SDメモリーカード SDIO

SDメモリーカード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/17 21:16 UTC 版)

SDIO

SDIOカメラ

SDにはメモリーカード規格の他、SDIOと呼ばれるI/Oインターフェースを想定した規格もある。標準での電流容量はStandard-Power SDIOとして200 mAまでだが、High-Power SDIOとして500 mAまで拡張できる。

SDIOカード
Bluetooth無線LANワンセグチューナー、GPSデジタルカメラカードなどがある。日本ではSDIOカードとしてデータ通信PHSカードが市販されていた。
miniSDIOカード
Bluetooth、無線LAN、ビデオ出力、インタフェースカードなどがある。
microSDIOカード
2010年5月時点で、無線LANアダプタ[24]が発売されている。

Embedded SD

SDメモリーカード仕様をベースにしたデジタル機器内蔵メモリ用規格、さまざまな機器で共通のI/Oインターフェースを利用しSDメモリーカードとの互換性を高めることを目的としている[25]

改竄防止機能付きSDメモリーカード[ライトワンス (Write Once) SDメモリーカード]

捜査機関へのデジタルスチルカメラの浸透は早かったものの、メモリーカードの内容『改竄』問題はずっとついて回った[26]。そこで捜査機関や法執行機関等向けに上書き保存機能を無効化したSDメモリーカードが提供されるようになった[27][28]

メモリーカード市場シェアの変遷

携帯電話におけるメモリーカードのシェア

スマートフォンにセットされたmicroSDメモリーカード

日本の携帯型電話機分野では、2000年(平成12年)12月にDDIポケット(現・ワイモバイル)が発売した九州松下電器(現・パナソニック システムネットワークス)製のPHS端末「KX-HS100」で初めて採用された。携帯電話では2002年(平成14年)3月にJ-フォン(現・ソフトバンク)が発売したシャープ製端末「J-SH51」で採用、その後日本の他キャリア・メーカーに波及した。

2003年(平成15年)にminiSDカードが発売されるとフルサイズのSDカードにかわりこちらの採用が多くなり、NTTドコモ10月21日に発表した「505iS」シリーズでは当時首位のNEC、松下電器産業を含む4社がminiSDカードを採用。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(現・ソニーモバイルコミュニケーションズ)、三菱電機の2社が採用した小型版メモリースティック「メモリースティック Duo」に対して優勢となった。また、三菱電機も「901i」シリーズではminiSDを採用し、以後は機種毎のコンセプトに合ったメモリーカードを選択するようになっている。

microSDカードは、2004年(平成16年)にモトローラ製端末Vodafone 702MOVodafone 702sMOに採用(当時の名称はトランスフラッシュ)されてからは、日本国内での普及が中心のminiSDを置き換えるかたちで米国・日本での採用が進み、auKDDI / 沖縄セルラー電話連合)では2006年秋モデルではほとんどの機種をmicroSDカードに対応させた。対抗規格である「メモリースティック マイクロ」の採用例は日本国内ではW52Sのみにとどまり、しかもW52S自体も変換アダプタによりmicroSDに対応したこともあり、microSDの優勢は確固たるものとなった。他社も追従する形で2007年(平成19年)以降、携帯電話の外部メモリースロットが対応するサイズはmicroSDカードとなった。

一貫してメモリースティックを採用し続けていたソニー・エリクソンも、SO903iではメモリースティックDuoとminiSDカードの両対応とした。それ以降、同社が日本市場向けに供給している端末はほぼ全てmicroSDを採用している。

デジタルカメラにおけるシェア

SDメモリーカード対応カムコーダ

SDメモリカードは規格として後発だったため、当初は他のメモリーカード規格に対してシェアや出荷数で大きな差をつけられていた。

2003年(平成15年)には最大のライバルであるメモリースティックとのシェアが逆転する。この年は、小型・薄型のコンパクトデジタルカメラに不向きな大柄のコンパクトフラッシュからの規格変更を最後まで決めかねていた、老舗カメラメーカーのニコンキヤノンが相次いでSDカードの採用を決定し、コンパクトデジタルカメラ分野での大勢も決した。

デジタル一眼レフカメラでは、コンパクトフラッシュの大きさがそれほど問題にならないことと、主にプロの現場で使われるため容量・転送速度・信頼性の問題から、2013年現在でもコンパクトフラッシュが標準的なメディアである。ただし、デジタル一眼レフにもSDカードを使用する機種があり、ペンタックスでは*ist Dを除く全機種で、ニコンではD40 / D40xD50D80D90D300s(CFとのデュアルスロット)で採用、またキヤノンではMark II以降のEOS-1D及びEOS-1DsでSDカードとコンパクトフラッシュのデュアルスロットを採用している。

2007年(平成19年)春にはこれまでxDピクチャーカード陣営の中心だった富士フイルムがSDカードとxDピクチャーカードのどちらか一方を使えるデュアルスロット搭載という形でSDカードが使えるコンパクトデジタルカメラを発売。2009年(平成21年)にはデュアルスロットを撤廃してSD / SDHCカードのみの対応とした機種も発売された。2007年(平成19年)冬にはxDピクチャーカード陣営のもう一つの中心だったオリンパスも一部機種でアダプタによりmicroSDに対応する機種を発売、2010年(平成22年)1月発売のFE-47・μTOUGH-3000以降の機種でSD / SDHCカード対応になった。またソニーも2010年(平成22年)以降SDカードとメモリースティックのデュアルスロットに対応したデジタルカメラを発売し事実上、主要メーカー全てがSDカードを採用することになった。

コンパクトデジタルカメラでは、microSDをアダプタなしで使用できる機種も近年では存在する。

デファクトスタンダードとしてのSDカード

陳列されたメモリーカード(香港、2010年)
家庭用ゲーム機のWiiに挿入されたメモリーカード

2003年(平成15年)頃からSDカードが優勢になってきていたものの、しばらくはデファクトスタンダードと言えるほどの差をつけられていなかった。しかし2005年(平成17年)から携帯電話でのminiSD規格の採用が増加してきたこともあり、シェアを徐々に拡大。2006年(平成18年)にはメモリーカードシェアの約7割を獲得したデータがある[29]。またmicroSDは2007年1月に日本国内の販売シェアでminiSDを抜いた[5]

2008年(平成20年)では、BCNランキングによるとメモリーカードシェアの7割以上をSD系列が占めている(microSD 40.6 %、SDカード33.1 %)[30]

家電量販店などのメモリーカードコーナーでもSD系列メディアは最も品揃えが豊富であり、身近な小売店としてコンビニエンスストアなどでも購入が可能な場合もある。2009年(平成21年)時点ではUSBメモリと並び、最も有力なフラッシュメモリメディアとして普及している。

ほかにゲーム機では、任天堂は松下電器産業(現・パナソニック)との提携でニンテンドーゲームキューブ対応のSDカードアダプタを発売したほか、ゲームボーイアドバンスSPの周辺機器「プレイやん」やWiiニンテンドーDSiニンテンドー3DSNintendo Switch(MicroSDXCカード 2 TiBまで)にもSDメモリーカード規格を採用している。

このような市場動向から、消費者がデジタルカメラ、ビデオカメラなどを購入する際にSDカードを使えることが商品選択の際の一つのポイントとされることがある。そのため、先述した自社規格であるメモリースティックを抱えるソニーも、自社製パソコンおよびPlayStation 3(初期の一部のモデルのみ)にSDカードスロットを、携帯電話ではmicroSDやminiSDを採用するなどして消費者のニーズに応えている。同社はSDメモリーカード対応のデジタルカメラ(一部のデジタル一眼レフカメラを除く)や、SDメモリーカード単体の発売はしていなかったが、2010年(平成22年)1月からSD / SDHCカード及び、携帯電話向けのmicroSD / microSDHCカードの発売を開始し、2011年(平成23年)からはソニー製でもSDメモリーカードのみに対応しメモリースティックには対応しない製品が登場している。また、規格化されたばかりのSDUC規格に対応した機器については2019年7月7日現在、日本では存在していない。

欠点

著作権保護

SDカードは違法コピーが蔓延するCDに変わり著作権保護機能を前面にアピールしたセキュアなメディアとして登場した。しかし、SDMIはもとより途中から追加されたCPRMも対応製品が発表される前に違法コピーされていた。SDXC及びSDUCでは、CPRMを強化(ただし互換性はない)したCPXMに対応した。

特許関連

SDカードには複数の特許が絡む。PCでは特許料不要でUSB端子を用いるUSBメモリが一般化しており、ライセンス契約などによる製造コストの増加を懸念し、SDカードスロットの搭載を見送るメーカーも存在する。ただ、デジタルカメラ写真などを取り込むといった需要があることから、ホームユーザー向けPCへの搭載は増えている。

加えて、LinuxなどのオープンソースOSでは、同様に特許の関係で、ドライバなどのソフトウェア的な実装自体は行われているものの、標準では使用できないようになっている。このため、Linuxなどを販売する商用ディストリビュータが、個別で特許契約した上で、各自の判断で有効化する必要がある。これもほとんどのLinuxディストリビューションで有効化されている。

ただし、FreeBSDは、特許問題のない下位互換規格である「マルチメディアカードの例外的な実装」と位置付けし「SDメモリーカードではない」と主張、実装が行われている。

転送速度

SDHCカードはSDスピードクラスの制定によって現在[いつ?]の最高速度の規定が「Class 10のカード:10 MB/s (80 Mbps) 以上の速度」であり、またSDXC規格にて最大300 MB/sを目指している。しかし、コンパクトフラッシュでは2006年(平成18年)5月のCF Spec. Rev 4.0で、ATA/ATAPI-7のUDMA 6の最大888倍速133 MB/sの転送速度を公称しており、転送速度の面でSD規格のカードはこれに及ばない。この転送速度差は書き込み速度に直結するため、高速な転送速度を要求される高級デジタルカメラにコンパクトフラッシュが採用され続けている理由になっている。

その他

以下は、SDカードを含むすべてのメモリーカード規格でも生じうる欠点である。

フラッシュメモリに関わる問題
SDカードがデータ記録用に採用しているフラッシュメモリは、アクセス速度、耐衝撃性、静音性、省電力性の点で優れている。その一方、書き換え可能回数に上限があり、書き換えを一定数繰り返すと正常に保存できなくなったり、保存されているデータを破損したりする可能性が高まる。他のフラッシュメモリを採用している製品同様、SDメモリーカードもこの欠点は(現時点では)回避できない。またフラッシュメモリは精密な電子製品であり、電気的なストレスに弱く、水没など水に起因する故障も起こりうる。製品によっては、これを避けるため防水加工を施したものもある。
SDカードにもMLC、TLC等の書き込み形式があるが、ドライブレコーダー等に適した耐久性を売りにした製品以外に関しては書き込み形式が表記されていないものが殆どである。
小型化による問題
メモリサイズの小型化と可搬性の高さから、紛失または盗難の危険性が高い。顧客情報等の個人情報漏洩事故などの機密情報の漏洩に繋がりやすいため、セキュリティ上のリスクがある。乳幼児などが誤飲する危険性もある。
本体は小さいが、それに比してケースが大きいため、保管専有スペースを取る。また、ケースには入れず裸で保管した場合は保存したデータの摘要を記入する場所がないか、あったとしても小さすぎる。ラベルに記入するスペースを設けているものもあるが、極めて希な上スペースも非常に小さい。

注釈

  1. ^ a b SDへの変換アタプターを利用する場合は、アタプターに誤消去防止スイッチがあるため、それを利用することができる。
  2. ^ 製品によっては耐久性の向上等を目的として突起を無くしたものもある(SONY製TOUGHシリーズなど)。
  3. ^ 規格上はFAT12およびFAT16が規定されている。FAT12の場合最大容量は32 MiBとなる。

出典

  1. ^ a b c d e f 阪本久男「SDカード標準化の歩み」『映像情報メディア学会誌』第65巻第2号、映像情報メディア学会、2011年、 doi:10.3169/itej.65.157
  2. ^ 「1 General description」『SD Specifications Part 1 Physical Layer Simplified Specification Ver1.10』 SD Group、2003年4月
  3. ^ BCNランキング SD連合がシェア65 %で圧勝、メモリーカード規格対決、買い得なのは?”. 2019年1月11日閲覧。
  4. ^ a b SD EXPRESS – A REVOLUTIONARY INNOVATION FOR SD MEMORY CARDS (PDF)”. SD Association (2018年6月27日). 2018年6月28日閲覧。
  5. ^ a b c microSDがついにSDを逆転、携帯電話が握るメモリカード売れ筋の行方 BCNランキング 2007年7月26日
  6. ^ バッファロー社製のUSBメモリを分解したら、中からMicro SD!?”. ガジェット通信. 2020年10月24日閲覧。
  7. ^ SD規格の概要 - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  8. ^ SDメモリーカードのロックスイッチを排除することで誤動作を防止!人気の“Sシリーズ”に「ロックスイッチ無し」モデルを新発売”. ハギワラソリューションズ (2018年8月9日). 2020年5月12日閲覧。
  9. ^ a b ■SDメモリーカードの各種フォーマット(SD Memory Card Information)”. 2003年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月3日閲覧。
  10. ^ 通常SDSCと記載することはない
  11. ^ a b c d SDA 2020, p. 6.
  12. ^ 英語版を参照
  13. ^ Panasonic-SDXCメモリーカードの注意事項
  14. ^ microSDXCカードご利用時のご注意について
  15. ^ 末岡洋子 (2013年1月22日). “FUSEベースのMicrosoft「exFAT」実装、「fuse-exfat 1.0」がリリース”. OSDN Magazine. 2017年10月8日閲覧。
  16. ^ 最大2Tバイトの「SDXC」、登場はいつ?(2/2) +D PC USER (ITmedia) 2009年10月8日
  17. ^ a b c d e f g h バスインターフェーススピード - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  18. ^ a b “SD Specifications Version 4.10” (PDF), 3.10.5 - Summary of Bus Speed Mode for UHS-II Card, SD Card Association, オリジナルの2013-12-02時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20131202232415/https://www.sdcard.org/downloads/pls/simplified_specs/part1_410.pdf 2013年9月24日閲覧。 .
  19. ^ Totsu, Hirotaka. “最大624MB/秒の最速SDカード規格UHS−III策定。CFast 2.0やXQD 2.0に匹敵、速すぎてまだ製品化不能 - Engadget Japanese” (日本語). Engadget JP. 2017年3月7日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年3月13日閲覧。
  20. ^ SD Express Cards with PCIe and NVMe Interfaces (PDF)”. SD Association (2018年6月27日). 2018年6月28日閲覧。
  21. ^ 徹底理解CFexpress:第2回:CFexpress規格の誕生と詳細”. デジカメ Watch. 2020年7月29日閲覧。
  22. ^ スピードクラス - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  23. ^ Panasonic Launches SDHC Memory Cards with Class 10 Speed Specification Panasonic UK 2009年5月21日
  24. ^ 無線LAN microSDIOカード(au携帯電話 Wi-Fi WIN対応機種専用)
  25. ^ Embedded SD Standard - SD Accociation
  26. ^ 「42都道府県警が採用」なぜ警察は“改ざん”できる捜査SDカードを使い続けるのか?”. 文春オンライン. 2022年12月18日閲覧。
  27. ^ 例えばキオクシア改ざん防止機能付きSDメモリカード。2022年12月18日閲覧。
  28. ^ カメラオプションとしてキヤノンも用意している(カタログ)。2022年12月18日閲覧。
  29. ^ 主役はminiSDへ、携帯電話需要を追い風にシェア7割に迫るSD系メモリカード BCNランキング 2006年7月5日
  30. ^ microSDが4割突破のメモリカード、容量はGBクラスがあたりまえの時代に BCNランキング 2008年2月22日


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