘十番勝負」という自主興行を起こした。最終的には、4場所連続の全勝優勝(初場所のみ11日興行)と自主興行8戦全勝で作中全戦無敗の64連勝まで続いたが、播磨灘が目標としていた双葉山の69連勝を超えるところまでは描かれることはなかった。その後、新たに相撲協会会長に就任した太刀風が播磨に対して完全敗北を認め、更に播磨灘自身が稽古で少年力士に敗北し、未来への希望を見つけたところで作品の幕が閉じる。 さだやす圭作品の主人公の例に漏れず、関西出身(兵庫県播磨市(播磨市の島)出身)であり、関西弁をしゃべる。また初出時と比較すると、10話以内で著しく顔つきが変化してしまい、額の三本傷が面影を残すものの顔つきはほぼ別人となる。 雷光親方(らいこう) 声 - 緒方賢一 播磨灘の師匠。現役時代には平幕の下位に留まった(最高位・前頭2枚目)。実直な人柄で、播磨灘の破天荒な挙動に一喜一憂する。弟子の育成はうまいが最高位が平幕止まりであるため部屋の外での仕事は雑用ばかりである。播磨灘の横綱昇進時には有頂天になって放言をしたことがあり、このことを播磨灘の挙動と合わせて後日協会幹部から責められている。 おカミさん 声 - 真山亜子 雷光親方の妻。彼女にとっては播磨灘も可愛い子供の一人であり、一挙手一投足に振り回されつつも、時には雷光以上に毅然とした態度で播磨灘に接する。 時津灘(ときつなだ) 声 - 小野健一 前田亜希子 声 - 折笠愛 自ら能面を被って深夜に雷光部屋を訪れ、播磨灘に嫁入りを志願。仮面のまま電撃的な婚約発表をした。九州場所後、正式に結婚する。美人でしっかり者の誉れ高き女性。婚約会見でも能面を着けていたため、後に「能面女」とあだ名されることになった。能面は記者会見のときに播磨灘に割られ、素顔をさらして以降は着用していない。結婚後は播磨灘と共に部屋に住みつき、台所も手伝う様子が見られた。十番勝負の開催期間中に播磨灘の子を身籠ったことが明らかになり、播磨灘から祝福を受けた。 八田登(はった のぼる) 暴力団九州玄界組組長。九州場所中に、ちょっとした交通事故で播磨灘と偶然出会う。この後の宴会の末に播磨灘に魅了され、以後すべてを捨てて播磨灘に尽くすようになる。播磨灘も全幅の信頼を置いており、播磨灘の化粧回しと播磨灘道場の看板の揮毫を任されている。 作者の別作品『なんと孫六』にも不良高校生役として登場している。 兆二(ちょうじ) 玄界組若頭で八田の腹心。播磨灘と八田に振り回され、ブツクサ言いながらも、男と見込んだ両名に忠義を尽くす。 日向灘(ひゅうがなだ) 声 - 高木渉 雷光部屋の幕下上位力士。播磨灘と同場所で幕下優勝し、十両に昇進した。九州場所編では不機嫌な播磨灘から逃げ出すために関取の特権を使おうとしたことがある。 紀州灘(きしゅうなだ) 声 - 古田信幸 雷光部屋の三段目力士。播磨灘と同場所で三段目優勝した。 入間山(いるまやま) 声 - 福田信昭 大野 播磨灘の付け人。九州場所編で登場。背中を流すため一時間半も湯船につかったままの播磨灘をもう一人の付け人と共に風呂の中で立ったまま待ち続け、のぼせて倒れる。 淡口 元愛宕山部屋のちゃんこ長。九州場所前に竜雲と食べ比べした播磨灘が竜雲と勝負の賭けをして「負けたらよこせ」ということになり、竜雲が播磨灘に負けたためその日のうちに廃業届けを提出して、雷光部屋のちゃんこ番になった。
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