大場家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:31 UTC 版)
「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」の記事における「大場家」の解説
大場 衛〈35〉 演 - 赤井英和 誠の父。前半は誠の父としての描写が多いが、後半はこのドラマの実質的主人公となる。猪突猛進で融通が利かない面があり、誠に手をあげることがあるが、基本的には明るい性格で後妻である夏美、息子の誠との家族仲は良好。誠は性格も成績も良く、自身には勿体無いと思う程の自慢の息子である。 神戸から東京に転居後、大田区蒲田本町にラーメン屋「なにわ亭」を開業する。実業団「関西鋼管」の野球チームに所属してオリンピックに出た事もある花形選手だったが、怪我による離脱をきっかけに出場機会を失い引退に追い込まれた事から「身体は年を取れば錆びつくが、知識は錆びつかない」という考えを持ち、誠に対し教育熱心な父親として接する。しかし、周囲の陰謀などもあり誠がイジメに遭っていることに気づけず強引に登校させようとさせ、カメラの窃盗容疑と和彦の腕を骨折させた濡れ衣を着せられた誠の言い分も信用出来ず、誠を益々追い込むこととなってしまう。しかし紆余曲折の末、神戸の先妻の墓の前で誠と和解。翌日、意を決して登校した誠がイジメの末に死亡してしまう。 誠の死後、誠のガールフレンドの菱田涼へ当てた誠の手紙により、具体的な事実や名前は書かれておらず曖昧な表現であったものの、校内での誠への悲惨な体罰やイジメがあったことを初めて知ることになり、誠を信じなかったことと、勉学に励ませるために殴って無理やりでも学校へ行かせようとしたことを激しく後悔し、悲しみに暮れる。その後、学校で誠の骨箱を抱え「校内でイジメはなかったのか」を生徒や教師に聞きまわったが、煙たがれ相手にされることはなかった。しかし後日、『誠が宮崎から体罰を受けていた瞬間の写真』を何者かが自宅に送りつけたことにより、次第に誠が校内で行われていた事の真相を知り始め、誠をいじめていた者達への殺人による復讐を開始する。 誠に体罰を行っていた体育教師の宮崎を殺害。さらに手紙に書かれていた内容から、複数人からイジメを受けていたことを把握し、誠イジメのグループの生徒達の存在を特定し殺害しようとする。しかし非情になりきれず未遂に終わり、また誠の担任の森田から説得を受け、復讐をやめて自首する事を決意する。 その前に夏美に全てを打ち明けようとするが、自宅に送りつけられた『誠の死の瞬間』の写真を見た時、誠を助けることなく写真を撮り続け、イジメを背後で操っていた黒幕が存在した事を知る。その黒幕が新見であることを確信し、新見を殺害しようと手をかけるが、現場にかけつけた森田から「罪をこれ以上重ねてほしくない」と説得され、殺害寸前で断念。現場に張り込んでいた警察により現行犯逮捕される。その後は刑務所で7年の刑を終えた後に夏美と再会し、誠の異母弟となる学と出会うことになる。 大場 夏美〈25〉 演 - 横山めぐみ 衛の後妻。誠から見れば継母となる。独身の頃はディスコのお立ち台ギャルだったこともある模様。明朗快活で心優しい性格だが、誠の部屋に入り、誠のガールフレンドからの手紙を勝手に読んだり、誠の前で短パンやキャミソールなど露出の高い格好をするなど、悪気はないものの少々デリカシーにかけた面がある。誠の理解者となろうとするが立場上、周囲の陰謀により無理解となった衛に代わることが出来ずジレンマを抱える。誠の死後、松野から自身がイジメグループの一人であることを謝罪されたが、イジメがあったことは公に出来ないと発言された時は激怒し、考え直すように説得した。復讐のために殺人者となった衛から離婚届を渡されるも、それを拒否。その後衛の店を守りながら、女手一つで衛が服役中に生まれた学を育て、出所後の衛と再会を果たした。なお、彼女が衛を呼ぶ時に使うニックネームのガッチャンは、衛が現役時代にホームランでバックスクリーンのカメラを破壊した試合の翌日の新聞の見出し記事から来た物。 大場 誠〈15〉 演 - 堂本剛(KinKi Kids、当時ジャニーズJr.) このドラマの本当の意味での主人公。両親と共に神戸から東京へ引越し、進学校である修和学園中等部3年A組に編入。衛の自慢の息子であり、勉強は家での自習だけだが非常に成績優秀であり、正義感も強く明るい性格。体育教師の宮崎曰く運動神経も良く、ナンパしてきた女からはルックスも良いと言われており、人間的に非の打ち所がない。神戸の中学ではクラスの人気者であり、内申書も非常に良かった。 父親の衛との関係は基本的に良好であり、後妻の夏美に対してはたまに遠慮や他人行儀な面はあるものの、悪くはない距離感で過ごしており、裕福でなくとも明るい家庭で育った。これは、裕福な家庭が多いものの家庭環境に難が多い、修和学園の生徒や教師達と正反対の家庭環境で育ってきたとも言える。 修和学園編入早々、同じクラスの武藤和彦をイジメから助け、クラスでの和彦へのイジメを全員の前で糾弾した。しかしその出来事でイジメグループから反感を買った事や宮崎の勘違い、また新見からの勝手な嫉妬が原因で、落ち度が全くないのにも関わらずクラスでの新たなイジメのターゲットとなり、教師からも執拗な体罰を受けることになる。そして塾や家庭教師に勉強を教わらずとも、テストで転入早々学年1位を取ったことにより、イジメから助けた和彦からも嫉妬され、率先してイジメを受けるようになった。さらに新見の巧みな策略で、無実であるにも関わらずほぼ全ての人間から憎悪を向けられるようになり、次第に孤立化し追い詰められていく。 自身へのクラスからのイジメや、体育教師である宮崎から体罰の内容はエスカレートし悲惨さを極めており、唯一の安らげる存在であった父の衛にも、新見の巧妙な策略で信用されなくなり、当初はよく笑う明るい少年だったものの、次第に口数が少なく暗い表情になっていった。 精神の限界を超えつつあった時に、唯一自分と普通に接してくれる担任の森田に『僕は殺される』というメモ書きを森田の本にひそかに挟むものの、新見に阻まれ誠の『SOS』は伝わることはなかった。次第に体調も優れなくなってしまい、食べた物を嘔吐を繰り返すようにまでなっていた。誰にも信用されず、「自分だけが、何故こんな思いをしているのか」と思い、登校中に踵を返して登校拒否を起こすようになり、実母が眠る神戸の墓を訪れる。 一人で実母の墓のとなりでうなだれるように眠っていた所、同じく誠を探しに墓参りにきた衛に「元の学校へ戻ろうか」と言われて泣き崩れ、衛と和解。しかし「東京のラーメン屋を畳むと借金が残るから」と、衛に迷惑をかけまいと東京で現在の学校を通うことを選択する。翌日、衛に見送られ、誠は衛に笑顔を見せ意を決して登校するが、屋上で生徒達からのイジメの末に屋根まで追い詰められ、屋上から転落した。一時は一命を取り留めるも、やがて容態が悪化し亡くなる。衛は、誠の死直後は自分が無理やり登校させようとした事を悔いて涙に暮れていたが、誠が生前に神戸のガールフレンドである菱田涼へ書いていた手紙の内容から、衛は具体的な事実は書いていないもののイジメがあったのではないかと考え、やがて真相を知った衛の復讐劇へと話は大きく展開していく。 最終回において、森田が全校集会で誠の死から生じたメッセージを伝えた時、体育館で聞いている生徒の中の一人に誠らしき幻影が現れ、刑務所で服役中の衛の前にも幻影として現れた。 尚、第一話から毎回流れる冒頭と末尾の謎のナレーションは、誠が前述のガールフレンドであり文通相手の菱田へ宛てた手紙の内容である事が誠の死後に判明する。手紙の内容から、衛のことを誇りに思っており父のように誰にでも平等に優しく困っている人がいれば助けてあげることを信条としており、将来は父のようになりたいと思っていた。前述の冒頭、末尾のナレーション、ドラマのサブタイトルも誠のことを表しており、ストーリーの中心人物として描かれている。 大場 学〈7〉 演 - 善家尚史 衛と夏美の息子(誠の異母弟)。衛の服役中に生まれ、母と共に父の帰りを待ち続けた。野球をしており、出所した衛と野球のグラウンドで初めて出会う。
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