認識論とは? わかりやすく解説

にんしき‐ろん【認識論】

読み方:にんしきろん

《(ドイツ)Erkenntnistheorie認識起源本質方法限界などについて考察する哲学一部門。知識論


認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/05 16:54 UTC 版)

認識論(にんしきろん、: Epistemology)は、認識知識真理の性質・起源・範囲(人が理解できる限界など)について考察する、哲学の一部門である。存在論ないし形而上学と並ぶ哲学の主要な一部門とされ、知識論とも呼ばれる。


注釈

  1. ^ アウグスティヌスは懐疑論の時代に生きた人物であるが、彼はこれに「わたしは間違えるなら、ゆえにわたしは存在する」と論駁し、後のデカルトに大きな影響を与えた。
  2. ^ このような考え方は後のマルブランシュに影響を与えた。
  3. ^ デカルトの実体概念は他に依存せず独立して存在するものというものであるが、ロックはこれを批判し、実体概念を複合観念の一種とする。彼によれば、単純観念の諸属性の基となる何ものかがあると人は想定したくなるが、その何ものかは説明不能である。
  4. ^ 経験論者にとって、数学の定理は少し厄介な問題を引き起こす。こうした経験論の立場に立つ定理の真偽は人間の経験に依存せず、経験論の立場に対する反証となる。経験論者の典型的な議論は、このような定理はそもそもそれに対応する認識内容を欠いており、単に諸概念の間の関係を扱っているだけだというものだが、合理主義者は、定理にもそれに対応する認識内容の一種があると考える。
  5. ^ フッサールには『デカルト省察』というフランス人に向けて書いた現象学の入門書があり、彼は、デカルトの主観/客観図式を批判した上であるが、その方法的懐疑論を承継している。また、「事象そのものへ」立ち返るという超越論的方法論は基本的にはカントを承継したものといえる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 神川正彦. “認識論”. 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク). 2019年6月10日閲覧。
  2. ^ 杖下隆英. “実在論”. 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク). 2019年6月10日閲覧。
  3. ^ 坂部恵. “観念論”. 日本大百科全書(ニッポニカ)(コトバンク). 2019年6月10日閲覧。
  4. ^ 伊藤 (2007), pp.112-128
  5. ^ 熊野 (2002), p.20
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  10. ^ 戸田山 (2002)、pp.62-64
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  13. ^ Encyclopedia Britannica,15th ed.,1994,vol.18,Epistemology,page487



認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:01 UTC 版)

ヘレニズム哲学」の記事における「認識論」の解説

ヘレニズム哲学先駆けてプラトンが『テアイテトス』で知識について論じている(「感覚」、「真な判断」、「ロゴス伴った真な判断」の三種類の知識俎上挙げられるいずれも反駁されることになる)が、これが起爆剤となってそれまでギリシア哲学であまり論じられなかった認識論が発展したエピクロスプラトン棄却したはず感覚復活させて知識同一視した感覚ないし表象(パンタシアー)が誤り得る、例え四角い塔が遠くから見ると円く見えるといった反論に対して、ある感覚起きていること、例えば塔が円く見えていることは疑いえないと主張したこのように感覚自体誤りえないものであり、判断付加した時に初め誤り生じると彼らは考えたストア派は『テアイテトス』(191c-e)における蝋板比喩活用して認識論を組み立てていった。表象のうち確実に真であるものが「同意(シュンカタテシス)」されて「把握表象(カタレープティケー・パンタシアー)」となり、把握表象がさらに「把握(カタレープシス)」され、完全に統合されることで「知識」になるとゼノン考えたとされる。そして、表象確実に真であると人間判別できる根拠として、あらゆる個々の物には「固有性」が備わっているという考え持ち出したまた、ストア派は、行為や「感情(パトス)」の起源である「意欲(ホルメー)」も表象対す同意考えており、認識論が倫理学と一体となっていた。 ピュロン懐疑主義派では、まず初期ピュロンティモンヘラクレイトス流転説によく似た考え持っていて、客観的世界無差別性に基づいて人間感覚判断不確かだ主張したとされる。さらにディオゲネス・ラエルティオス伝えところによれば、ピュロンプロタゴラス相対主義影響にあったという。後にピュロン主義復興したアイネシデモスも自らの哲学を「ヘラクレイトス哲学通じる道」だと述べた。 こういったヘラクレイトス流転説やプロタゴラス相対主義反対したはずアカデメイア学派ピュロンたちと同じく懐疑主義行き着いたソクラテスの「無知の知」の精神や『テアイテトス』において知識の定義の試み余すところなく潰えている事実が彼らを懐疑主義に向かわせたと言われる感覚的経験から知識獲得しようとするエピクロス派ストア派対す批判通じてプラトン学派次第に、「真の知識とは感覚されえない物を対象とする」、「知識浄化された魂によって得られる」といった考えに向かうことになったヒッポのアウグスティヌスアカデメイア派論駁』では、こうした新たな認識論が以前アカデメイア派懐疑主義的認識論と対置して紹介されている。

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 18:40 UTC 版)

社会科学の哲学」の記事における「認識論」の解説

詳細は「認識論」を参照 いかなる学問分野においても、科学者プロジェクト下支えする哲学的前提が常に一定存在する。これらの前提一部社会的知識社会的現実本性、そして人間による行為統制の所在に関するのである社会科学自然科学方法論をどの程度模倣できるかについて研究者たち見解一致していない。初期社会科学実証主義者たちは、社会現象伝統的な科学的方法通じて研究されうるし、またそうされるべきだと論じた。この立場科学主義scientism)、自然主義naturalism)、また物理主義physicalism)と近接している。つまり、あらゆる現象究極的に物理的実体物理法則還元されるという教説である。自然主義反対する陣営には理解verstehen)的方法主義者を含むが、彼らによれば人間行為研究するためには解釈学的アプローチが必要であり、それは自然科学とは根本的に異なった技術とされる社会科学の哲学与えられ根源的な課題とは、認識論的基盤照らし合わせ上で実証主義がどの程度科学的」であると言えるかを特徴づけることなのである。これらの論争また、現代社会科学の「内部」でも激しく沸き起こっており、主観性客観性間主観性といった概念や、理論研究遂行における実践位置づけなどが問われている。社会科学の哲学者はさらに深い認識論的方法論的問題にも取り組んでおり、実在論批判的実在論道具主義機能主義構造主義解釈主義現象学ポスト構造主義といった概念扱われている。 19世紀後半以降実質的に全ての主要な社会科学者は、社会科学自然科学とは異な課題直面していることを認めてきたが、因果関係特定する能力について科学メタ理論行われたのと同じ論争社会科学にも沸き起こってきた。実証主義はしばしば、素朴な経験主義から生まれたものだという戯画的な捉え方をされるが、実のところこの概念にはコント著作始まりウィーン学団それ以降にまで広がる射程を持つ豊かな歴史がある。同様に実証主義因果性同定できるとすれば、それはカール・ポパー提唱した批判的合理主義的非正当化主義critical rationalist non-justificationism)にも同様に開かれているはずであり、またそれ自体クーンによる認識論的パラダイムシフト概念通じて議論されるべきである。 ヴィルヘルム・ディルタイのようなドイツ初期解釈学者たちは自然科学社会科学Geisteswissenschaft)を区別した先達である。この伝統はマックス・ウェーバーゲオルグ・ジンメルの反実証主義だけでなく、批判理論critical theory)にまで強い影響与えた1960年代以降科学演繹的説明モデル弱体化していったが、それは「科学主義」あるいは「イデオロギーとしての科学」に対す批判足並み揃えて進んでいった傾向だった。ユルゲン・ハーバーマスは『社会科学論理によせて』(1967年)にて次のように述べている。 「実証主義者が夢見る統合され科学、すなわちすべての科学一つ自然科学的モデルのもとに吸収されるというテーゼ破綻している。なぜなら、社会科学歴史学の間には親密な関係があり、これらの学問具体的な状況基づいた意味理解の上成り立っており、それは解釈学的にのみ解明されうるからである。(中略象徴的に構造化された現実理解観察のみでは到達し得ないのである」。 理解社会学理論(Verstehende social theory)は、現象学的著作にて中心的に扱われており、代表的な文献としてはアルフレッド・シュッツ社会的世界の意味構成』(1932年)、ハンス・ゲオルク・ガダマー真理方法』(1960年)がある。現象学は後に登場するポスト構造主義者たちによる主体中心的な理論においても影響力持っている20世紀半ば言語論的転回により非常に哲学色の強い社会学登場し、また知識社会的獲得対すいわゆるポストモダン」的視点導入された。社会科学対す顕著な批判一つは、ピーター・ウィンチウィトゲンシュタイン影響下のもとに上梓した『社会科学理念』(1958年)に見られるミシェル・フーコーは『言葉と物』にて有力な批判提供したが、ハーバーマスローティは、フーコー批判は、一つ思考システム別のシステムで単に置き換えたものに過ぎない断じている。 社会心理学者抱え根底問題一つとは、自分行っている研究は、素心理学同様に社会的行為背後ある意味意識観点から理解しうる、あるいはすべきであるのか、それともより客観的自然的物理主義的、行動主義的事実集中的に研究すべきであるのか、という問いである。 この問題は、意識連想的意味、心的表象といった質的心理的現象を扱う社会科学にとってとりわけ重要性持っている。なぜなら、意味の研究拒絶することによりこうした研究が非科学的なものとして分類されることになるからである。精神力学シンボリック相互作用論といった影響力のある伝統的理論こうしたパラダイムシフト最初犠牲となった。これらの異な立場背後潜む哲学的問題はある特定の方法論立脚するものだが、それはしばし党派心の強い者の縄張り侵してきた。しかし、多く研究者一つ方法拘りすぎる教条主義者に対して忍耐力持たないことが示されている。 社会科学研究政治組織ビジネス現場において非常に一般的かつ実際的効力持ち続けている。マイケル・ブラウォイは社会学分類し実践的応用焦点をあてる公共社会学public sociology)と、他の社会科学者哲学者との対話重視する学術的社会学academic or professional sociology)の差異強調した

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認識論

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アルヴィン・ゴールドマン」の記事における「認識論」の解説

ゴールドマンといえば知識正当化され信念について一連の自然主義的な説明提出しているというのが最もよく知られ一面だろう。こうした一連の議論発端は、論文"知識因果説"にあらわれている。この論文従えば、その信念真にする事実によって適切な形で引き起こされ真な信念こそが知識である。しかしすぐにゴールドマン別の説明提出しなおすことになる。こちらによれば知識とは信頼できるプロセスによって引き起こされ真な信念である(信頼性主義)。この新し説明にも、その後ゴールドマン提出したさらに新し説明にも、さまざまな困難が付きまとってはいる。しかしこれらは、知識正当化され信念について、20世紀後半提出された中では最も影響力のある説だといえるだろう。というのは、これら二つの説は、「許容「義務」といった規範的概念ではなく、「因果」、「信頼性」という自然主義的な考え方訴えることで、認識論に新たなアプローチ仕方提案したからだ。当時は、規範的な考え占め領域こうした自然主義的な考え用いるというのは、ゴールドマン著述著し特徴をなしていたのだが、こうしたやり方今日では普通のものになってきている。しかしこうした流れは、少なからずゴールドマン自身著述負っているのだ。 より最近では、ゴールドマンの認識論上の仕事社会認識論の問題向かっており、認識論に対す自身アプローチ法律(特に証拠)や投票メディアなど問題応用してきている。ゴールドマン言い方借りれば、文化理論ポストモダニズムが「社会認識論」という名の下に示唆してきたものよりも、ラディカルでない社会認識論を提出しようとしているのだ。ゴールドマンアプローチ分析哲学道具立て、特に形式認識論を、社会的知識分析使おうというもので、こうした仕事いくつか著作社会的世界の中の知識にまとめられている。

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認識論

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ギルバート・ハーマン」の記事における「認識論」の解説

ハーマン1965年論じた最良説明への推論inference to the best explanation)」――観察可能な現象を最もよく説明するために必要とされるもの存在推論すること――の役割についての議論は非常に大きな影響力持った。後の著作では、すべての推論合理的な視点転換change in view)」として理解されるべきだとされ、保守主義conservatism)と整合性coherence)を釣り合わせつつ、単純性と説明的考察ポジティブ整合性関連しており、矛盾避けることはネガティブ整合性関連する、と主張している。ハーマンアプリオリ知識訴え主張対す懐疑表明しており、論理学意思決定理論含意一貫性に関する理論なのであって、従うことができるような理論なのではないと論じている。つまり、それらは推論についての理論ではないのである著書Thought』や『Change in View』では、知識についての直観推論について考え上で有益だ論じられている。最近では、ブレット・シャーマンとともに知識未知の諸前提に基づきうると示唆している。また、サンジェーヴ・クルカルニとともに初等統計学理論帰納に関する哲学的問題へのある種回答与えていると主張している。

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:47 UTC 版)

デイヴィッド・ヒューム」の記事における「認識論」の解説

ヒュームは『人間本性論』では、人はどのように世界認識しているかという認識論より検討始めている。 人間知覚perception、これはヒューム独自の用法であり、心に現れるもの全てを指す)を、印象impression)と、そこから作り出される観念idea)の二種類分けている。印象観念には、それぞれ単純(simple)なものと複合complex)なものとがあり、全ての観念印象から生まれると主張した。そして印象観念源泉となるが、観念から印象生じないとした。 これらの観念結合することにより知識成立され、この結合についてはヒュームは二種類の関係を想定した一つを「自然的関係」と呼びもう一つを「哲学的関係」と呼んだ前者は「類似similarity)」「時空近接(contiguity)」「因果関係causality)」であり、後者は量・質・類似反対および時空同一性因果である。

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 01:40 UTC 版)

ホーリズム」の記事における「認識論」の解説

認識論におけるホーリズムに関しては、ウィラード・ヴァン・オーマン・クワインの論が挙げられる1951年クワインは「経験主義二つドグマ」という論文において認識論的ホーリズム提唱した。《指示不可測性》と《翻訳不確定性》のテーゼ導いた。これらは、後に、科学哲学分野で《デュエム-クワイン・テーゼ》として問題提起役立ったクワイン述べたことは、検証反証対象というのは個々命題ではなく科学全体」である、とし、反証事例があっても信念体系全体再調整を通じてどのような反証事例却下できてしまう、ということなどである。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 23:52 UTC 版)

ストア派」の記事における「認識論」の解説

ストア派では、知識理性を使うことで獲得される信じられた。真理誤謬とは区別される; 実際に近似作り出されるだけだとしても。ストア派によれば感覚器官は常に感覚受け取っている: そして物体から感覚器官通じて心へと拍動伝わり、心において拍動表象(phantasia)における印象を残す(心に現れる印象ファンタズマ呼ばれる)。 心は印象に対して判断する——賛成もしくは反対する——能力(sunkatathesis)を持ち実在正し表象間違った表象から区別することができる。印象中には即座に賛成できるものもあるが、様々な程度躊躇いがち賛成留まり信念もしくは意見(ドクサ)と呼ばれるものもある。ただ理性通じてのみ人間明確な理解確信(カタレプシス)を得られるストア派知者獲得できる確かな真な知識(エピステーメー)は確信仲間専門知識人間判断集成確かめることによってのみ得られる。 あるものがその実態において、その裸の状態において、その完全な全体性においてどんな種類のものかを見極めるために、そしてその適切な名前や解決へ向けて混合されものの名前を分かるために、あなたに表象されたものの定義・記述自分のためになしなさい。なぜなら、あなたの生涯において表象された物体真に系統的に観察し同時にこの世界がどんな世界であるか、世界の中で万物どのように働くか、全体との関連の中で個々のものがどんな意味を持つかを見極めるために物事を常に観察することほど、心を練磨する上で生産的なことはないのだから。 —マルクス・アウレリウス・アントニヌス,『自省録』、第III巻第11章

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認識論

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リンダ・トリンカウス・ザグゼブスキ」の記事における「認識論」の解説

ザグゼブスキは、徳認識論という分野開拓者一人である。著書『心の諸徳 (Virtues of the Mind)』(1996年)において、彼女は現代認識論の特定の問題解決するため、アリストテレス的徳理論展開し、このプロジェクト過程で徳の一般的分析行った。また『神的動機理論 (Divine Motivation Theory)』(2004年)では、理性信仰倫理学の関係についての問題幅広く扱った。 彼女は認識的価値諸問題について取り組んでおり、「エスプレッソマシン」という思考実験沼地問題 (swamping problem) の前身)を考案し信頼性主義対す反論行った著書認識的権威信念における信頼権威自律理論 (Epistemic Authority: A Theory of Trust, Authority, and Autonomy in Belief)』(2012年)にて、彼女は道徳的宗教的信念における権威を含む強い意味での認識的権威擁護し権威についての信念知的自律要件であると主張した同書2010年オックスフォード大学行われたワイルド講義から生まれた

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:59 UTC 版)

イマヌエル・カント」の記事における「認識論」の解説

カントによれば人間認識能力感性悟性二つ源泉からなる感性直観する能力であり、悟性思考する能力であるが、それぞれに純粋な形式直観形式空間と時間思考形式12 の純粋悟性概念カテゴリー、すなわち範疇とも称する))がある。純粋悟性概念時間限定たる図式(schema)によってのみ感性関係する。 我々はこの二つ認識源泉協働によってのみ対象認識し得る。したがって我々に「直観」として与えられ得ない理性概念は、我々の認識対象ではあり得ない理性推理による理念はいわば絶対者にまで拡張された純粋悟性概念である。神あるいは超越者がその代表例であり、これをカント物自体(Ding[e] an sich selbst)と呼ぶ。 いわゆる二律背反においては定立の側では完全な系列には無制約者含まれる主張される。これに対し反定立の側では制約時間において与えられ系列には被制約者のみが含まれる主張されるこのような対立解決統制的ではあっても構成的ではない理念客観的実在性付与する超越論的すりかえ避けることを必要とする。理念与えられ現象制約系列において無制約者到達することを求めるが、しかし、到達して停滞することは許さない規則である。 なお、『プロレゴメナによれば、純粋悟性概念はいわば現象経験として読み得るように文字にあらわすことに役立つもので、もしも、物自体に関係させられるべきものなら無意義となる。また、経験先行しこれを可能にする超越論的(transzendental)という概念はかりに上記概念使用経験超えるならば超越的(transzendent)と呼ばれ内在的(immanent)すなわち経験内に限られた使用から区別される

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月は緑のチーズでできている」の記事における「認識論」の解説

科学ジャーナリズムで、理論物理学者ショーン・M・キャロル英語版)はする必要がなかった理由を「月をサンプルチーズ作られていないことを知っている。」と説明した。彼は、月は緑のチーズでできているという仮説不条理述べ宇宙に関する私たち知識反しており、「これは証明ではなく、月が緑のチーズでできていないという論理数学ステートメント証明できるような形而上学的な証拠は無い。しかし、それにもかかわらず科学は、主張私たち理論的理解残り部分にどれだけうまく適合しているかに基づいて主張に関する判断下す。」と述べた。この議論余地のない議論にもかかわらず月の石調和的な特徴、つまり衝撃波地震波が伝わる速度地球上のどの岩よりもチーズに近いと言われている。 Dennis Lindleyはベイズ確率におけるクロムウェル法則英語版)の必要性説明するために神話使用した。「言い換えれば意思決定者が何かが真実ではないと考え、これを確率ゼロであると解釈した場合、彼はデータ影響を受けることは無い。 それは確かにばかげている。したがって、月が緑色チーズでできている可能性は少し残してください100万分の1程度小さな確率だが、そうしないと、前述チーズサンプル持って戻ってくる宇宙飛行士軍隊去ってしまうため、そこに置いてくださいあなたは動かなかった。」

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:50 UTC 版)

哲学上の未解決問題」の記事における「認識論」の解説

認識論的問題は、知識性質範囲、および限界に関するのである。認識論は、知識研究として記述されてもよい。

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認識論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:38 UTC 版)

ヒラリー・パトナム」の記事における「認識論」の解説

認識論の領域では、パトナムは「水槽の脳」の思考実験知られている。この議論デカルトの「悪しき霊」の仮説現代版ともいえるもので、われわれが肉体のない「水槽の脳」であり、ある「マッドサイエンティスト」によって身体から切り離され水槽中に置かれたのだ、とする主張自家撞着陥る、とするものである。ティム・ブラックなどの哲学者はこれを懐疑主義論駁する議論だと解釈している。 当然ながらこの議論は、指示についての因果的理論になる。言葉というものはつねにその言葉によって指し示される事物種類指し示しており、それゆえ、それらの言葉の使用者やかつての使用者経験した事物種類指し示しているとしようその場合、ある人が(仮にマリーとしよう)「マッドサイエンティスト」によって造られ配線その他の装置通じてあらゆる経験受容している「水槽の中の脳」であるとするなら、「脳」についてのマリー観念ほんとうの脳を指示しているわけではないマリーマリー属す言語共同体ほんものの脳を見たとがないからである。もっと正確に言えばマリーが脳に似た何かを見たといっても、それは実際に配線通じて女に与えられイメージしかない同様に「水槽」についての彼女の観念ほんとう水槽指し示しているわけではない。従って、もし一個水槽の中の脳として、マリーが「私は水槽の中の脳だ」と言うとしても、それは実際には「私は水槽イメージの中の脳のイメージだ」と言っているにすぎず、おかしなことになる。かといってマリー水槽の中の脳でないとすれば、彼女は反対のことを言っていることになるから、やはりおかしなことになる。すなわち一種認識論的外在主義成り立ち知識正当化は、心に外在する要因依存しており、純粋に内的に決定されないということになる。 パトナム自身説明によれば、この議論真の標的懐疑主義ではなく形而上学的実在論である。形而上学的実在論人間世界了解する仕方世界実際に存在する仕方の間に相違があることを前提にしているので、水槽の脳デカルト悪しきのような懐疑主義シナリオはその種の実在論対す恐るべき挑戦になる。パトナムそのようなシナリオ不可能であることを示すことによって、人間の世界了解世界実際に存在する仕方とのあいだに相違があるという考え方自家撞着であることを示そうとしているのだ。人間は「神の眼をもって現実理解をすることはできない人間概念スキームによって限界づけられているからである。従って、パトナムによれば形而上学的実在論誤りのである

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