冥界の神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/01 03:33 UTC 版)
第二の神格は「生者を守る神」。ここでいう生者の守護神とは冥界神と同義であるが、冥界神と言っても罪人を裁くためにあるいわゆる地獄に居るような恐ろしい神のことではない。諸説ある古代メソポタミアの宇宙観の中で有名なものに、世界を天・地・地下に三分し、地下を更に深淵と地下世界に二分した内の最下方、そこに死者が行きつく場所(すなわち冥界)を配していた、というものがある。冥界は生前の行いの善し悪しに関わらず、死者となれば皆一律に行けなければならない暗く乾燥した世界であるが、シャマシュはそうした冥界を「照らす」ことで、地上を脅かす地下世界の悪霊などを制御すると信じられていた。冥界の諸霊に起因する疫病や災厄からの救いを願うアッカド語の祈祷が、シャマシュに最も多く捧げられていたのはこのためである。概要で触れている通り、シャマシュは夜を西の果てで過ごすというが、一説によればその場所がまさに冥界であった。夜になると冥界を照らして生者を護る一方、昼には地上を照らし万物を見通すとされた。
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