個別的人権規定
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「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の記事における「個別的人権規定」の解説
本規約は、第3部(第6条-第27条)において、次のように個別的な人権を保障している。 第6条 生命に対する固有の権利。死刑を廃止していない国家においても、限定された条件の下にのみ科すことができること。死刑を言い渡された者が特赦又は減刑を求める権利。18歳未満の者が行った犯罪に対する死刑の禁止。妊娠中の女子に対する死刑執行の禁止。 第7条 拷問、残虐な取扱い・刑罰の禁止。自由な同意なしに、医学的又は科学的実験(人体実験)を受けないこと。 第8条 奴隷及び強制労働の禁止。ただし、兵役の義務或いは良心的兵役拒否者に対する代替作業は強制労働とはみなされない。 第9条 身体の自由及び安全についての権利。逮捕・抑留に対する適正手続(デュー・プロセス・オブ・ロー)。 第10条 被告人、受刑者等、身体を拘束された者に対する人道的取扱い。 第11条 契約上の義務を履行することができないことのみを理由として拘禁されないこと。 第12条 居住移転の自由。出国の自由。自国に戻る権利。 第13条 外国人追放に対する適正手続。 第14条 裁判所の前の平等。公平な裁判を受ける権利。裁判の公開。無罪推定の原則。被告人の諸権利(罪の告知、弁護人との連絡、迅速な裁判、防御権、証人尋問の権利、通訳、不利益な供述を強要されないこと)。少年の手続に対する配慮。有罪判決に対する上訴の権利。刑事補償の権利。一事不再理。 第15条 遡及処罰の禁止とその例外(国際社会が認める法の一般原則に反する行為の処罰は、法の不遡及により妨げられるものではない。) 第16条 法律の前で人として認められる権利。 第17条 プライバシー、名誉、信用の保護。 第18条 思想・良心の自由、信教の自由。 第19条 干渉されることなく意見を持つ権利(=言論の自由)。公の秩序・道徳の保護と表現の自由。 第20条 戦争のためのプロパガンダと、ヘイトスピーチなど人種差別等を扇動する行為を法を以って禁じること。 第21条 集会の自由。 第22条 結社の自由。団結権(労働組合結成・加入権)。 第23条 家族に対する保護。婚姻の権利。婚姻が両当事者の自由かつ完全な合意によること。 第24条 児童に対する保護。 第25条 参政権。普通選挙、選挙権の平等、秘密投票。公務参加の条件の平等。 第26条 法の下の平等。人種・民族は元より、性別や年齢、思想などあらゆる差別の禁止。 第27条 文化的、宗教的、言語的少数民族の権利。その言語を使用する権利。
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個別的人権規定
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「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の記事における「個別的人権規定」の解説
本規約は、第3部(第6条〜第15条)において、次のように個別的な人権を保障している。 第6条 労働の権利。自由に選択又は承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利。 第7条 公正かつ良好な労働条件を享受する権利。公正な賃金、いかなる差別もない同一価値労働同一賃金、男女の平等、労働者及び家族の相応な生活を保障する報酬。安全かつ健康的な作業条件。昇進の機会均等。休息、余暇、労働時間の合理的制限、有給休暇、公の休日についての報酬の支払。この第7条は2006年の国際連合経済社会理事会の総括所見によって職業政策に関する国際労働条約第122号も踏まえた『ディーセント・ワーク』と解釈されなくてはならないことが示された。 第8条 団結権(労働組合の結成・加入権)。労働組合の活動の自由。各国の法律に従うことを条件に、争議権(ストライキの権利)。 第9条 社会保険その他の社会保障についての権利。 第10条 家族に対する保護・援助。婚姻が両当事者の自由な合意に基づくこと。産前産後の母親に対する保護。働いている母親に対する休暇の付与。児童・年少者に対する保護・援助。 第11条 相当な生活水準に対する権利。飢餓から免れる権利。食糧の生産・分配の改善。食糧の輸入国及び輸出国の双方の問題に考慮を払い、需要との関連において世界の食糧の供給の均衡な分配を確保。 第12条 到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利。乳幼児死亡率の削減、伝染病、風土病、職場病の予防と治療。病気の場合すべての者に医療及び看護を確保する条件の創出。 第13条 教育についての権利。教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し、人権と基本的自由の尊重を強化すること。初等教育の義務化・無償化。中等教育の機会付与と無償教育の漸進的導入。高等教育を受ける機会均等と無償教育の漸進的導入。基礎教育の奨励・強化。奨学金制度、教育職員の物質的条件の改善。父母の私立学校選択の自由、宗教的・道徳的教育の確保の自由。 第14条 無償の初等義務教育のための行動計画の策定。 第15条 文化的な生活に参加する権利。科学の進歩及びその利用による利益を享受する権利。自己の科学的、文学的又は芸術的作品により生ずる精神的及び物質的利益が保護されることを享受する権利。
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