分析哲学とは? わかりやすく解説

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ぶんせき‐てつがく【分析哲学】

読み方:ぶんせきてつがく

analytic philosophy第二次大戦後の英米中心とする代表的哲学言語分析通して哲学問題解決あるいは解消しようとする。日常言語実際の使用法注意深く記述するという方法によって分析を行うオックスフォード学派日常言語学派)と、人工言語積極的に案出してそれによる分析を行う人工言語学派とがある。


分析哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/24 13:56 UTC 版)

分析哲学(ぶんせきてつがく、: analytic philosophy)は、ゴットロープ・フレーゲバートランド・ラッセルによる論理学記号論理学)研究及び言語哲学研究の成果に起源を持ち、ラッセルの教えを受けたルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの言語哲学研究、及びウィトゲンシュタインの思想に対する誤解を含めて彼から多大な影響を受けた論理実証主義の受容とそれに対する批判、日常言語学派の発展と影響の拡大などの歴史を経て形成された現代哲学の総称である。なお広辞苑によれば、分析哲学の主唱者はジョージ・エドワード・ムーアである。


注釈

  1. ^ 例えば、末木剛博黒崎宏はウィトゲンシュタイン研究者の立場から東洋哲学を解釈している[18][19]。また、分析哲学の先駆者にあたるリチャーズ[20][21]やラッセルは、二人とも訪中経験があり、それぞれの立場から諸子百家を解釈している[22][23]

出典

  1. ^ Critchley, Simon (2001-06-07). Continental Philosophy. Oxford University Press. ISBN 978-0-19-285359-2. https://doi.org/10.1093/actrade/9780192853592.001.0001 
  2. ^ 飯田隆「分析哲学としての哲学/哲学としての分析哲学」『現代思想』32巻8号、2004年、48-57頁。ISBN 9784791711239
  3. ^ Mizrahi, Moti; Dickinson, Mike (2021-10). “The analytic‐continental divide in philosophical practice: An empirical study” (英語). Metaphilosophy 52 (5): 668–680. doi:10.1111/meta.12519. ISSN 0026-1068. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/meta.12519. 
  4. ^ a b c d e Bonino, Maffezioli & Tripodi 2021, p. 11022 (32).
  5. ^ a b Bonino, Maffezioli & Tripodi 2021, p. 10996 (6).
  6. ^ Bonino, Maffezioli & Tripodi 2021, pp. 11003-11004 (13-14).
  7. ^ Bonino, Maffezioli & Tripodi 2021, p. 10991 (1).
  8. ^ Bonino, Maffezioli & Tripodi 2021, p. 10994 (4).
  9. ^ 山本巍・今井知正・宮本久雄・藤本隆志・門脇俊介・野矢茂樹・高橋哲哉『哲学:原典資料集』東京大学出版会、1993年。ISBN 4130120522 ISBN 978-4130120524
  10. ^ a b 笠木, 雅史「現代行為論の展開」『科学哲学』第49巻第2号、2016年、1–3頁、doi:10.4216/jpssj.49.2_1ISSN 0289-3428 
  11. ^ 松元雅和 (2012). “分析的政治哲学の系譜論”. 法學研究 : 法律・政治・社会 84. http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20110828-0035. 
  12. ^ 西村清和編・翻訳『分析美学基本論文集』勁草書房、2015年。ISBN 978-4326800568 
  13. ^ 大草輝政 著「プラトンと分析哲学」、内山勝利 編『プラトンを学ぶ人のために』世界思想社、2014年。ISBN 9784790716358 
  14. ^ トゥオマス・E.タフコ編著、加地大介ほか訳『アリストテレス的現代形而上学』春秋社、2015年。ISBN 978-4393323496 
  15. ^ 納富信留『世界哲学のすすめ』筑摩書房〈ちくま新書〉、2024年。ISBN 9784480076045 (第6章「世界哲学としての現代分析哲学」)
  16. ^ a b 京都大学大学院文学研究科 応用哲学・倫理学教育研究センター”. 2021年1月18日閲覧。
  17. ^ a b Members – Network for Analytic Asian Philosophy”. aap.bun.kyoto-u.ac.jp. 2021年1月18日閲覧。
  18. ^ 末木剛博『東洋の合理思想』講談社現代新書 1970(増補新版 法蔵館 2001)
  19. ^ 黒崎宏『ウィトゲンシュタインから道元へ 私説『正法眼蔵』』哲学書房 2003
  20. ^ McElvenny, James (2014-01). “Ogden and Richards’ The Meaning of Meaning and early analytic philosophy” (英語). Language Sciences 41: 212–221. doi:10.1016/j.langsci.2013.10.001. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0388000113001095. 
  21. ^ 香春「リチャーズによる哲学的メタファー論の復活」『名古屋大学人文学研究論集』第2巻、2019年、1頁。 
  22. ^ バートランド・ラッセル 著、高村夏輝 訳『論理的原子論の哲学』筑摩書房、2007年、168;235頁。 ハーバート・ジャイルズによって英訳された『荘子』に出てくる、名家の学説「黄馬驪牛三」を、クラス英語版の実在についての学説として解釈している)
  23. ^ Richards, I. A. Mencius on the Mind: Experiments in Multiple Definition (Kegan Paul, Trench, Trubner & Co.: London; Harcourt, Brace: New York, 1932).


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分析哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 17:30 UTC 版)

アメリカ合衆国の哲学」の記事における「分析哲学」の解説

20世紀半ばアメリカにおける分析哲学が支配始めた時期だった。分析哲学がアメリカに来る以前に、ヨーロッパゴットロープ・フレーゲバートランド・ラッセルルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインおよび論理実証主義者活動始まっていた。論理実証主義拠れば論理学数学真理トートロジー(常に真となる論理命題)であり、科学真理実験的に検証できる。倫理学美学神学形而上学および存在論主張含め他の主張はどれも意味がないとした(この理論検証理論呼ばれた)。アドルフ・ヒトラーナチス党勃興により、多く実証主義者がドイツからイギリスアメリカ逃れその後年月ではアメリカにおける分析哲学の支配補強することになったW・V・O・クワイン論理実証主義者ではなかったが、哲学知識明晰さ追求し世界理解することでは、科学肩を並べて行くべきという見解同じだったクワインはその論文経験主義2つドグマ教義)』で論理実証主義者知識分析総合区別を批判し正当化整合説である「信念クモの巣」、ホーリズム提唱したクワイン認識論では、孤独場合如何なる経験起こらないので、あらゆる信念あるいは経験全体と結びつけられる知識に対して実際に全体的なアプローチがある、としている。クワイン翻訳不完全性理論一部として「ガヴァガイ」(gavagai)という言葉編み出したことでも有名である。 クワインハーバード大学教え子ソール・クリプキは、分析哲学の影響大きく受けたクリプキは、ブライアン・ライターが行った調査で、過去200年間の最も重要な哲学者10傑入っていた。クリプキ4つ哲学論文で特に良く知られている。すなわち(1)様相論理学関係論理学のためのクリプキ意味論、彼がまだ10代の間に開始した幾つかの論文掲載された。(2)1970年プリンストン大学行った講義名指し必要性」(1972年1980年出版)、言語哲学再構築し「形而上学再度尊敬できるものにした」(3)ウィトゲンシュタイン哲学解釈(4)真理論、である。また集合論についても重要な貢献果たしたクワインハーバード大学でのもう1人教え子デイヴィド・ケロッグ・ルイスは、ブライアン・ライターが行った調査で、20世紀で最も偉大な哲学者一人入っている。論議呼んだ様相実在論提案良く知られており、具体的で因果的孤立した可能世界無限にあり、その中の一つが我々の世界だと主張している。これら可能世界様相論理学分野出てくる。 トーマス・クーン科学史科学哲学分野広範な業績残した重要な哲学者かつ著作家だった。その有名な著作科学革命の構造』は学術文献引用されることが多い。この中で科学者新たに解くべきパズル見付けるので異なる「パラダイム」(理論的枠組み)を通って前進し問題対する解を見付けるための苦闘拡がる世界観シフトが起こる、クーンはこれを「パラダイム・シフト」名付けた。その功績知識社会学におけるマイルストーン考えられている。

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分析哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/27 17:27 UTC 版)

進化倫理学」の記事における「分析哲学」の解説

1986年生物哲学マイケル・ルース倫理感情の根源として進化役割次のようにまとめた: 我々の道徳観念、我々の利他的な本性適応生存繁殖努力助け形質-であり、手や眼、歯、足と同様である。それは我々に協力を起こさせ、行き当たりばったりな行動落とし穴完璧に合理的な脳を作るコスト回避できる費用対効果優れた方法である。 科学メタ倫理学適用するときには次のように述べた: ある意味で...進化論者の主張は、倫理個体繁殖促進するために自然選択によって形作られ維持されている人類集合的な幻想であるということである。...倫理幻想的だ倫理感私たちに、それには客観的な基準があると思い込ませる。これが生物学的見解要点である。

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分析哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 15:17 UTC 版)

現代思想」の記事における「分析哲学」の解説

画像左から)フレーゲラッセルウィトゲンシュタイン。この3人が論理実証主義先駆者となり、ウィトゲンシュタイン前期思想後期思想対す反応が分析哲学を二つ分かった20世紀初頭にゴットロープ・フレーゲバートランド・ラッセルによって記号論理学成立すると、哲学の専門職化という時代背景の下、スコットランド常識学派成果など様々な影響を受け、これを吸収していった分析哲学のうち、前期ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の影響受けた潮流論理学的な人工言語重視して論理実証主義運動興し人工言語学派ideal language philosophy 理想言語学派)を形成したのであるが、これとは正反対に後期ウィトゲンシュタインの『哲学探究』の影響受けた潮流日常言語重視して日常言語学派形成したW・V・O・クワイン論理実証主義者ではなかったが、哲学知識明晰さ追求し世界理解することでは、科学肩を並べて行くべきという見解同じだったクワインはその論文経験主義2つドグマ教義)』で論理実証主義者知識分析総合区別を批判し正当化整合説である「信念クモの巣」、ホーリズム提唱したクワイン認識論では、孤独場合如何なる経験起こらないので、あらゆる信念あるいは経験全体と結びつけられる知識に対して実際に全体的なアプローチがある、としている。クワイン翻訳不完全性理論一部として「ガヴァガイ」 (gavagai) という言葉編み出したことでも有名である。 クワインハーバード大学教え子ソール・クリプキは、分析哲学の影響大きく受けたクリプキは、ブライアン・ライターが行った調査で、過去200年間の最も重要な哲学者10傑入っていた。クリプキ4つ哲学論文で特に良く知られている。すなわち、(1) 様相論理学関係論理学のためのクリプキ意味論(彼がまだ10代の間に開始した幾つかの論文掲載された)、(2) 1970年プリンストン大学行った講義名指し必要性」(1972年1980年出版言語哲学再構築し「形而上学再度尊敬できるものにした」)、(3) ウィトゲンシュタイン哲学解釈(4) 真理論、である。また集合論についても重要な貢献果たしたクワインハーバード大学でのもう1人教え子デイヴィド・ケロッグ・ルイスは、ブライアン・ライターが行った調査で、20世紀で最も偉大な哲学者一人入っている。論議呼んだ様相実在論提案良く知られており、具体的で因果的孤立した可能世界無限にあり、その中の一つが我々の世界だと主張している。これら可能世界様相論理学分野出てくる。 トーマス・クーン科学史科学哲学分野広範な業績残した重要な哲学者かつ著作家だった。その有名な著作科学革命の構造』は学術文献引用されることが多い。クーンこの中で科学者新たに解くべきパズル見付けるので異なる「パラダイム」(理論的枠組み)を通って前進し問題対する解を見付けるための苦闘拡がる世界観シフトが起こるとし、これを「パラダイム・シフト」名付けた。その功績知識社会学におけるマイルストーン考えられている。

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