7月場所(名古屋場所)
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本場所となったのは1958年で、6場所の中では一番後である。 日本相撲協会と中日新聞社の共催となっている。九州場所が相撲協会の完全自主興行に移行した1974年以降(後述)、相撲協会以外の団体が本場所の主催元になっているのは名古屋場所だけである。中日新聞社関連では以下の特記事項がある。場所中、会場の愛知県体育館の館内には中日新聞社の社旗が掲げられる。 毎年3月中旬頃から中日新聞社(北陸本社(北陸中日新聞)・東京本社(東京新聞)・東海本社・福井支社(日刊県民福井・編集自体は北陸本社で行っている)を含む)で桝席の販売が行われている。 場所中、毎日必ず1本は中日新聞社が懸賞を出す。懸賞を出した取組は当日の中日新聞(北陸中日新聞・日刊県民福井・東京新聞を含む)のスポーツ欄及び中日スポーツ(東京中日スポーツを含む)の大相撲欄で「本日の好取組」として展開予想が掲載される。 本場所を共催している縁もあってか、1987年以降、加藤巳一郎、大島宏彦、大島寅夫と歴代の中日新聞社社長が横綱審議委員会の委員を務めている。 関係会社の中部日本放送→CBCテレビで直前に「大相撲名古屋場所前夜祭」を開催している。但し、九州場所前夜祭(後述)と違い、自局の施設であるCBCホールで行っている。 関係会社でもある中日ドラゴンズは球団創設80周年にあたる2016年にプロ野球チームとしては初となる懸賞を提供した。「80」に因み中入り後の8番目の取組に懸賞が掛けられている。 「荒れる名古屋」で知られる。夏場の開催となって、とりわけ気温が高いことで知られる名古屋ということもあり、「熱帯場所」、「南国場所」の異名をとるほどの暑さのため体調管理が難しいことから調子を落とす上位力士も多いのが、その要因と言われている。生涯ただ一度の優勝をこの場所で果たした力士も多い。 かつては場所後の夏巡業の日程を確保するために6月下旬から始まったこともあった。また、同様の理由で、1960年代後半から1990年代までは第2日曜日になることのない7月1日~7日(即ち、必ず第1日曜日)から始まっていた。2000年代以降は概ね他の場所と同じ第2日曜日から始まっている。 夏巡業を控えていることも有って、かつては名古屋場所では夏巡業の目玉となる新横綱を確保するために、やや甘い基準で名古屋場所で横綱昇進を果たす力士が少なからず存在した。しかし双羽黒が廃業騒動を起こすと横綱昇進の基準が厳格化。1993年7月場所の貴乃花、1994年7月場所の武蔵丸、2006年7月場所の白鵬などは、双羽黒廃業騒動以前の基準なら、場所後に横綱昇進を果たしていた可能性がある。 1923年の関東大震災による東京の国技館焼失のため、翌年の1月場所が名古屋市内の仮設国技館で行われた。また、昭和初年の年4場所時代にも名古屋での本場所興行が行われた。 1972年に高見山大五郎が外国人力士として初めての優勝を遂げた。 2010年は大相撲野球賭博問題の為NHKの生中継が中止となり(ダイジェスト版のみ放送)、協会が外部からの表彰を辞退した為表彰式は優勝旗と賞状のみとなった。 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大人数での移動を避けるため、名古屋での開催を取りやめ、特別に東京の両国国技館での開催となった。初日は従来より2週間遅い7月19日で、千秋楽は8月2日となり、1965年7月場所以来に本場所が月をまたぐこととなった。当初無観客での開催を予定していたものの、観客を入れてのイベント制限が緩和されたことで2500人程度の観客を入れて開催が行われている。主催については、通常通り中日新聞社との共催で行われ、報道などでも正式名の「七月場所」が使用された。 2021年は2020年東京オリンピック開催に伴い第1日曜日(7月4日)が初日となった。 名勝負 1974年千秋楽 横綱輪島 - 大関北の湖 連続優勝と横綱昇進を目指す北の湖を星一つの差で追う輪島の対戦は、本割で輪島が下手投げで勝ち2敗で並ぶと、優勝決定戦でも勝ちを急ぐ北の湖をまたも下手投げで破り逆転優勝。優勝を逃した北の湖だが場所後横綱に昇進。 1978年14日目 横綱北の湖 - 横綱輪島 3連覇中の北の湖と輪島がともに全勝で14日目に対戦。水入りの熱戦となった一番は体力に勝る北の湖が勝ち、これを境に輪湖時代から北の湖一強の時代へ変わっていった。 1989年千秋楽 横綱北勝海 - 横綱千代の富士(優勝決定戦) 史上2度目、横綱同士では初となる同部屋相星決戦。場所前に娘を亡くし、この場所は数珠を首にかけながら場所入りしていた千代の富士が、右上手投げで先輩横綱の意地を見せ28度目の優勝を果たす。 1993年千秋楽 横綱曙 - 大関貴ノ花 - 関脇若ノ花(優勝決定戦) 1988年春場所が初土俵の同期生3人による巴戦。横綱昇進のかかる大関・貴ノ花が結びの一番に勝って決定戦に持ち込んだが曙が連勝、横綱初優勝を決めた。場所後若ノ花は大関昇進。優勝 - 優勝同点の貴ノ花の昇進は見送られた。 2020年13日目 大関朝乃山 - 前頭17枚目照ノ富士 上述の通り特別に両国国技館で開催された。元大関で序二段まで陥落し、幕内に戻ってきた照ノ富士と新大関の朝乃山が対戦した一番。結果は照ノ富士が撃破し、千秋楽にも御嶽海を破って幕尻優勝を果たした。 2021年千秋楽 横綱白鵬 - 大関照ノ富士 前場所も優勝して完全に復活し、綱取りに挑む照ノ富士と休場明けの白鵬が全勝同士で対決した一番。結果は白鵬が勝って全勝優勝。照ノ富士は敗れて優勝を逃したが、翌9月場所に横綱昇進を果たした。結果的にこれが白鵬の現役最後の一番となった。
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