公開討論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 09:08 UTC 版)
「放送法遵守を求める視聴者の会」の記事における「公開討論」の解説
一方で、高市大臣の国会答弁に対して、2016年2月29日、岸井成格、田原総一朗、金平茂紀、青木理、大谷昭宏、鳥越俊太郎、田勢康弘(会見には欠席)のジャーナリストが記者会見で批判を展開。このジャーナリストらは、視聴者の会からの公開質問状に回答しなかったが、それについては「低俗なあれにコメントするのは時間の無駄だ。だが、安保法制については、憲法違反で、自衛隊のリスクが一気に高まり、戦後の安保体制が180度変わる。それをあんなに反対の多い中で形で強行採決していいのか。誰が考えたって、批判するのは当たり前のこと。それがダメだと言われたら、メディアは成り立たない」などと主張した。さらに、視聴者の会が読売新聞と産経新聞に出稿した意見広告については「最初は何の広告か、さっぱり分からなかった。本当に低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。ひどいことをやる時代になった。恥ずかしくないのか疑う」等と述べた。さらに、自身の「NEWS23」のアンカー降板については「圧力に屈したとは思っていない。具体的に私に意見を言ってきた人もいない」と圧力による降板説を否定した。 同年3月7日、この記者会見を受けて、視聴者の会は「多くの点で鋭く対立すると感じた」として、岸井、田原らジャーナリスト7人に放送法4条や高市大臣の発言の妥当性などについて、3対3での公開討論を呼び掛ける文書を送付した。同時に公開討論会をNHKにて主催、放送してもらえるようにNHKにも文書を送付した。NHKでの開催が困難な場合は、すみやかに会場と日時を協議・決定し、生放送の討論会を開催するとした。視聴者の会からは小川、上念、ケントの3人が討論会に出席するとし、「共有できる論点は共有し、対立の所在を明らかにし、今後の日本の健全な放送事業の発展に資する議論を、国民各層に広く認知いただきたい」「放送事業の当事者であるジャーナリストの皆様とこの機会に是非、視聴者の知る権利と言論の自由の在り方について深い議論の場を持てる事を期待しております」との声明を出した。 その後、NHKからは「番組の構成や演出、出演者の選定、放送日や時間などについて、あくまでも自主的に判断しています」と、討論会の番組制作については事実上拒否とする返答があったが、ジャーナリスト7人からは誰からも出欠の連絡は無かった。これに対して視聴者の会は「今回は呼びかけと提案にお応えして頂くことが叶わず大変残念ですが、公開討論会を望む声が多く存在する限りにおいて、諦めることなく実現へ向けて努力して参りたい所存です」との声明を出した。 同年3月24日、岸井、田原、青木、大谷、鳥越の5人が日本外国特派員協会にて再び記者会見を開き、高市大臣の電波停止発言について改めて「見過ごすことができない」として高市大臣に発言の撤回を求める声明を発表した。岸井は高市大臣の発言について「高市総務大臣の発言は黙って聞き逃すことのできない暴言です。謝罪して撤回するのか、このまま開き直るのか、非常に重大な局面です。発言が憲法と放送法の精神に真っ向から反するということを知らなかったとすれば、担当大臣として全く失格であり、知っていて故意に曲解したのであれば言論統制への布石であり、安倍政権全体の責任であることは免れません。どこまでも追及していくつもりです」と主張した。また、自身の「NEWS23」のアンカー降板については「私に対して直接、間接の政権側からの圧力は一切ない。それを感じさせるものも私の周辺ではない。おそらく相手も、それをやれば、私が番組でそれを明らかにして批判することは、当然察知しているだろうと思う」「タイミングが非常に悪かった」と、改めて政権や視聴者の会からの圧力による降板説を否定した。一方で視聴者の会の意見広告に対して「いろんなものが集まって動き出したところに、ご存じのとおり、私を、(ニュース)23を批判する、とんでもない、私に言わせれば信じられないような気味の悪い意見広告が載った。そして、それと時期を同じくして(報道ステーションの)古舘(伊知郎)さんや(クローズアップ現代の)国谷(裕子)さんの交代が出てきたもんだから、そういう権力に民放側、NHKが萎縮しているのではないかという見方が出てきている」と主張した。しかし、視聴者の会からの公開討論の呼びかけを無視したことについては「(討論しても)平行線(になる)どころか...、あんなのばかばかしくてやるわけない。相手にするわけないよ」と述べた。 この2度目の記者会見を受けて、2016年3月27日、視聴者の会は「記者会見で一方的な意見を述べてばかりで、我々の呼掛けから逃げ続けることを、世人の眼から隠し通すことはできません」として、田原総一朗に公開討論を求める意見書簡を送付した。意見書簡では田原に対し 「他の6名の方々は、所詮、遠くからヤジを飛ばし、いざとなれば逃げる典型的な権力依存型の弱虫と見做して相手にせず、今回は、あえて戦うジャーナリストとしての田原さんのみに公開書簡を発出させて頂きます。今回改めて、田原さんに公開討論会の実現化に向けてのご尽力をお願いできれば幸甚に存じます。他にルートがありません。マネージメントを務めることのできる代理人をご指定くだされば、当会事務局がその方との間 で適切な協議をし、前回提案したのと同様、3対3名の公開討論を実現したいと考えています。 是非前向きのご回答をお願い申し上げます」 と呼びかけた。さらに、視聴者の会は4月1日に記者会見を開き、TBSが放送法4条違反していると称し、その続報、国民の知る権利と言論の自由を守るための国民運動と称した提言、田原からの回答内容についての報告を行うことを明かした。 同年5月10日、小川と田原による公開討論が行われた。討論の様子はニコニコ生放送で生中継され、月刊Hanadaの編集長である花田紀凱も取材に入った。討論の内容は花田が編集長を務める『月刊Hanada』7月号に掲載された。また、花田のニコニコ動画チャンネルにて録画放送が公開された。 また、同年5月25日付で、小川名義で視聴者の会や高市総務大臣発言に批判コメントや記事を出した学者、メディア関係者、評論家ら27名に絞って、放送法に関する国民的な議論をすべく「公開討論」の呼び掛けを実行したが、誰1人応じなかった。 呼掛けから3週間後の、同年6月16日、千代田区内幸町の日本記者クラブにて、「テレビ報道と放送法-何が争点なのか」と言う、テレビ報道と放送法をめぐる公開討論会催された。「放送メディアの自由と自律を考える研究者有志」として、元日本民間放送連盟事務局企画部、著作権部で立教大学教授、メディア総合研究所所長の砂川浩慶、元テレビ朝日報道局デスク、民法労連書記次長で、メディア総合研究所事務局長、放送レポート編集長の岩崎貞明、東京大学名誉教授の醍醐聰と「視聴者の会」は小川、上念、ケントの3人で討論した。視聴者の会の側は、特別秘密保護法、安保法制の報道においての、「両論の時間比較」、放送メディア研究者の側は、「賛否バランスではなく、「情報の質」と充実した「調査報道」」を主に主張した討論で、終了後に醍醐から、考えの違う討論の機会は大事であると総括を受けた。
※この「公開討論」の解説は、「放送法遵守を求める視聴者の会」の解説の一部です。
「公開討論」を含む「放送法遵守を求める視聴者の会」の記事については、「放送法遵守を求める視聴者の会」の概要を参照ください。
「公開討論」の例文・使い方・用例・文例
- 公開討論のページへのリンク