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くるみ割り人形

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 22:15 UTC 版)

くるみ割り人形』(くるみわりにんぎょう、: Щелкунчик, : Casse-Noisette, : The Nutcracker)は、ピョートル・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽作品71)、およびそれを用いたバレエ作品である[4]。チャイコフスキーが手掛けた最後のバレエ音楽であり、1892年にサンクトペテルブルクマリインスキー劇場で初演された[5]


注釈

  1. ^ 『くるみ割り人形』の台本作者は一般にプティパとされているが、本作について検討した平林正司は、台本作者はフセヴォロジスキーか、少なくとも台本には彼の意向が反映していると考えるべきである、と述べている。ただし、バレエの台本は複数人で合作する場合が多かったことから、フセヴォロジスキーが唯一の作者であるとまでは断定できないとしている(平林正司 1998, p.126)。
  2. ^ a b 金平糖の精」は、原語では「ドラジェの精」である。金平糖とドラジェはどちらもコンフィットの一種であり、日本では「金平糖」の訳語が定着している(森田稔 1999, p.226)。また、英語圏では「シュガープラムの精」とも呼ばれる(The Nutcracker”. 英国ロイヤル・バレエ団. 2021年5月3日閲覧。The Nutcracker”. ニューヨーク・シティ・バレエ団. 2021年5月3日閲覧。)。
  3. ^ 『くるみ割り人形』の演出の変遷については、英語版記事(『くるみ割り人形』の演出一覧英語版)に詳しい。
  4. ^ マリインスキー劇場は、1917年のロシア革命後は「国立マリインスキー劇場」と呼ばれ、さらにその後「国立アカデミー・オペラ及びバレエ劇場(略称GATOB)」と改称された(デブラ・クレイン、ジュディス・マックレル 2010, p.140)。
  5. ^ 主人公の名前は、1929年のロプホーフ版でクララからマーシャに変更されており、ワイノーネン版もこの設定を踏襲している(渡辺真弓 2014, p.57)。
  6. ^ 出版年については、1845年という説もある(平林正司 1998, p.6)。
  7. ^ ホフマンの原題にある「くるみ割り(Nußknacker)」という語は、デュマの翻案では「はしばみ割り(casse-noisette)」と訳された。これは、ドイツ語のNußknackerがクルミハシバミなどの堅果を割る道具全般を指すのに対し、フランス語の同義語には「casse-noix(くるみ割り)」と「casse-noisette(はしばみ割り。くるみ割りよりもやや小型の道具を指す)」の2つがあり、デュマが後者の訳語を採用したためである(平林正司 1998, pp.4-5)。ただし、以下に記す『はしばみ割り物語』のあらすじでは、出典とした日本語訳書(小倉重夫訳)がcasse-noisetteを「くるみ割り」と訳出していることから、それに従った記載とする。
  8. ^ グラン・パ・ド・ドゥは、初演版では金平糖の精とコクルーシュ王子が踊ったが、改訂演出では、金平糖の精とくるみ割り人形の王子が踊り、コクルーシュ王子の役は削除されることが多い(小倉重夫 1989, p.239)。

出典

  1. ^ 森田稔 1999, p. 322.
  2. ^ デブラ・クレイン、ジュディス・マックレル 2010, p. 159.
  3. ^ a b c d e f g h i 渡辺真弓 2014, p. 54.
  4. ^ a b c 音楽之友社 1993, p. 100.
  5. ^ a b c d e f g h i 渡辺真弓 2014, p. 53.
  6. ^ a b c 平林正司 1998, p. 3.
  7. ^ 平林正司 1998, p. 9.
  8. ^ ダンスマガジン編集部 1999, p. 34.
  9. ^ 森田稔 1999, pp. 213–215.
  10. ^ 森田稔 1999, pp. 219–220.
  11. ^ 小松佑子 2017, p. 364.
  12. ^ 森田稔 1999, pp. 215–217.
  13. ^ 森田稔 1999, p. 217.
  14. ^ 森田稔 1999, pp. 218, 222.
  15. ^ 森田稔 1999, pp. 229–230.
  16. ^ 森田稔 1999, p. 226.
  17. ^ a b 森田稔 1999, pp. 230–231.
  18. ^ a b 森田稔 1999, pp. 231–232.
  19. ^ a b c 森田稔 1999, pp. 233–234.
  20. ^ 森田稔 1999, p. 234.
  21. ^ a b c d 渡辺真弓 2014, p. 57.
  22. ^ a b c ダンスマガジン編集部 1998, p. 43.
  23. ^ 赤尾雄人 2010, pp. 64–66.
  24. ^ a b c d 西原朋未 2019.
  25. ^ a b c d 渡辺真弓 2014, p. 59.
  26. ^ 平林正司 1998, pp. 219–220.
  27. ^ a b c 岸夕夏 2020.
  28. ^ a b 平林正司 1998, p. 219.
  29. ^ 渡辺真弓 2014, p. 52.
  30. ^ ダンスマガジン編集部 1998, p. 45.
  31. ^ a b c d e f ダンスマガジン 2008, pp. 56–57.
  32. ^ a b 平林正司 1998, pp. 3–6.
  33. ^ アレクサンドル・デュマ 1991, pp. 5–190.
  34. ^ 長野由紀 2003, p. 199.
  35. ^ 長野由紀 2020, pp. 28–29.
  36. ^ 長野由紀 2003, pp. 199–200.
  37. ^ "The Nutcracker, Complete Ballet in Full Score", Dover Publications, 2004 ISBN 0-486-43836-8 による。
  38. ^ a b c d e 音楽之友社 1993, p. 102.
  39. ^ 音楽之友社 1993, p. 101.
  40. ^ 音楽之友社 1993, pp. 100–101.
  41. ^ 小松佑子 2017, pp. 384–385.
  42. ^ 音楽之友社 1993, p. 109.
  43. ^ 小倉重夫 1989, p. 238.
  44. ^ 小倉重夫 1989, pp. 238–239.
  45. ^ 小倉重夫 1989, p. 239.
  46. ^ スタブ・ジブ「Life/style 『くるみ割り人形』の冬が来た!」『NewsWeek日本語版』50号(通巻1527号)CCCメディアハウス、2016年12月27日、58-59頁。
  47. ^ ベルリン国立バレエ団『くるみ割り人形』を公演から除外…「東洋人種差別の要素がある」”. 中央日報 (2021年11月29日). 2021年11月29日閲覧。


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