冴木神社
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冴木 まこと(さえき まこと) 声 - 伊藤かな恵 / 金元寿子 本作の主人公。16歳、高校2年生である少女。江戸時代から続く冴木稲荷神社(祭神は宇迦之御魂大神)の十五代目跡取。母・由子はまことが幼い頃に他界しており、現在は父・達夫と2人で暮らしている。普段、人の目に見えない存在(神使など)を見ることのできる目、神眼(しんがん)を持っている。見ることができるのは、神社の正当な跡取で、同じく神使などを見ることのできた母や祖父の血を引いているため。神眼が発現したのは4歳、母の葬儀の時で、銀太郎とはそれ以来、10年以上の付き合い。幼い頃から兄のような存在として銀太郎を見てきているためか、神使に対しても物怖じしない。特に銀太郎に対しては容赦がなく、髭を引っ張ったり、眠っているところに腹の上に思いっきり拳を振り下ろしたりなど過激なスキンシップを取ることも。幼い頃から家を継ぐつもりで、資格を要しない巫女になろうとなんとなく考えていたが、高2の進路相談を控え悩んだ末に、國學院大學で神職の資格を取り神主になることを決意する。跡取を目指したのは幼い頃に銀太郎に告白しかわされた際の経緯から。 おせっかい焼きで、困っている人を見ると放っておけない。天真爛漫で人懐っこく、年齢の割にやや子供っぽい面もあるが、周囲には好かれやすい性格。しかし男女の機微にはあきれるほど疎く、小杉に想いを寄せられていることや、船橋が達夫に憧れていることにも全く気づいていない。また、悟とは同居しているうえ神眼と言う秘密を共有しているため、周囲から付き合っていると見られることも多いが、まこと自身は否定している。 作中で言及される場面は少ないが、容姿は母親似でかわいらしく、小杉には「天使」とまで言われている。 銀太郎(ぎんたろう) 声 - 関俊彦 / 三木眞一郎 冴木稲荷神社を依代とし、稲荷大神に仕える銀色の狐の神使。雄。長い間神社に住み多忙な神の代わりに神社を守っている。350年ほど生きており、若年の神使からはたびたび「おっさん」呼ばわりされ、本人も否定していない。初期はたまに狐の姿に戻っていたことも。元は普通の狐で、眉の上の傷痕は生前に負ったもの。その際にもらったミカンのことが忘れられず大好物になったが、まこと達にはその経緯は教えていない。占いができ、たびたびまことに請われては渋々占いをしている。那智によると、神使は通常、依代となった神社の規模に合った体格をしているようだが、銀太郎(や金次郎)は冴木神社の規模の割には大柄であるらしい。 口が悪く面倒くさがりで、普段はほぼ一日中寝て過ごしている。まことによると「かわいくない」性格で、上記の占いのように、嫌々ながらもまことのわがままに付き合ったり、周囲に馴染めない悟に対し、ぶっきらぼうながらアドバイスをしてやるなど、素直ではないが根は優しい、いわゆるツンデレ。神使として畏敬されることに慣れてはいるが好んではおらず、神使を人間と対等に見ているまことを特別視している節がある。神使と人間の違いは弁えているため、まことを敢えて突き放しているようだが、他の神使がまことをたしなめると不機嫌になるなど、その胸中は複雑な様子。 達夫につられてTVドラマを見ていることも多く、特に放送中の時代劇にはまことより詳しいが、登場人物と役者を混同している節もある。 冴木 達夫(さえき たつお) 声 - 織田優成 / 関俊彦 まことの父で、冴木神社の宮司。43歳。神社の婿として入ったため、神使などを見ることはできないが、存在はなんとなく感じているようである。常に穏やかで夢見がちなのんびり屋で、神使が見えるまことの良き理解者でもある。(本人には見えていなかったとはいえ)亀の神使の前で、子供の頃に見た、車に敷かれた亀の死体の話をするなど、やや天然ボケな一面も覗かせるが若干性格を装っている風情もある。人の心が読める神使たちにも「何を考えてるか分からない」と思われ、一目置かれている。男手一つでまことを育ててきたため、料理を始めとした家事全般は得意。意外?にも底なしの酒豪。近所の主婦達からは「先生」と慕われており、冴木神社は主婦達の溜まり場となっている様子。 実家は地元でも有名な老舗酒蔵で、幼い頃から跡取り息子として扱われていたため、本人も何となく家を継ぐつもりでいたが、高2の時、後に妻となる由子との出会いを機に神職を志す。当初は銀太郎について妻から聞かされても半ば信じていなかったようだが、幼い娘が知らないはずの「銀太郎」の名を発したことで、神使の存在を信じるようになったらしい。また現在では微塵も見せないが、由子が亡くなった直後には慣れない家事と男手一つの育児、一般家庭の出ながら伝統ある神社を託されたプレッシャーから精神的に追い詰められていた時期もあった。 神尾 悟(かみお さとる) 声 - 小野賢章 冴木神社に居候している、まことと同い年の少年。彼もまた別の神社の正式な跡取りであり、まことと同じく幼い頃から神眼を持っている。生真面目で優しく礼儀正しいが、周囲に対して淡白で一歩退いたような態度を取ることも多く、まことに他人の事情へ深入りしないよう釘を刺すこともしばしば。しかし剣道の際は格上の相手に対しても強気で攻めるなど、根は頑固でかなりの負けず嫌い。女性は苦手だが、年長の男性に対しては比較的素直になる面も。また、背が低いことをひそかに気にしているなど、歳相応な悩みも抱えている。まこととは異なり神使を畏敬しているが、唯一ハルだけは兄妹のように対等に接している。 幼い頃に両親を事故で失い、その後悟を引き取った祖父もすぐに他界し、その後は叔母(父の妹)夫婦に育てられる。幼い頃から叔母やその子ども達から虐げられてきた経験から、周囲に対して壁を作ってしまい、それ故に周囲に対してもどこか他人行儀で接してきた。その後、紆余曲折あって冴木神社に居候することとなったが、まことたちの開いた歓迎会を機に少しずつ周囲にも溶け込めるようになり、まことやユミに対して、ストレートかつ辛辣なツッコミを入れるなど、彼なりのコミュニケーションを取っている様子。幼い頃から剣道を習っており、その腕前は折り紙つき。冴木神社に居候することになったのも、まことの通う高校の剣道部が強豪であったという背景がある。実家の神社は叔母一家に譲っても良いと考えているものの、ハルの処遇のこともあり弁護士の勉強をしたいらしいが、叔母からは財産の権利を主張され彼に全部取り上げられると警戒されており、三者面談の際に学ぶと宣言した時に学費などをもう支払わないとまで恫喝されてしまっているが、本人は意に介していない。修学旅行を機に、まことを異性として意識し始めた様子。 ハル 声 - 藤村歩 悟と共に冴木神社に居候している狐の神使。一見すると男の子のようだが、実際は女の子。年齢は80歳前後だが、神使としてはまだ子供(仔狐のときに死んだことが原因かもしれないが)。元は子別れ中に自動車に撥ねられた仔狐で、悟の曽祖父(声 - 中島ヨシキ)に供養され神使となった。そのため悟の実家の神尾神社を依代とするが、周囲に心を閉ざす悟を案じてついてきた。子供らしく生意気な性格で、まことや銀太郎に対しても「バカ女」や「デブサイク」などの暴言を吐く一方、悟に対しては過保護で甘える様子も見せ、女性(特に悟と同世代の)が悟に好意的な態度を見せると機嫌が悪くなるなど、悟に「入れあげすぎ」ている。また、銀太郎に対しては辛辣な態度を取るものの、悟がいないときはそばにいて過ごしたり、遠くに出かけるときは銀太郎に肩車をしてもらうなど、それなりに仲はいい模様。好物はクリームパン。天気を占うことができる。 冴木 由子(さえき ゆうこ) まことの母で故人。冴木神社の十四代目で、銀太郎によると「ちょっと夢見がちなフツーの女」。しかし神眼を持たない頃から目には見えない神や神使の存在を心底信じており、特に高見からはいわゆる「脳内お花畑の不思議ちゃん」と思われていた。達夫や高見と同い年だったが、病気がちであまり学校へは通えていなかったらしい。まことが生まれた頃には神眼を発現しており、先行き短い自分に代わってまことを見守るよう、銀太郎に頼んでいた。 高2のとき、冴木神社へ配達の手伝いで訪れた達夫と高見と出会い、達夫に一目惚れされる。配達の手伝いでたびたび訪れる達夫たちと親しくなり、達夫に徐々に惹かれて行った様子。冴木神社を継ぐため神主の資格が欲しかったものの、体が弱いことから大学進学を諦めており、達夫が神主の道を選ぶキッカケとなった。 冴木 武光(さえき たけみつ) まことの母方の祖父で故人。冴木神社の十三代目で、厳格だが思慮深く思いやりのある人物だった様子。当初は一人娘の由子と達夫の結婚に反対していたが、老舗酒蔵の跡取り息子を奪う申し訳なさから来たもので、達夫の人柄や由子との仲は認めていた。孫の誕生を控え、男でも女でも誠実さや真剣さや正直さを持ってほしいとの思いから「まこと」と名付けたが、ある日突然倒れ、そのまま孫の誕生を待たずに亡くなった。そのため、まことは祖父についてよく知らない様子。
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