トッカータとフーガニ短調とは? わかりやすく解説

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トッカータとフーガ


トッカータとフーガニ短調

英語表記/番号出版情報
ブゾーニ:トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハToccata und Fuge d-Moll (J.S.Bach) BWV565
パッヘルベル:トッカータとフーガ ニ短調Toccata e fuga

トッカータとフーガニ短調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/10 08:30 UTC 版)

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オバーリン音楽院のフレントロップ社製パイプオルガンによる演奏

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トッカータとフーガ ニ短調ドイツ語Toccata und Fuge in d-MollBWV565は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲したオルガン曲である。

解説

数多いヨハン・ゼバスティアン・バッハ(以下バッハ)のオルガン曲のなかでも特に人気の高い作品のひとつである。演奏時間は8~12分程度。トッカータ部の演奏時間は3分足らずで、強烈な旋律で始まる。全体的に急速であり重厚感を併せ持つ。フーガ部は、4声体で書かれてはいるものの対旋律の性格が弱く、他のバッハのフーガと比べると比較的単純な構成になっている。楽想が絡み合うような濃厚なものではなく、強弱をつけながら連なり出会うといった簡素なものであるが、重厚感は強い。演奏の難易度は比較的高めではあるが他のバッハのオルガン作品と比較すれば平易である。本作はもともとはヴァイオリン用で、後にオルガン用に編曲されたという説もあり[要出典]、復元を試みヴァイオリン・ソロ用に編曲した版(アンドリュー・マンゼら複数ある)による録音もリリースされている。

カール・タウジヒフェルッチョ・ブゾーニマックス・レーガーらの編曲がピアノで演奏されることも多く、レオポルド・ストコフスキー編曲の管弦楽版もある。

偽作説

この作品には偽作説がある。一般にはバッハの最も初期の作品と言われているが、他のフーガとは異なった趣を持ち、また曲の規模のわりに内容が平易であるといったことも特異である。

偽作説の根拠は

  • バッハの自筆譜が現存せず、最も古い筆写譜が18世紀後半のものであること。
  • フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、および短調の変終止で終わるオルガン・フーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。
  • いささか表面的な減7の和音の効果や技巧の誇示が認められること。

などが挙げられる。ロルフ・ディートリッヒ・クラウス Rolf Dietrich Claus は、この曲の作者をテューリンゲン地方のオルガニスト、ペーター・ケルナー(Johann Peter Kellner, 1705年 - 1772年)としている[1]。なお、フーガ主題の前半はブクステフーデのオルガン作品《前奏曲とフーガ ニ短調BuxWV140》に見られる。

楽曲の利用、アレンジ

  • 鼻から牛乳(嘉門達夫) - 本曲を原曲とする。
  • 日産・スカイラインR31型 - アレンジされてCM曲に利用。
  • イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスのライブ・アルバム『9012Live・THE SOLOS』収録の「Si」は本曲のアレンジ。
  • イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、エッグの1stアルバム『エッグ』収録の「Fugue In D Minor」は本曲のロックアレンジ。
  • Back on the Rocks(メガ・エナジー・マン) - 前奏部に使用されている。

脚注

  1. ^ Claus, Rolf-Dietrich. 1998. Zur Echtheit von Toccata und Fuge d-moll BWV 565. Verlag Dohr, 2nd ed. Cologne. ISBN 3-925366-37-7. (ドイツ語)。参考:Yo Tomitaによるレビュー.

外部リンク

楽譜
録音
楽譜、動画など
ピアノ用編曲

トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565

(トッカータとフーガニ短調 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 03:05 UTC 版)

ヨハネス・リング英語版による模写。現存する中では最も古い模写といわれる。

トッカータとフーガ ニ短調ドイツ語Toccata und Fuge in d-MollBWV 565は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲したオルガン曲であり、数多いバッハのオルガン曲のなかでも特に知名度の高い作品のひとつである。

構成

演奏時間は8~12分程度。

トッカータ部の演奏時間は3分足らずで、印象的な旋律で始まる。全体的に急速であり重厚さを併せ持つ。


\new Score <<
  \new PianoStaff <<
    \new Staff <<
      \new Voice \relative c''' {
        \set PianoStaff.connectArpeggios = ##t
        \override Score.NonMusicalPaperColumn #'line-break-permission = ##f
        \tempo Adagio
        \voiceOne
        a8 \fermata \mordent b,32 \rest g'64 f e d cis32 d16 b \rest b8 \rest \fermata
        a \fermata \mordent b32 \rest e, f cis d16 b' \rest b8 \rest \fermata |
        s2. \oneVoice <bes, cis e>4 ~ \arpeggio
        <bes cis e>4 d
      }
      \new Voice \relative c'' {
        \voiceTwo
        a8 \fermata \mordent s32 g64 f e d cis32 d16 s8. s2 |
        s1
        s4 a
      }
    >>
    \new Staff <<
      \new Voice \relative c' {
        \clef "bass"
        s2 a8 \fermata \mordent d,32 \rest e f cis d16 d \rest d8 \rest \fermata |
        \voiceOne
        a'8 \fermata \mordent d,32 \rest g64 f e d cis32 d16 d16 \rest d8 \rest \fermata d4 \rest <cis e g>4 ~ \arpeggio |
        <cis e g> ~ g'16 e fis8
      }
      \new Voice \relative c {
        \voiceTwo
        s1
        a8 \fermata \mordent s32 g64 f e d cis32 d16 s8. s2 |
        s4 d'4
      }
    >>
  >>
  \new Staff \relative c, {
    \clef "bass"
    R1 |
    r2  d ~ |
    d
  }
>>

それに続くフーガ部は、4声体で書かれてはいるものの対旋律の性格が弱く、他のバッハのフーガと比べると比較的単純な構成になっている。楽想が絡み合うような濃厚なものではなく、強弱をつけながら連なり出会うといった簡素なものであるが、重厚感は強い。演奏の難易度は他のバッハのオルガン作品と比較すれば平易である。本作はもともとはヴァイオリン用で、後にオルガン用に編曲されたという説もあり[要出典]、復元を試みヴァイオリン独奏用に編曲した版(アンドリュー・マンゼら複数ある)による録音もリリースされている。

偽作説

この作品には偽作説がある。一般にはバッハの最も初期の作品と言われているが、他のフーガとは異なった趣を持ち、また曲の規模のわりに内容が平易であるといったことも特異である。

偽作説の根拠は

  • バッハの自筆譜が現存せず、最も古い筆写譜が18世紀後半のものであること。
  • フーガの書法が異例であること。特に主題が単独で提示されるオルガンフーガ、および短調の変終止で終わるオルガンフーガはバッハの全生涯を通じて他に例がないこと。
  • いささか表面的な減7の和音の効果や技巧の誇示が認められること。

などが挙げられる。ロルフ・ディートリッヒ・クラウス Rolf Dietrich Claus は、この曲の作者をテューリンゲン地方のオルガニスト、ペーター・ケルナードイツ語版(1705年 - 1772年)としている[1]。なお、フーガ主題の前半はブクステフーデのオルガン作品『前奏曲とフーガ ニ短調 BuxWV 140』に見られる。

ヨハネス・リングがこの曲で使用するDドリアンモード
冒頭部、フェルマータと高音部の音部記号の位置を除いてリングの原稿に似せたもの
ニ短調:調にフラットを付けた通常の記譜法
冒頭部、ニ短調、2小節後半のアルペッジョ部は現代記譜にアレンジ

楽曲の利用、編曲

カール・タウジヒフェルッチョ・ブゾーニマックス・レーガーらの編曲がピアノで演奏されることも多く、レオポルド・ストコフスキー編曲の管弦楽版もある。

  • 鼻から牛乳嘉門達夫) - 楽曲中の落ちとなる部分で、本曲の冒頭部が用いられている。
  • イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスのライブ・アルバム『9012Live・THE SOLOS』収録の「Si」は本曲のアレンジ。
  • イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、エッグの1stアルバム『エッグ』収録の「Fugue In D Minor」は本曲のロックアレンジ。
  • Back on the Rocks(メガ・エナジー・マン) - 前奏部に使用されている。
  • scapegoat 「封我」
CM
ゲーム
映画

脚注

  1. ^ Claus, Rolf-Dietrich. 1998. Zur Echtheit von Toccata und Fuge d-moll BWV 565. Verlag Dohr, 2nd ed. Cologne. ISBN 3-925366-37-7. (ドイツ語)。参考:Yo Tomitaによるレビュー.
  2. ^ スカイライン(1985/08〜1989/05・R31型)CMについて教えて。”. 日産自動車. 2023年10月10日閲覧。

外部リンク

楽譜
録音
楽譜、動画など
ピアノ用編曲

トッカータとフーガ ニ短調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 07:53 UTC 版)

ファンタジア (映画)」の記事における「トッカータとフーガ ニ短調」の解説

ストコフスキーによる編曲版用いられているが、ストコフスキー通常演奏していた編曲版とは異な箇所がある。ハープ独奏部分のチェレスタ・フルート[要出典]が無い。

※この「トッカータとフーガ ニ短調」の解説は、「ファンタジア (映画)」の解説の一部です。
「トッカータとフーガ ニ短調」を含む「ファンタジア (映画)」の記事については、「ファンタジア (映画)」の概要を参照ください。

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