シッパルの円筒形碑文の翻訳とは? わかりやすく解説

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シッパルの円筒形碑文の翻訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/17 06:20 UTC 版)

ナボニドゥスの円筒形碑文」の記事における「シッパルの円筒形碑文の翻訳」の解説

シッパル出土ナボニドゥス円筒形碑文翻訳は、ポール・アレン・ボーリュー(英語版)によって行われた。彼は「ナボニドゥスバビロン王の治世 紀元前556年539年」("The Reign of Nabonidus, King of Babylon 556-539 B.C.")の著者である。 [i.1-7] 私、ナボニドゥス偉大な王、強い王、宇宙の王、バビロンの王にしてあまねく四方治める王。エサギラ神殿とエジダ神殿管理者。(月神シンと(月の女神ニンガルは母の胎内にいる子に対し、王となる運命彼の定めとした。ナブー・バラッシ・イクビの息子賢明な王子偉大な神の崇拝者である私。 [i.8-ii.25] ハランにあるシン神殿エフルフル、そこはいにしえ偉大なシン時代に、そこを住居定めた彼の偉大な心は街と神殿に対して怒り燃え、彼はメディア盛んにし、(訳者補足メディアハラン攻めさせることで)神殿破壊し廃墟へ変えた。私の正統治世において、神、偉大な王が、私の王権への愛ゆえに街及び神殿和解し哀れみ示してくださった。 私の永遠治世初まりにおいて、私は夢を見た偉大なる神マルドゥクと、天国と地獄司る月神シンが共に立っていた。マルドゥクは私に語った。「ナボニドゥスバビロンの王よ、お前の馬にレンガ積んで運べ。エフルフル神殿再建しシン偉大なる神を興せ。そして神殿中に彼の居所建てるのだ。」 うやうやしく私はエンリルの神、マルドゥク話しかけた。「あなたが私に再建命じたその神殿は、メディア人が包囲しており、その力は強大です。」 だがマルドゥクは私に語った。「お前が言うメディア人なる者は、彼も、その国も、その王たちもやがて滅ぶであろう治世第3年初め紀元前553年夏)、神はアンシャンの王キュロス興した。彼は小さな軍隊強大なメディア大軍蹴散らした。彼はメディア王アステュアゲス捕らえ捕虜として自分の国へ連れて行った偉大なる神マルドゥクと、天国と地獄司る月神シン言葉このようであり、彼らの命令取り消されることはない。私は彼らの威厳満ちた命令恐れた。私は不安になった。心配で、私の表情には不安が浮かぶようになった。私は怠慢ではないし、投げやりでもないし、軽率でもなかった。 月神シン、私の主、私と共に歩んでさる方のエフルフル神殿の再建のために - その神殿ハランにあり、エサルハドン息子にしてアッシリアの王であるアッシュールバニパル、私に連なる王子再建した神殿である - 私は上の海(注:地中海のこと)の近くにあるエジプトとの境にあるガザからユーフラテス川別の側にある下の海(注:ペルシア湾のこと)にいたるまでの地域から、私は大軍をかき集めた。王たち、王子たち知事たちと私の大軍を。それらは月神シンシャマシュイシュタル -私の主- が私に託してくださったのであるシャマシュアダド占いにより教えてくれた日、そしてエアとAsalluhi(神)の知恵により教えてくれた日が最適縁起が良い日取りということで、私はその日選んだ土台レンガ工事司るKulla神に従って行われた悪魔払い祈とう師の業をもってアッシュールバニパル - 彼はアッシュル・ナツィルパル(2世)の息子、シャルマナサル(3世)の基礎見つけた者でもある - が据えた基礎の上銀と金ビーズえり抜き宝石樹脂に富む木材、よく香るハーブ木材並べ喜び歓喜に沸く中、祈とう師その上で祈とうした。私は基礎清めその上にレンガ置いた。 私はモルタルビールワイン、油、蜂蜜混ぜ穴掘り斜面にそれを塗り聖別した私の父祖である王たちがした以上に 私はその建物強化し完成させた。神殿基礎から欄干に至るまで、私は再建して完成させた。私はレバノン産出大杉により作られ神殿の上設置したすがすがし香り放つの扉を門に備え付けた。私は壁を金と銀覆い太陽のように輝かせた。私は礼拝堂中にどう猛に私の敵を襲う、輝く銀の合金でできた野牛置いた。”日の出の門”には銀箔覆った2体の「長髪勇士」像を据え付けた。彼らは敵をうち破る者たちである。1体を門の左側へ、もう1体は門の右側置いた私は私の主であるシンニンガルヌスク英語版)、Sadarnunnaを私の首都バビロンから列をなして導き入れた歓喜のうちに私は彼らを快適な住居に、神殿中央安置させた。私は彼らの前に、神を賛美するための聖なる犠牲捧げ、エフルフル神殿最上の製品捧げた。私はハラン全てを、月光のように輝く街にした。 [ii.26-43a] シンよ、天国冥界の神々の王よ、あなたなくしてどの街もどの国も築かれることはなく、修復されることもありません。あなたが全能象徴であるエフルフル神殿へ入るとき、この街神殿対す良いお言葉があなたの唇にありますように。天国冥界に住む神々絶えず父にして創造者であるシン神殿賞賛しますように。私ナボニドゥスバビロンの王、神殿を完全に修復した者については、天国冥界の神々の王シンよ、喜びのうちに好意まなざし注いでください。そして毎月、月の昇るときと沈むとき、私に対す兆しを好ましいものにしてください。私の日々を、治世長くしてください。私の治世確かなものにしてください。私の敵を征服してください。私の敵を滅ぼしてください。私の敵を破壊してくださいニンガル偉大な神々母よ、あなたの最愛シン前に私のために好意をもって語ってくださいシャマシュイシュタルシンの子どもたちよ、好意をもって私を父にして創造主であるシン推薦してくださいヌスク英語版)よ、恐れ多い神よ、私の祈り聞き私のためにとりなしてください。 [ii.43b-46] アッシリアの王アッシュールバニパルの名により書かれ碑文を私は見つけた。私はその内容変えなかった。私は油でそれを清め犠牲捧げ、私の碑文と共に、元の場所に戻した。 [ii.47-iii.7] 天国冥界審判シャマシュには、シッパルにある彼の神殿、Ebabbar神殿(「輝く家」を意味する)がある。かつての王、ネブカドネザル再建した。彼はかつての神殿基礎探したが見つけることができなかった。彼は神殿再建した45年後、その壁は崩れてきていた。私は悩み恐れ、心配した。私の顔には不安が浮かぶようになった。 私がシャマシュをその神殿の中から外に出し、彼を別の聖所安置するために連れていく一方で、私は残骸撤去し、かつての神殿基礎探した。私は地面の下を18キュービット深さまで掘り進めた。すると偉大なる主、シャマシュが私にEbabbar神殿当初基礎発見させてくれた。それはシャマシュ好んだ住処である神殿である。発見され遺構は、サルゴン息子ナラム・シンよるものである。3200年に渡り、私の祖先いずれの王も発見しなかったものである銀と金、上等の宝石樹脂に富む木材、よく香るハーブ木材並べた上で占い、それによりシャマシュアダドが私にふさわしい日取り示した。タシュリトウの月の縁起良い日に、喜び歓喜に沸く中、サルゴン息子ナラム・シン遺構の上で、私は指の幅ぴったりにレンガ並べた5000もの大きな木材を、その屋根葺きのために用いた。その門に、用いた大きな扉、敷居と軸を備え付けた。Ebabbar神殿とE-kun-ankuga神殿(「天国への清い階段の意味)及びそのジッグラトを私は再建した。私は喜びのうちに列をなして主、シャマシュ導き、彼を、彼の好む住処安置した。 [iii.8-10] サルゴン息子ナラム・シンの名により書かれ碑文を私は見つけた。私はその内容変えなかった。私は油でそれを清め犠牲捧げ、私の碑文と共に、元の場所に戻した。 [iii.11-21] おおシャマシュよ、天国冥界偉大な主にして神々の光 - あなたの父、シンニンガルの子よ。あなたが愛するEbabbar神殿に入るとき、あなたが永遠高座に座るとき、喜びのうちに私を見てください、このナボニドゥスを。バビロンの王にしてあなたを世話する王子を。私はあなたを喜ばせ、あなたの威厳ある礼拝所築きました。私の善い行いのゆえに、毎日日の出日没時において、そして天上地上において示される私への前兆を好ましいものにしてください。私の嘆願受け入れ 私の祈り受け取ってください。私の手にある笏(しゃく)と王により、私は永遠に統治できますように。 [iii.22-38] 戦いの女神アヌニトゥ。弓と矢筒持ち、彼女の父エンリル命令遂行し、敵をせん滅させ、邪悪な者を滅ぼし、他の神々先駆け日の出日没においては私の凶兆を好ましい者に変える女神。私は彼女のために、彼女のEulmaš神殿の古い遺構発掘し調査した。その神殿800年も前から、クドゥル・エンリル(英語版)の息子バビロンの王シャガラクティ・シュリアシュ(英語版)の時代からそれはシッパル・アヌニトゥにあった。私はクドゥル・エンリルの子、シャガラクティ・シュリアシュの遺構基礎清めレンガ工事行った。私は神殿再建し完成させた。戦いの女神アヌニトゥ。彼女の父エンリル命令遂行し、敵をせん滅させ、邪悪な者を滅ぼし、他の神々先駆ける女神。私は彼女のために住居建てた定められ捧げ物の他に、私は従来のものに加えるよう定めたそのほか捧げ物(を捧げた)。 [iii.38-42] おおアヌニトゥ、偉大な女神よ。あなたが喜びのうちに神殿に入るとき、私の善い行い好ましく思い、そして毎月日の出日没のとき、私のためにシン嘆願してください。あなたの父、あなたをもうけた神へ。 [iii.43-51] 、シンシャマシュ王位就けるであろう者よ。あなたが誰であれ、その治世において神殿荒廃したときに再建する者よ。どうか私の名による碑文を見つけ、それを変えないでほしい。どうか彼がそれを油で清め犠牲捧げ彼の名による碑文と共に元の場所へ戻しますように。シャマシュとアヌニトゥが彼の嘆願聞き彼の発言受け入れ、彼と共に歩み彼の敵を殲滅させ、日々、父にして創造者である、シン彼のために取りなしてくださるように。

※この「シッパルの円筒形碑文の翻訳」の解説は、「ナボニドゥスの円筒形碑文」の解説の一部です。
「シッパルの円筒形碑文の翻訳」を含む「ナボニドゥスの円筒形碑文」の記事については、「ナボニドゥスの円筒形碑文」の概要を参照ください。

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