ビーキャス‐カード【B-CASカード】
B-CASカード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:33 UTC 版)
B-CASカードはB-CAS社が発行する接触式ICカードでARIBとB-CAS社に認証されたデジタル放送受信機に同梱して配布され、受信機(チューナー、セットトップボックス、デジタル放送対応テレビ、BDレコーダーなど)に挿入して使用する。B-CASカードのICチップ内部にはカード毎に固有のID番号と暗号鍵が格納されている。 B-CASカード単位で受信契約情報が記録されているため、NHKの衛星放送受信契約や有料放送の視聴契約等の情報が記録されているカードを差し替えることにより別のデジタル放送受信機でも同様の視聴や録画が可能となっている。このため、デジタル放送受信機を買い替えた際にも従来使用していたB-CASカードを挿すことにより新しい受信機でも買い替え前同様の視聴や録画が可能である。逆に言えば、新しく買い替えたからといって、従来のカードが使用できる状態であれば改めて契約をし直す必要はない。 B-CASカードは赤カード・青カード・CATV専用カード(オレンジ色)の3種類が一般的に知られている。家電量販店に行けば、店頭展示テレビに挿入されている店舗用B-CASカードも見受けられる。 赤カードはBS・CS110度・地上のデジタル放送3波共用カードである(裏面にBSデジタル専用と書かれていてもダウンロードサービスを受けることにより3波利用可能である)。 青カードは地上デジタル放送専用カードである(B-CAS社へのライセンス料の支払軽減が目的とされている)。BS及び110度CSは受信可能であるが、CSの有料番組の契約はできない。地上デジタル特別内蔵用カード(浴室等に持ち込むことができる防水加工されたテレビ等に内蔵)は屋外使用の仕様や防水仕様などの受信の場合、着脱が難しいため出荷段階から挿入済みとされる。12セグの視聴が可能なカーナビゲーションやUSB型受信機等にSIMカードサイズのminiB-CASカードも発行されている。 その他、白カード(店頭展示テレビ専用。NHKBS放送の設置確認メッセージが表示されない)、黄色カード(用途限定カード。有料放送の代理店契約を結んでいる店舗での放送用)、黒カード(業務用。受信電波レベル確認等に使用)など限られた用途のB-CASカードも存在するが一般視聴者が目にすることはあまりない。これらのカードはネットオークションに出品されることもあるが、同社は契約違反であるとして問題視している。 B-CASカードの転売や譲渡については、B-CAS社はカード所有権は自社にあるとして転売などを認めていない。転売すると著作権法違反で逮捕される[要出典]。カード単体での発売も行われておらず、故障や紛失した際には、B-CAS社のカスタマーセンターに申し込むことで、1枚あたり送料込み2,050円で再発行される。 雑誌『週刊ポスト』の報道では、毎年の発行枚数と売り上げから計算するとB-CAS社にとっては1枚600円前後のビジネスと推測されている。メーカーの仕入れ値については、1枚あたり100円程度であることが2013年のB-CASカード横流し事件の際に報じられた。 B-CAS社はデジタル放送推進協会 (Dpa) と契約を交わし、ARIB規格に準拠して著作権保護機能を遵守するメーカーの機器にカードを支給していると述べている。
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