並行世界関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)
作品終盤で明言された概念。作品の舞台となる世界とは異なる時間軸にある3000を超える未知の異世界のことを指す。別名三千世界。また、異なる歴史を歩んだ世界が数え切れないほど並行して存在しているという世界の在り方のことを、多元世界という。広義ではパラレルワールド以外の神話世界やアストラル界、時空の特異点なども異世界に含まれる。 この世界は、「時の番人」が修正に失敗した場合、あるいは番人が不在だった時代に、いわゆるタイムパラドックスによって新しく分岐が生じることが原因で誕生する。故に「修正力」が正常に働いていればパラレルワールドもタイムパラドックスも発生せず、当代の番人は勤勉なので1800年間はこの世界で新たな並行世界は生まれていないとされる。 世界ごとに様子も様々で、魔王として神殺し、妖魔、悪鬼、魔神などが君臨している世界があるのに対し、1柱の神も存在していない世界も少なくはないとされている。 並行世界を移動する権能は、過去や異界に渡る権能以上に稀少。初めて確認されたのはアイーシャの《妖精郷の通廊》だが、旅立つだけでも妖精王の協力が必要なうえに帰ってくることが難しいという厳しい条件が付いている。最も単純な方法は『呼んでもらう』ことで、救世の勇者としての《運命》を持つ者がこれを使う。その他、転移の術で異世界への道を創る、秘密の場所に隠されたゲートをくぐる、権能を使って転移するなどの方法が存在する。 「魔王内戦」でカンピオーネたちが様々な世界へ移動したことがきっかけで、幾つもの並行世界に「世界の危機」をもたらしてしまう。その影響で元凶となった護堂たちの世界へと救援要請が次々届くようになったため、運命神の権能の一部を受け継ぎ救世主となった護堂が次元間移動をして並行世界の問題に対処することになる。 次元移動者(プレーン・ウォーカー) 自らの力で並行世界を飛び越えて移動する、次元間移動(プレーン・ウォーキング)の能力を獲得した多元世界の旅人のこと。作中では護堂が《反運命の戦士》を簒奪したことで獲得したほか、アレクや羅濠、ドニもこの力を自力で習得した。 ユニバース235 護堂たちが生まれ育った地球。『カンピオーネ!』で舞台となった世界であり、作品終盤まで古代インドの英雄王ラーマが『最後の王』で、源印欧語族の運命神が《運命の担い手》であったことから、『ラーマ王を勇者とする世界』とも呼ばれる。この世界では、18世紀半ばより、神殺したちは『カンピオーネ』の呼称で呼ばれることが一般的。 ユニバース492ときわめてよく似た世界で、歴史上のイベントは大した差異がない。ただ、歴史と直接関係のない創作物などの細かな部分はかなり違っている。 21世紀初頭に7人ものカンピオーネが誕生し、『最後の王』が1000年ぶりに復活したため、《盟約の大法》を封じるために魔王同士が殺し合う「魔王内戦」が勃発し、勝者となった護堂以外が並行世界へ追放され、新たな災厄の種になってしまう。 ユニバース492 蓮たちが生まれ育った、次作『神域のカンピオーネス』の舞台となる世界。1857年まで古代ペルシアの神王ミスラが『最後の王』として存在し、《運命の担い手》を秘神ズルワーンがつとめていた地球。このことから、『最後の王ミスラの世界』『ミスラ王を勇者とする世界』とも呼ばれる。 最大の違いは『神殺しの存在を許さぬ世界』であるという点で、神殺しがひとり誕生するだけでもミスラが降臨するだけでなく、地上に降臨したまつろわぬ神々も誅殺されるため、15世紀頃から21世紀初頭まで神殺しは生まれてこなかった。 地上と神話世界をつなぐ空間歪曲が大量に出現するようになり、ギリシア神話の女神アテナによって一度は滅んだが、蓮が終末をリセットするという大奇跡を成し遂げたことで救済された。だが、この時にアイーシャを復活させてしまったことが、後のユニバース966の悲劇などにつながっていく。 ユニバース966 雪希乃が生まれ育った地球。空間歪曲があまりにも増えすぎた影響で抜け穴だらけになり、比較的近い座標の967、957ユニバースと衝突、連結、融合をはじめてしまい、発生した《混沌の海》による浸食を受け危機的な状況に陥っており、わずか12ヵ月で地球表面の80%、ユニバース全体の4割が汚染され、人類の99.9999%が消滅してしまう。 無限時間の神殿 数多の多元世界を越えた先に、最後の王ミスラと永劫を司るズルワーンが造りあげた聖域。広大な館を中心に、7つの塔と美しい庭園、水路、泉に囲まれた大理石製の白亜の宮殿しか存在しない閉鎖空間であり、宮殿の周囲には草木のまったくない乾ききった夜の砂漠が広がり、頭上には輝く星々と青い地球が浮かんでいる。《プルタルコスの館》と同様、どこの世界にも属さない“時空の特異点”の1つ。 御茶ノ水のニコライ堂前に出現した空間歪曲でユニバース235と接続し、護堂とウルスラグナの戦いで大きく損壊した。ミスラとズルワーンの両名が死亡した数年後には護堂たちが拠点とし、多元世界を旅する人々のためのターミナル兼休憩所として改築されている。 仏教の神話世界 美しくのどかで暮らしやすそうな神話世界。禁足地には清らかに水の澄んだ湖があり、岸辺には青々と水草が生いしげる。気候は少し暑いくらい。体長2、30メートルの東洋世界の緑竜、天女(キンナリー)と呼ばれる光の粒子を身にまとったコーカソイド系の絶世の美女たち、樹木から変化する青黒い肌をした人食いの鬼である夜叉などが住んでいる。 アイーシャ夫人の《妖精の通廊》が世界中で消失して間も無く、アストラル界の常若の国へと繋がる、おそらく世界最古の通廊が存在していたロンドンの旧ヴォバン邸跡地に出現した空間歪曲で、ユニバース235と接続した。 英雄界ヒューペルボレア ギリシア神話の国家「ヒューペルボレア」の名を冠する最古の神話世界。別名3092時空。インド・ヨーロッパ祖語の神話世界で、『大洪水で滅びた後の世界』が再現される。カンピオーネや神々が“外”から集まり、大暴れする『闘技場』になりつつある。詳細は「神域のカンピオーネス#サンクチュアリ•ヒューペルボレア」を参照 地球出身者(アーシアン) いろいろな時空連続体の地球からヒューペルボレアに来訪する者の総称。『アース(Earth)から来た人たち』を意味する言葉。最近数が増えているが、最強の存在であるカンピオーネは数名しかいない。 鉤爪諸島 8つの禁断の王国が存在する3つの島。鉤爪状にカーブを描いた形が特徴で、面積は四国ほど。元々は別々の島だったが、“犠牲の獣”で土地を広げる過程で他の島と融合し、今ではヒューペルボレアで最大の島になった。 一の島はほとんどが無人の荒野か砂漠、遺跡しかない。二の島はもっとも都市と人口が多くゆたかだが、貧富の差が激しい。三の島は二の島ほどではないが、そこそこ栄えている。 火の国 二の島の東海岸にある、ヒューペルボレア人の最大の都市国家。ヒューペルボレア基準ではものすごい大都会だが、地球出身者の影響を受けている禁断の王国とは文明レベルが大きく違い、ギリシア神話のトロイアの都の周辺にある漁村にもにたひなびた(わびしい)雰囲気。後述の宮殿を除き、家々はほとんどが竪穴式住居で、たまにレンガを組みあげた“最新式”の建物がある程度。 街の中心部の広場には先史文明の遺跡である大理石造りの白亜の宮殿が建ち、《焰の剣の軍神》の刀身が20メートル弱はある長大な剣が刺さっている。巨剣に焰がともり、世界を暁に染めたとき、西にそびえる聖山から《軍神》が甦ると言われている。その影響で火の軍神に仕える帯剣する戦士・剣士の数が『それ以外の人々』よりも不自然に多く、武器屋の数が多いのも特徴。 なれはての砂漠 一の島東部に大海のごとく広がる砂漠。荒涼かつ閑散とした荒野と砂漠、岩だらけの禿げ山、遺跡だらけで人里がほとんどない未開の地。昔はゆたかな大河が流れる肥沃な平野であったらしく、名残りとして大地には海までつづく深くて長い溝が刻まれており、かつては緑の大地であったことから『なれはて』と呼ばれる。また、『願いにふさわしい神が顕れる聖地』が存在し、遺跡の『祭壇』で儀式を行ったアイーシャにより、『草薙護堂の代役』として軍神ウルスラグナが召喚される。 混沌の海 衝突したユニバースの融合点が変化した、すべての命と物質を内包した世界をむしばむ災厄となるもの。最初はナプキンに飛んだソースの染み程度の大きさだったが、凄まじい速さで浸食を進める。近くにある全てを吸収、融合しようとし、あらゆる物質があるべき形を失ってどろどろに融解、放出される凄まじく濃密な瘴気を浴びると咒への耐性の低い生物はことごとく“気化”して新たな瘴気となり、《混沌の海》の一部になる。
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