いかめ・しとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 料理 > 日本の郷土料理 > いかめ・しの意味・解説 

いか‐めし【烏賊飯】

読み方:いかめし

イカの足と腹わたをとりのぞき、胴にもち米をつめて、砂糖としょうゆなどで甘辛く煮た料理北海道渡島地方名物

烏賊飯の画像

烏賊飯

(いかめ・し から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/08 22:36 UTC 版)

烏賊飯
種類 郷土料理
発祥地 日本
地域 北海道
誕生時期 昭和16年(1941年
主な材料 スルメイカ、うるち米、もち米
Cookbook ウィキメディア・コモンズ
テンプレートを表示

烏賊飯(いかめし)は、イカの中にを入れて炊き上げた日本料理北海道渡島地方郷土料理

概要

下足(げそ)を取り外し、腹ワタを取り除いたイカの胴身に、研いだを詰め込み醤油ベースの出し汁で炊き上げたもの。爪楊枝等で米が飛び出さないように留める事がある。米はもち米とうるち米を混ぜる[1]。胴身に詰める具材として、下足を細かく刻んだものや、人参油揚げなどを入れることもある[2]

駅弁

いかめしの包装と中身
松坂屋豊田店で売られているいかめし

生のイカに米やジャガイモを詰め込んで醤油味で煮込んだ料理は北海道日本海沿岸に古くから存在する料理で、大正昭和初期の松前町[3]焼尻島[4]など、各地で食されていた。

現在「駅弁」として有名な「いかめし」は、函館本線森駅駅弁調製業者だった阿部弁当店(現在のいかめし阿部商店)が、第二次世界大戦中の1941年(昭和16年)、戦時体制による食糧統制で米が不足していたため、当時豊漁だったスルメイカを用い、米を節約しても満足感がある料理として考案した[5]。当時の森駅は鉄道交通の要衝として、ソ連侵攻に備えて北海道に配置された若い兵士たちを乗せた列車が乗り入れていた。そのため駅弁として売り出したところ、もち米入りで腹持ちが良いと評判を呼んだという[6]

戦後1966年(昭和41年)に京王百貨店で『第1回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』が行われ、阿部弁当店はこの大会に烏賊飯を出品した。第2回には早くも売り上げ1位となり、以後同大会をはじめとする「駅弁大会」の常連となった。これによって「いかめし」は徐々に森町名物あるいは北海道名物として全国的に知られるようになった。

1970年代にはイカの不漁で安定供給が困難になった為ニュージーランド産のイカを使用。日本近海のイカよりも加熱調理後に冷めても身が柔らかく、より良いいかめしが出来上がった[7]

現在では阿部商店以外の業者も製造販売しており、催事や通信販売レトルトパックになったものが容易に入手できる。本州でも新潟県長岡駅など、イカの産地では同様の駅弁が販売されている。

脚注

注釈

出典

  1. ^ 日本の郷土料理 1巻 (北海道・東北 1) P.76
  2. ^ 日本の郷土料理 1巻 (北海道・東北 1) P.23
  3. ^ 日本の食生活全集1 北海道の食事 P.158
  4. ^ 日本の食生活全集1 北海道の食事 P.246
  5. ^ 北海道雑学百科ぷっちがいど
  6. ^ あのメニューが生まれた店 P.79
  7. ^ 北海道・森町名物 「いかめし」のこだわり | PlusParavi(プラスパラビ)”. 株式会社プレミアム・プラットフォーム・ジャパン (2019年7月4日). 2021年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月6日閲覧。 “ところが販売が伸びるなかイカは不漁となり、1970年代に入ると安定供給が困難となってしまいます。 しかし、これが転機となりました。外国産の"イカ"に活路を求めると、いかめしに最も適したニュージーランド産のイカと出合います。日本近海のイカは加熱したあと、冷めると身が硬くなりますが、ニュージーランド産は冷めても身が軟らかく、より良い"いかめし"ができたのです。”

参考文献

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、烏賊飯に関するカテゴリがあります。


「いかめし」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「いかめ・し」の関連用語

いかめ・しのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



いかめ・しのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの烏賊飯 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS