下肥とは? わかりやすく解説

しも‐ごえ【下肥】

読み方:しもごえ

人間大小便肥料したもの


下肥(しもごえ)

人のし尿肥料として使用する場合呼び名


下肥

読み方:シモゴエ(shimogoe)

人糞肥料


下肥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 14:47 UTC 版)

下肥(しもごえ)は、人間の糞尿を腐熟させ、肥料としたものの、日本における名称である。窒素リン酸カリウムをふくむ即効性の液肥として、昭和期までの農業において日常的に用いられていた。


注釈

  1. ^ Heinonen-Tanski & Wijk-Sijbesma (2005)によれば、排泄物の腐熟(composting)によって、アンモニアの揮発によって肥料中の窒素分を少なくし、炭素と窒素の割合を調節することができる。また、腐熟によって堆肥の温度を数日間55 - 60℃に保つことで、屎尿中の病原菌や寄生虫卵を処理することができる。夏季のスウェーデンにおいては、10 - 15日の腐熟により、屎尿肥料を衛生的に安全にすることができる[20][21]

出典

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「下肥」の続きの解説一覧

下肥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 01:26 UTC 版)

堆肥」の記事における「下肥」の解説

下肥(しもごえ)は、ほとんどの場合、未加工人間廃物人糞及び人尿)を肥料として用いることを指す。長年日本では野菜連作を行う肥料として使用していたが、1935年には、神奈川県川崎市水道水肥料糞尿起源赤痢菌混入大規模な赤痢感染引き起こした川崎市赤痢)こともあり、病原菌等の拡散源になる可能性など衛生面でも問題視される

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