国際農業研究における活躍とは? わかりやすく解説

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国際農業研究における活躍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/16 01:53 UTC 版)

岩永勝」の記事における「国際農業研究における活躍」の解説

生物資源保存活用に関する研究永く従事し多く研究業績をあげ、国際的に高い評価受けている。具体的には、国際馬鈴薯研究センター(CIPペルー)では、馬鈴薯及び甘し育種近縁野生種積極的に利用し、主要害抵抗性持った中間母本育成功績をあげ、その育成系統からルワンダでは世界初となる線虫抵抗性馬鈴薯品種選抜された。 また、国際熱帯農業センター(CIATコロンビア)では、世界最大収集数を誇るインゲン豆キャッサバ熱帯牧草ジーンバンクに関する業務及び研究統括した。アフリカ原産熱帯牧草であるブラキアリアをその原産地より積極的に導入進め、現在ブラキアリアは南米で一番広く利用されている牧草となったまた、現在広く遺伝資源保存利用活用されている「コア・コレクション」のアプローチ1992年世界で初め実証し、その世界的普及きっかけ作った。 さらに、国際植物遺伝資源研究所(IPGRI、イタリア)では、副所長として所全体研究企画連絡調整指揮統括行いCGIAR国際農業研究協議グループ傘下国際研究センター初めての日本人上級幹部職員として多大貢献行ってきた。世界で最大遺伝資源収集数を誇るCGIAR機関ジーンバンク遺伝資源情報統一化容易なアクセス先導しSGRP(System-wide Genetic Resources Program)とSINGER(System-wide Information Network on Genetic Resource)を作り上げた農民伝統的知識活用するための「参加育種アプローチ」を国際機関での利用推奨し先導役を務めた国際交渉でも活躍し国際農業食料遺伝資源条約(ITPGRFA)の国際ジーンバンク取り扱い定め15条の草案作成グループのリーダー勤め難関とされたこの条項交渉成し遂げることにより国際条約全体締結成功起爆剤となった。 IPGRIでの活躍時代から貴著種子長期保存成し遂げるために、ノルウェイーの永久凍土地中大規模な種子庫を作る案を提唱した1人でもあり、その実現のために資金獲得尽力した。「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」は2008年完成し2019年現在世界100ケ国以上より送付されたおよそ100万点の遺伝資源保存されている国際的事業へと発展した2002年には、国際とうもろこし小麦改良センター(CIMMYTメキシコ)の所長国際公募選ばれた。CIMMYTは、1970年ノーベル平和賞受賞したノーマン・ボーローグ博士とともに緑の革命」への功績知られる国際農業研究組織であるが、岩永就任時は財政難のため苦境に立たされていた。岩永氏は、CIMMYT組織再建成し遂げまた、新規長期研究戦略設定し職員数800人を超える世界的に最も優秀な国際農業研究機関へと飛躍させた実績世界的に高い評価受けている。この間CIMMYT国際農業研究分野では最高の栄誉とされるベルギー王室King Baudouin賞(隔年授与される)を2004年不耕起栽培世界的普及)、2006年アフリカでの耐干ばつトウモロコシ育成と普及)と連続受賞した。さらに、6年任期間中研究推進力財務体質組織運営統治システム大胆な組織改革達成しCGIAR統括している世界銀行による外部機関評価3年連続の”Outstanding (最高位評価に相当)”評価獲得したCIMMYT所長時代品種開発主導した「耐干ばつトウモロコシ」は既にアフリカ13カ国で栽培され、その面積250ヘクタール以上に拡大し600万戸近く農家がその成果享受している。人口の増加続き食糧安全保障が常に問題となるアフリカにおいて、主食であるトウモロコシ画期的な改良今世紀の「緑の革命」の一翼を担う期待されている。 2008年より国内では農研機構作物研究所長として、所内研究推進運営管理に当たるとともに農研機構内の作物研究の調整推進指導力発揮した。特に飼料用稲、米粉用稲育種促進貢献した。 現在、JIRCAS理事長として日本国際農学研究において組織運営指導、さらに海外日本連携強化のために国内外活躍している。 岩永氏の国際的な農業研究分野での貢献幅広い知見高く評価され多く国際的な役割担っている2013年より国連の「世界食料安全保障委員会」の科学技術顧問(CFS―HLPE)を務めるだけではなくAfrica Rice Center理事世界蔬菜センター(AVRDC)の副理事長等の多く国際機関委員理事等の役割果たしている。また日本世界を結ぶ役割積極的に取り組みG20首席農業研究会議日本研究者を代表して参加し、またアフリカ稲作振興のための共同体CARD)の運営委員勤め2015年CARD総会議長役を勤めている。2007年から2013年まではササカワ・アフリカ協会NGO)の副会長勤めアフリカでの農業技術普及貢献した2017年から2018年にかけて日本政府農業由来温室効果ガス削減国際研究アライアンスGRA議長国となった際には、その会議2017年8月開催)の議長役を務めた日本の外務省科学技術外交推進員会」委員勤める。 2020年2月には、2019年8月就任した国連食糧農業機関FAO)の屈冬玉(チュー・ドンユィ)事務局長対すFAO運営戦略方向性に関する助言提言を行うことを目的に、世界農林水産業に関する有識者構成される顧問団発足することになり、岩永氏はその初代メンバーとして就任することになったまた、2020年初頭には、CGIAR国際ジーンバンク取りまとめるグローバル作物多様性トラストGlobal Crop Trust執行理事にも任命されグローバル化気候変動進行直面する国際社会において、貴重な作物遺伝資源種子等の保護管理に関する持続的かつ公平な運営分配仕組みについて提言を行うことになっている永い国際的な研究活動世界的な人脈を培い、世界的に影響力を持つ農学研究者及び指導者として知られ2006年には世界農学研究分野でのノーベル賞と言われる世界食糧賞」より「特別感謝状」を受けている。遺伝資源科学技術政策の点での長年にわたる多大なる業績に対して平成18年度日本農学賞及び読売農学賞が授与された。更に2016年には「食の新潟国際賞(本賞)」を受賞した

※この「国際農業研究における活躍」の解説は、「岩永勝」の解説の一部です。
「国際農業研究における活躍」を含む「岩永勝」の記事については、「岩永勝」の概要を参照ください。

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