ヴァンパイア王国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:53 UTC 版)
「ジャングルの王者ターちゃん」の記事における「ヴァンパイア王国」の解説
ヴァンパイアたちが人間の目を逃れるために作った王国。ルーマニアの峡谷の崖をくりぬいて造ったことから、崖の町(クリフシティー)とも呼ばれており、王家の者たちは、ヴァンパイア城に住んでおり、薔薇の五拳士が守護する薔薇の塔もある。飢えと寒さに耐えながら暮らしているが、それでも懸命に生きている民たちの姿を見て、ターちゃんは平和を感じ取った。原作のエピローグにおいては、民たちもターちゃんファミリーと親しくなった描写が描かれている。アニメ版では、ケルベロスの一件から、別の地に旅立つことにした。 シーマ・マルソー 声 - 緒方恵美 ヴァンパイア王国の王女にして、純血のヴァンパイア。 男装(男の姿のほうが旅をしやすいこともある)して、ターちゃん挑戦権獲得トーナメントに参加。格闘技の経験は特にないにもかかわらず決勝まで勝ち進むもののダマラに敗退。その夜、ターちゃんを闇討ちしようとしたダマラを止めに入った際、吸血しようとしたため、梁に阻まれ、正体を明かす。ターちゃんに父の救出を依頼し、一度は断られるが、自分を追ってきたランジェラの手で梁がヴァンパイア化したことで、ターちゃんファミリーはダン国王救出に赴くことになる。 梁の老化を抑えるために自身を吸血させ、「元々吸血鬼の私は何度吸われても大丈夫」と言っていたが、梁からは「吸血のたびに精気が弱っている」ことを見抜かれており、それでもターちゃんファミリーに感化されたことで、それに耐えていた。また、吸血鬼にとって異性に血を吸われるということは一種の愛情行為でもあるため、梁に対しては複雑な心境を抱く。 ケルベロスの幹部・エドガーを盲目的に愛し、本当の目的はエドガーのために父を解放することであり、薔薇の塔で追い詰められた際は、ペドロをヴァンパイア化させて戦わせてしまう。ランジェラの説得でエドガーを試し、その本性を知ったことで決別。原作では、事件解決後の裁判で王女の地位を剥奪されるが、命は助けられ、国の復興に心血を注ぐ。 ランジェラ・ツェペシ / アラン 声 - 江原正士 ワラキ公ヴラト・ツェペシの血を引くヴァンパイア。ツェペシ一族の王子。シーマの元婚約者であり、純血のヴァンパイア。アニメ版では名前が「アラン」に変更された。 ターちゃんファミリーと最初に交戦したヴァンパイアであり、ダマラと梁をヴァンパイア化させた。夜とはいえ、梁の背後を取って噛みついており、人間の超一流の格闘家を超える力を持つが、純粋な戦闘力は高くなく「速いことは速いが、動きに無駄が多い」とターちゃんに評され、シーマからも「ランジェラはおぼっちゃんで、塔を守る格闘家たちの足元にも及ばない」と言われている。アニメ版では、アフリカでの戦闘時にヴァンパイアの力を発揮した際、肌や髪の色が変化する演出があったが、王国では、この変化は表れなかった。 シーマを心から愛し、エドガーが現れるまでは相思相愛の仲だった。ケルベロスに協力するシーマをケルベロスからもレーアたちからも助けようと行動。レーアたちにシーマの身分保全を嘆願したり、自らシーマを連れ戻しにアフリカまで赴くなどしたが、シーマからは拒絶され続けた。アフリカから戻った後はバーで自棄酒を飲んでいるところをケルベロスに捕捉され、力の衰える昼間に襲撃を受けて捕らえられ、レーアたちに対する人質にされてしまうが、夜に力を活性化させて脱出。その際にシーマから攻撃されたためやむなく気絶させ、そのまま彼女を連れて薔薇の塔に連れて行き、真実を見せる。決戦の場に駆けつけ、ダン国王からシーマを守ろうとし、手刀で腰斬された挙げ句、背中を刺されて死亡。 アニメ版では、ツェペシ大臣の野心に反対したため、父の裏切りで幽閉されてしまうが、アルゴに助けられる。ダン国王との戦いでは腰斬されず、シーマから血を与えられたことで助かり、彼女とよりを取り戻すことができた。 アルゴ 声 - 伊藤栄次 王家親衛隊でランジェラの側近。護衛と運転手としての役割も兼ねている。 自棄酒を飲むランジェラを心配し、死にかけながらもランジェラを逃がそうとするなど忠誠心に厚い。アフリカではターちゃんと戦おうとしたランジェラの前に飛び出し守ろうともした。原作では、ヴァンパイアウイルスが活性化しない昼間に「肉体の回復速度を上回る速さで複数の機関銃を撃ち続ける」という戦術を使われ、ケルベロスに射殺されてしまう。 アニメ版では幽閉されたアランを救出。彼と共にシーマを保護した後、薔薇の塔での戦いに参加。ダン国王に必殺の十字斬りを使うが通用せず敗北。 ダン・マルソー国王 声 - 佐藤正治 シーマとレーアの父親。ヴァンパイアウイルス発生時に生き残った数少ない純血ヴァンパイア(アニメ版では、始祖に近いヴァンパイア)であり、レーアによると、その生涯は数千年に及び、「ミロのビーナスのモデルをナンパした」「サモトラケのニケ像の首を折ったのは自分」、江戸時代の日本で雷電と取組んだ経験もあり、(錦絵も現存)しているという(チェーンからは「ホラ吹き親父」と称された)。 元々は民を愛し、穏やかで賢い名国王だったが、ケルベロスにより眼病の手術が行われた際、脳内にコントロールチップを埋め込まれ、ケルベロスの命令通り暴れるロボットにされてしまう。その後は「人間と共存する。そのためにケルベロスの力を借りる」という政策を打ち出し、反対して、国王に忠告した重臣たち(レーア曰く「皆、長年忠実に仕えた良臣」)を全員処刑してしまう。たまりかねたレーアは軍隊を動員し、多大な犠牲を出した末に機転を効かせてエドガーを人質に取り、薔薇の塔に拘束していた。 昼間でも力が落ちない、次は耐えられるように強度を増す「対応力」まで備える桁外れの身体修復能力、ヴァンパイアウイルスのワクチンにして、ヴァンパイア時の超筋力はそのまま残る血液と彼独自の特徴が存在する。格闘技修行が趣味の一環であったらしく、長年磨き上げられた完璧な格闘技術を持ち、先の身体修復能力から来る異常なタフさも備える。 エドガーが鍵を手にしながらもヂェーンが偽物の鍵(原作ではエテ吉の貞操用、アニメではパンピングホテルからくすねていたもの)にすり替えていたため、起き上がれないと思われたが、拘束部分の左手首を無理矢理千切って起き上がり、ターちゃんたちと交戦。残された左手首は、ヂェーンの指示を受けたエテ吉に回収され、その血により、ペドロと梁は復活を果たした。 百歩神拳で火達磨にされた際も滅びず、対応力の効果により、怪物のような姿に変貌。ダン国王を殺める覚悟を決めたターちゃんのターちゃんパンチを初めとした連続攻撃の前に敗北すると同時にコントロールチップが外れ、自我を取り戻す。操られていたとはいえ、自分が犯した罪の重さに加え、実の娘たちから「化け物」呼ばわりされたことに人知れず涙し、償いから気を失ったふりをしたまま、レーアの頼みを受けたターちゃんの手で燃やされようとするが、ケルベロスのヘリから放たれたミサイルから娘たちを守るために盾となって立ちはだかり、バラバラになってしまう。守られた娘たちは、父が最後に正気を取り戻していたことを知り泣き崩れ、怒りのターちゃんはケルベロスのヘリに乗り移り、そのパイロットを叩きのめした。 なお、原作とアニメでは身長が大きく異なり、原作ではターちゃんよりやや大きい程度の長身だが、アニメ版では4mを越す常人離れした大きさになっている。また、アニメ版では幽閉後に体色が紫色に変化していた。 ヴラト・ツェペシ 声 - 伊藤栄次 ランジェラの父。頭の禿げた小男。原作とアニメでは設定や末路が異なる。 原作では国を憂う名宰相であり、ギャグを解するユーモア感覚も持つ。姿を見せたのはダン国王と決着がついた後日であり、その際に梁師範がヴァンパイアウイルスの力により強化されたことで歴史に名を残す格闘家になると予言していた。ダン国王の死後、ヴァンパイア王国の国王となってレーアやカラマゾフらと共に王国再建に取り組んでいる。 アニメでは小心な悪党であり、ケルベロスと手を組んで王国を乗っ取ろうとした。ダン国王が倒された後に情けない姿で薔薇の塔に現れ、レーアから、ヴァンパイア王国の支配権を与えられているが、事件後、ツェペシ大臣以外の国民はヴァンパイア王国から移住したため結局形だけの支配者となった上、エドガーたち共々、投獄されてしまう。
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