SDメモリーカード SDメモリーカードの概要

SDメモリーカード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/17 21:16 UTC 版)

ロゴマーク
さまざまなSDメモリーカードの模擬図
(上からSD、miniSD、microSD)

本項では、マルチメディアカード (MMC) を除く、互換性を持つ高機能化・大容量化・小型化の規格についても併せて解説する。

概要

SDメモリーカードは、1999年8月25日に松下電器産業(現・パナソニック)、サンディスク(現・ウエスタン・デジタル)、東芝(現・キオクシア)によって構成されたSD Groupによって開発・発表された。2000年1月7日には、関連団体である「SDカードアソシエーション (SD Card Association, SDA)(現・SDアソシエーション (SD Association, SDA)」がアメリカ合衆国カリフォルニア州[1]に設立された。

SD規格のロゴ1990年代前半に東芝が開発した。ソニーフィリップス陣営の対抗規格に競り勝つ形でDVDの原型となった光ディスクSuper Density Disc」のために制作されたもので、ロゴ内の「D」は光ディスクの意匠がある。なお「SD」の呼称については、かつてはSecure Digitalの略称であると説明していたが[2]、2006年9月に規格書がVer. 2.00に改版された際にこの記述が削除されたため、これ以降はSecure Digitalという表記は使用していない。

2000年代にはマルチメディアカードスマートメディアコンパクトフラッシュメモリースティックxDピクチャーカードなどの競合するメモリーカード規格が多数存在したが、ライセンス料を安価にしたり、miniSDなどの新しい規格をタイムリーに投入したり、携帯電話に搭載されるといった後押しもあり、2005年8月時点での日本国内でのSDカードの販売シェアは64.9 %と圧倒的多数を占め[3]、メモリーカード規格の主流になることができた。

  • 2001年 - SDカードスロットに接続して使うSDカード型の周辺機器を作ることができる、SDIOカード規格が発表された[1]
  • 2003年 - 小型化したminiSDカード規格が発表された[1]
  • 2005年 - セキュリティ機能を強化したSD SMART規格が発表された[1]
  • 2006年1月 - 米国の「2006 International CES」で、SDメモリーカードの規格限界容量である最大32 GiBを規定した「SDHC」が発表された。
  • 2006年 - さらに小型化したmicroSD規格が発表された[1]
  • 2009年1月 - 64 GiB以上の記憶容量に対応する規格として「SDXC」という新規格の仕様を策定、2009年8月に64 GiB仕様のカードを発表した。規格に関してはファイルシステムにexFATを採用することで記憶容量を最大で2 TiB (2048 GiB)、データ転送速度は300 MB/sまで拡張する予定となっている。
  • 2018年6月 -「SD 7.0」規格として最大で985 MB/sの転送速度に対応する規格である「SD Express」と、最大で128 TiBの容量に対応する規格である「SDUC」を発表した[4]

発表当初からのSDカードは全て著作権保護規格CPRMに対応していたが、SD 6.1においてオプションとなり非対応カードも販売されるようになった。対応カードにおいてはCPRM機能に加えて、参照不可能な著作権情報管理用領域が設けられており、メディアとして実際に使用できる容量とは若干の差分が存在する。

SPIモードがあり、低速で良いのであればSPIバスにて簡単に複数のデバイスを接続できる。製品に対応スロットが用意されている場合でも、SDメモリーカードの容量や製品との相性問題の関係で使用できない場合がある。

miniSDカード

miniSDカード(ミニエスディーカード)は、SDメモリーカードの小型版で、端子が2ピン追加され11ピンとなっている。サンディスクが2003年(平成15年)3月に発表した。

SDメモリーカードとは電気的に互換性があり、端子の変換のみの簡易な構造のアダプタに装着することでSDメモリーカードとしても利用できる。実際に販売されているminiSDカード製品の多くは、アダプタを同梱している。

2006年(平成18年)には一時、SDメモリーカードの売り上げの半分以上がこのminiSDになった。当時日本では主に携帯電話端末向けに利用されていたが、その後はより小型化されたmicroSDカードへの移行が進んだ。2007年(平成19年)後半にはほとんどの端末にmicroSDカードが採用されるようになり、2008年(平成20年)頃にはminiSDカードの販売数は減少に転じた。microSDカードをminiSDカードに変換するアダプタの存在によりmicroSDカードで代替可能なことも、miniSDカードの市場規模縮小に拍車をかけた[5]

ソニーグループの製品では、以前はメモリースティックを外部メディアとして採用することが多かった。携帯電話メーカーSony EricssonSO902iSO902iWP+まではメモリースティック PRO Duoを採用していたが、2006年発売のSO903iではメモリースティック PRO DuoとminiSDの両規格に対応した外部メモリースロットを搭載した。同社は2007年発売の後継機SO903iTV以降、メモリースティック、miniSDのいずれも廃止し、microSDに移行している。

microSDカード

microSDカード(右)とアダプタ
microSDアダプタの内部構造。端子を変換するだけの非常に簡素な構造である。

microSDカード(マイクロエスディーカード)は、SDアソシエーションによって2005年(平成17年)7月13日に承認されたフラッシュメモリ電子媒体である。サンディスクが2004年(平成16年)2月に開発したトランスフラッシュ(TransFlash; TFカード)の仕様を引き継いだもので、名称は異なるが媒体そのものは同じである。

外形寸法は、11 mm × 15 mm × 1 mmと、SDメモリーカードの1/4程度、汎用品として使われているリムーバブルメディアの中で最も寸法が小さい。miniSDの場合と同様に、SDメモリーカードとは電気的に互換性があり、microSDカードを変換アダプタに装着することによって、SDメモリーカードまたはminiSDカードとして利用することができる。

携帯電話での利用

日本国外では当初モトローラ携帯電話を中心に採用されていた。日本ではボーダフォン 日本法人(現・ソフトバンク)Vodafone 702MOVodafone 702sMO(いずれもモトローラ製)にTransFlash規格で採用され、日本のメーカーからも2006年(平成18年)1月に開発が発表されたVodafone 804Nを皮切りに、続々と対応端末が登場した。本体の小型化・薄型化にも貢献できるため、miniSDに替わって主流となった。

au2006年(平成18年)秋冬CDMA 1X WINモデルではメモリースティック Duoに対応のW43SW44SおよびminiSDに対応のW41SHを除く全てが、NTTdocomoでもSO903iを除く903iシリーズがmicroSD専用スロットを搭載した。こうした背景のもと、2007年6月にはSD陣営でのシェアトップに君臨する規格となった[5]

小型大容量化によって頻繁な着脱を想定せず、電池パックの内側にmicroSDカードスロットを設ける端末が多い。

携帯電話以外での用途

携帯電話以外にデジタルオーディオプレーヤーなどにも容量増設用としてmicroSDスロットが設置されているものもある。

日本では2009年(平成21年)から映像ソフトウエアの媒体としても使用されるようになった。映画などがDVD-VideoBlu-ray DiscとmicroSDとのセットまたはmicroSD単体で販売されている。ワンセグ放送と互換性のあるフォーマットで収録されており、広く普及しているワンセグ対応携帯電話などで手軽に再生できる。

また、小型のUSBメモリのなかには、狭義のUSBフラッシュドライブの構造ではなくmicroSDカードと小型のmicroSDカードリーダーを組み合わせることで記憶装置を構成している製品も存在する[6]

規格

形状(フォームファクタ)

SDメモリーカードは、マルチメディアカード (MMC) に近い形状を持っており、SDメモリーカード用スロットは物理的にMMCも挿入可能な互換性を持つ。そのため、SDメモリーカードを使用している機器では、マルチメディアカードも利用できることが多い。

当初の規格では端子は1列のみであったが、SD 4.00で規定されたUHS-IIから2列目の端子が追加された。従来の端子を第1ロウ、UHS-II以降で追加された端子を第2ロウと呼ぶ。

各SD規格メモリーカードの形状比較[7]
SDメモリーカード miniSDカード microSDカード
24 mm 20 mm 11 mm
長さ 32 mm 21.5 mm 15 mm
厚さ 2.1 mm 1.4 mm 1.0 mm
動作電圧 (V) 第1ロウ 3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V) 3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V) 3.3 V VDD(2.7 - 3.6 V)
第2ロウ 1.8 V VDD(1.70 - 1.95 V) - 1.8 V VDD(1.70 - 1.95 V)
誤消去防止スイッチ あり なし[注 1] なし[注 1]
端子ガード突起 あり[注 2] なし なし
端子数 DS
HS
UHS-I
9ピン 11ピン 8ピン
UHS-II
UHS-III
17ピン - 16ピン
SD Express 1-lane 17 - 19ピン - 17ピン
SD Express 2-lane 25 - 27ピン - -

SDメモリーカードのロック

SDメモリーカードにはロック機能(書き込み禁止スイッチ)がついており、カード側面のツマミをロック位置に移動させると、データの削除 / 上書きを禁止することができるとされている。ロックのツマミが書き込み可能位置に存在することを検出し「書き込みが可能である」と判定している。ツマミの位置は接続される機器側で物理的に検出しており、カード内部の電気回路とは接続されていない。このため、USBアダプタなど機器側でロックを検出しないこともあり、その場合はスイッチの意味は全く無い。

2018年にはハギワラソリューションズにより、誤操作防止としてロックスイッチを廃したSDメモリーカードが発売されている[8]

SDアプリケーションフォーマット

各種用途に合わせたSD規格が制定されている[9]

SD-Audio
SDカードに備わっているCPRMを利用して対応する音声ファイルを暗号化する、著作権保護を目的としたフォーマット。
SD-Video
SDメモリーカード用フォーマットの一種で動画記録の規格[9]。利用可能な動画像圧縮方式はMPEG-2MPEG-4CPRM対応。
SD-Video ISDB-T Mobile Video Profile
ワンセグチューナーを内蔵し番組録画に対応した携帯電話機の登場にあわせて2005年(平成17年) - 2006年(平成18年)頃に策定された規格であり、ISDB-Tで受信した番組をH.264方式でストリーミングに記録する。
ワンセグ放送そのものにスクランブルは施されていないが、基本的にチューナー側でCPRMを被せて録画するため、チューナー内蔵・接続の機器(携帯電話機やPCなど)の内部記憶媒体に録画・作成したファイルを、SDなどのリムーバブルメディア間でコピー・ムーブする際は、DVDレコーダーと同様に、録画機器本体の操作またはワンセグチューナーや携帯電話機に付属する対応PCアプリケーション等の正当な方法で行わないと再生できなくなる。2008年(平成20年)頃からダビング10に対応したワンセグチューナーや携帯電話機が市販されるようになった。
その他SD規格
  • SD-Binding - SDカード対応機器の固有データと結びつけた、著作権やプライバシーの保護規格。
  • SD-Image - 静止画記録用であるが、デジタルカメラ以外の用途を想定。サポートする主なフォーマットについては、静止画はBMPGIF (87a, 89a)、JPEG (JFIF)、JPEG (Exif)、PNG/簡易動画はGIFアニメ (89a)。
  • SD-Picture - 静止画記録用。主な用途はデジタルカメラ。サポートするフォーマットはDCF (Exif) 必須。
  • SD-Map[1]
  • SD-pDocument - 印刷分野やFAX用。JPEG / TIFF およびテキスト形式。
  • SD-ePublish - 電子ドキュメント対応。HTML系対応。
  • SD-PIM - スケジュールや住所などの個人的な情報管理用。住所録、スケジュール、メッセージ、メモ、ブックマークなど対応。
  • SD-Sound - 電子音源データ利用の音楽再生用。主な用途は電話、カラオケなど。サポートするフォーマットMIDI Files必須。
  • SD-Voice - 音声記録用。主な用途はICレコーダーや携帯電話など。サポートする主なフォーマットはG.726AMR

など。

また、PRO CARDと呼ばれるパナソニックの独自規格カードがあり、同社製の業務用高機能電子レンジ(マイクロウェーブ解凍機・マイクロウェーブコンベクションオーブンなど)でメニューを記憶させる専用のカードである。これらの機器に市販のカードは使用できない。

容量

SD(SDSC)

東芝製SDメモリーカード

SDSC[10] (SD Standard Capacity) は2000年のSD 1.01で規定された当初の規格。最大容量は2 GiBである[11]。これは、SDメモリーカードでの事実上の標準的なファイルフォーマットとしてFAT16が用いられ[注 3]、その規格上の最大ボリュームサイズが最大で2 GiBまでに制限されているためである。過去には2 GiBを超える製品も存在したが、SDメモリーカード規格外なので使用できる製品がごく一部に限られている(現在では通常、2 GiBを超える製品は後述のSDHCSDXC規格が使用されている)。

SDメモリーカードは、非常に簡素な構造と技術とを採用し、扱いやすい大きさ、形状、側面の誤消去防止用の物理プロテクトスイッチ、SD Music Initiative (Secure Digital Music Initiative, SDMI) 適合の著作権保護機能など、家庭電化製品(家電など)への幅広い用途を直接意識した機能が特徴である。これは、ソニーなどが推進するメモリースティック1997年(平成9年)7月17日発表)と直接競合した。

SDHC

SDHCメモリーカード

SDHC (SD High Capacity) は2006年のSD 2.00で規定され、ファイルシステムをFAT32に対応させたことで最大32 GiB[11]までの大容量化が可能となった。

物理的な寸法は従来のSDメモリーカードと同一で、上位互換性を保持しているため、SDHC対応機器でSDメモリーカードを扱うことができる。追加された仕様[12]により下位互換性は存在しないため、旧来のSDメモリーカードのみに対応した機器はSDHCメモリーカードを扱うことはできない。ただし、物理的な寸法と電気的な仕様は互換性があるため、SDHC規格よりも前に発売されているデジタルカメラ、メモリーカードリーダーパソコンの一部はファームウェアやドライバのアップデートによってSDメモリーカードの上限の2 GiBを超える容量の認識、利用が可能になっている。同様に、SDメモリーカードにしか対応していないノートパソコンでもWindows XP SP3へアップデート、ホットフィックスの適用、またはそれ以降のOSへアップグレードすることで内蔵のSDカードスロットが2 GiB以上の容量を認識可能となる場合がある。


SDXC

SDXC (SD eXtended Capacity) は2009年(平成21年)のSD 3.00で規定された。ファイルシステムにexFATを採用し最大容量は2 TiBとなった[11]

物理的な寸法は旧来のSDメモリーカード規格と同一で、上位互換性を保持しており、SDXC対応機器でSD / SDHCメモリーカードを扱うことができる。SDXCではSDXCとmicroSDXCの2種類の形状になる。miniSDXCの規格自体は仕様書に存在しているが、マーケティング上現実的でないという理由から省かれている。

旧来のSDHC対応機器でSDXCメモリーカードをFAT32でフォーマットし使用することも可能である。ただし、Windows標準のフォーマッタを使用した場合、実装上の問題から64 GiB以上のSDXCメモリーカードであっても利用できる上限容量は32 GiBとなる(サードパーティー製のフォーマッタを使用することで、1ファイルあたりの容量は4 GiBまでに制約されるものの回避可能である)。

FAT32とexFATの違いを理解しないでexFATファイルシステムのままのSDXCカードをSDXC規格非対応製品に挿入することは危険で、メーカー側も使用を推奨しておらず[13]、あくまでも自己責任的な使用になる。実際、SDXC規格非対応の携帯電話スマートフォンにmicroSDXCカードを挿入した結果、microSDXCカードが使用不能になる事態が相次いで報告されている。物理的な破損ではないため、SDXC規格対応製品でフォーマットし直せばカード自体は回復するが、それまでにカードに保存されていたデータは消滅する。

2012年6月NTTドコモがそれに関する通知[14]を発表し、その現象を回避するソフトウェアアップデートの配布を行なっている。なお、ソフトウェアアップデート後も、非対応機種では引き続き使用できない。

なお、2022年令和4年)10月現在のところ、exFATを扱えるのはMicrosoft Windows XP SP2以降(更新プログラム (KB955704) 適用)、Microsoft Windows Vista SP1以降、Microsoft Windows 7Microsoft Windows 8Microsoft Windows 8.1Microsoft Windows 10Microsoft Windows 11の各種Windows OS、またはWindows CE 6.0、Mac OS X v10.6.4以降に限られ、パソコンやモバイル環境によっては利用できない。2009年(平成21年)1月現在、Linux系などのサポートに関しては、マイクロソフトからの発表はない。CES 2009 News release DS AssosiationにもSDXCメモリーカードに関する概説のみが発表されており、サポートOS、周辺機器などに関する記述はない。

なお、Linuxについては、FUSEを利用した実装が存在[15]し、Ubuntuなどのディストリビューションの最新版で利用できる。

AppleMac製品には2010年(平成22年)新発売から、従来はなかったSDカードスロットが内蔵されはじめ、SDXCにソフトに対応、iMac (Mid 2010) 以降のモデルにはハードも対応。また接続は内部USBではなく、PCI Express 1レーン接続になっている。

SDXCメモリーカードの規格上の最大容量は2 TiB (2048 GiB) で、転送速度はロードマップ上にて将来的に最大300 MB/sの高速な転送を可能にするとしている。また、SDHCとEmbedded SD、SDIOにも転送速度高速化の規格と技術が採用される予定である。

2009年の時点では製品化の目処が立っていたのは最大256 GiBまでであり、それ以上の容量は技術革新が必要な状態となっていた[16]が、2020年時点ではSDXC・microSDXCとも最大1 TiBまでの大容量カードが発売されており、転送速度は製品にて最大160 MB/s実装可能となっている。

SDUC

SDUC (SD Ultra Capacity) は、最大容量128 TiB[11]に対応する規格として2018年のSD 7.00で規定された。ファイルシステムはSDXCメモリーカードに引き続きexFATを採用している。従来のSDメモリーカードとの後方互換性を有する[4]

最大転送速度(バスインターフェーススピード)

XX倍速表記の例
速度表記 転送速度
60倍速 9 MB/s
70倍速 10.65 MB/s
80倍速 12 MB/s
133倍速 20 MB/s
150倍速 22.5 MB/s

通信速度に関する規格であり、いわゆる理論最大値である。

なお、一部の製品にみられる「XX倍速」という表記はSDアソシエーションの規格によるものではない。一般には、コンパクトディスクの転送速度である150 KB/sを「1倍速」として転送速度を表記している。

DS(デフォルトスピード)

2000年のSD 1.01で規定された当初のモード。後述のHSの登場に伴って名称がつけられた。ノーマルスピードとも呼ばれる。最大転送速度は12.5 MB/sで、対応メモリーカードにモードを示す表記はない[17]

HS(ハイスピード)

2004年のSD 1.10で規定されたモード。バススピードは25 MB/sで、モードを示す表記は規定されていないが製品によって「Hi-Speed」等の表記がなされた[17]

UHS-I

UHS-I対応SDメモリーカード

2010年のSD 3.01で規定されたモードで、UHSはUltra High Speedの略。SDR12、SDR25、SDR50、DDR50、SDR104の4つのスピード区分があり、最大転送速度はそれぞれ12.5 MB/s、25 MB/s、50 MB/s、50 MB/s、104 MB/sとなる。規格上はUHS50カードとUHS104カードが規定され、UHS50カードはSDR104をサポートしないため最大転送速度は50 MB/s、UHS104は全てをサポートし104 MB/s。UHS-Iに対応するカードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「I」と印字される[18][17]

UHS-II

UHS-I(左)とUHS-II(右)対応SDメモリーカードの接点部の比較

2011年のSD 4.00で規定されたモード。常に双方向通信を行うFD(Full Duplex)モードとデータ送受信時は片方向通信を行うHD(Half Duplex)モードがあり、最大転送速度はそれぞれ156 MB/sと312 MB/s。対応カードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「II」と表記される。対応カードのピン数は増加しているが後方互換性は確保されており、従来の機器と組み合わせた場合は遅い側のモードに合わせて動作する。[18][17]

UHS-III

2017年のSD 6.00で規定されたモード。HDモードが削除されFDモードのみとなり、最大転送速度は624 MB/s。UHS-II同様、下位互換性を備えるためピンは2段に配置され、従来同様の転送も可能。対応カードにはSDメモリーカードロゴマークの右横下に「III」と表記される。[17][19]

SD Express

2018年のSD 7.00で規定されたモード。PCIe 3.0とNVMe 1.3を採用し、PCIe 3.0 x1レーンで最大転送速度985 MB/sを実現した[17][20]

2020年のSD 8.00でPCIe 4.0およびNVMe 1.4に対応し、新たにPCIe 3.0 x2レーンまたはPCIe 4.0 x1レーンによる最大転送速度1970 MB/s、PCIe 4.0 x2レーンによる3940 MB/sに対応した[17]

PCIe 3.0 x1レーンまたはPCIe 4.0 x1レーンによる転送はUHS-II / IIIと同形状のメモリーカードで対応するが、PCIe 3.0 x2レーンおよびPCIe 4.0 x2レーンによる転送はさらにピン数を増やした新形状のカードでのみ可能である。またピンアサインの関係でUHS-II / IIIとSD Expressは排他であり、SD Express対応カードをUHS-II / III対応機器に挿入するとUHS-Iとして動作するため大幅に転送速度が低下する[17][21]

スピードクラス

スピードクラス

2006年のSD 2.00において、SDHCカードの規格策定と同時にデータ転送速度の目安としてスピードクラスも策定された。統一された基準を元にこのスピードクラスのロゴを明示することで、消費者がその用途にあったスピードクラスのカードを選択可能にするとしている。SDカードではオプション扱いだが、SDHCカードではスピードクラスの規格に準拠することが義務付けられている。SD 2.00では2、4、6の3種だったがSD 3.00で10が追加された。各スピードクラスに準拠した製品は、Cの中に各クラスに対応した数字が書かれたロゴマークを表示することができる[22]

定められた単位の未使用領域(=汚れ率0 %のAU)に定められた記録方法で書き込みを行ったとき、カードごとの最低保証レートは以下のようになる。

スピードクラス 最低保証速度
Class 2 2 MB/s
Class 4 4 MB/s
Class 6 6 MB/s
Class 10 10 MB/s[23]

※ Class 10は後で規格化されたため、HighSpeedモードをサポートしていないハードウェアでは最低速度が保証されない。

UHSスピードクラス

UHSスピードクラスは2010年のSD 3.01で規定されたもので、当初はU1のみだったが2011年のSD 4.00でU3が追加された。準拠する製品はUの中に対応する数字が書かれたロゴマークを表示することができる。

UHSスピードクラス 最低保証速度
UHSスピードクラス1 10 MB/s (80 Mbps)
UHSスピードクラス3 30 MB/s (240 Mbps)

ビデオスピードクラス

ビデオスピードクラスは2016年のSD 5.00で規定されたもので、V6, 10はHSおよびUHS-I / II / III対応カード、V30はUHS-I / II / III対応カード、V60, 90はUHS-II / III対応カードで実装可能である。

ビデオスピードクラス 最低保証速度
ビデオスピードクラス6 6 MB/s
ビデオスピードクラス10 10 MB/s
ビデオスピードクラス30 30 MB/s
ビデオスピードクラス60 60 MB/s
ビデオスピードクラス90 90 MB/s

注釈

  1. ^ a b SDへの変換アタプターを利用する場合は、アタプターに誤消去防止スイッチがあるため、それを利用することができる。
  2. ^ 製品によっては耐久性の向上等を目的として突起を無くしたものもある(SONY製TOUGHシリーズなど)。
  3. ^ 規格上はFAT12およびFAT16が規定されている。FAT12の場合最大容量は32 MiBとなる。

出典

  1. ^ a b c d e f 阪本久男「SDカード標準化の歩み」『映像情報メディア学会誌』第65巻第2号、映像情報メディア学会、2011年、 doi:10.3169/itej.65.157
  2. ^ 「1 General description」『SD Specifications Part 1 Physical Layer Simplified Specification Ver1.10』 SD Group、2003年4月
  3. ^ BCNランキング SD連合がシェア65 %で圧勝、メモリーカード規格対決、買い得なのは?”. 2019年1月11日閲覧。
  4. ^ a b SD EXPRESS – A REVOLUTIONARY INNOVATION FOR SD MEMORY CARDS (PDF)”. SD Association (2018年6月27日). 2018年6月28日閲覧。
  5. ^ a b c microSDがついにSDを逆転、携帯電話が握るメモリカード売れ筋の行方 BCNランキング 2007年7月26日
  6. ^ バッファロー社製のUSBメモリを分解したら、中からMicro SD!?”. ガジェット通信. 2020年10月24日閲覧。
  7. ^ SD規格の概要 - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  8. ^ SDメモリーカードのロックスイッチを排除することで誤動作を防止!人気の“Sシリーズ”に「ロックスイッチ無し」モデルを新発売”. ハギワラソリューションズ (2018年8月9日). 2020年5月12日閲覧。
  9. ^ a b ■SDメモリーカードの各種フォーマット(SD Memory Card Information)”. 2003年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月3日閲覧。
  10. ^ 通常SDSCと記載することはない
  11. ^ a b c d SDA 2020, p. 6.
  12. ^ 英語版を参照
  13. ^ Panasonic-SDXCメモリーカードの注意事項
  14. ^ microSDXCカードご利用時のご注意について
  15. ^ 末岡洋子 (2013年1月22日). “FUSEベースのMicrosoft「exFAT」実装、「fuse-exfat 1.0」がリリース”. OSDN Magazine. 2017年10月8日閲覧。
  16. ^ 最大2Tバイトの「SDXC」、登場はいつ?(2/2) +D PC USER (ITmedia) 2009年10月8日
  17. ^ a b c d e f g h バスインターフェーススピード - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  18. ^ a b “SD Specifications Version 4.10” (PDF), 3.10.5 - Summary of Bus Speed Mode for UHS-II Card, SD Card Association, オリジナルの2013-12-02時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20131202232415/https://www.sdcard.org/downloads/pls/simplified_specs/part1_410.pdf 2013年9月24日閲覧。 .
  19. ^ Totsu, Hirotaka. “最大624MB/秒の最速SDカード規格UHS−III策定。CFast 2.0やXQD 2.0に匹敵、速すぎてまだ製品化不能 - Engadget Japanese” (日本語). Engadget JP. 2017年3月7日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年3月13日閲覧。
  20. ^ SD Express Cards with PCIe and NVMe Interfaces (PDF)”. SD Association (2018年6月27日). 2018年6月28日閲覧。
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  22. ^ スピードクラス - SD Association”. 2020年7月29日閲覧。
  23. ^ Panasonic Launches SDHC Memory Cards with Class 10 Speed Specification Panasonic UK 2009年5月21日
  24. ^ 無線LAN microSDIOカード(au携帯電話 Wi-Fi WIN対応機種専用)
  25. ^ Embedded SD Standard - SD Accociation
  26. ^ 「42都道府県警が採用」なぜ警察は“改ざん”できる捜査SDカードを使い続けるのか?”. 文春オンライン. 2022年12月18日閲覧。
  27. ^ 例えばキオクシア改ざん防止機能付きSDメモリカード。2022年12月18日閲覧。
  28. ^ カメラオプションとしてキヤノンも用意している(カタログ)。2022年12月18日閲覧。
  29. ^ 主役はminiSDへ、携帯電話需要を追い風にシェア7割に迫るSD系メモリカード BCNランキング 2006年7月5日
  30. ^ microSDが4割突破のメモリカード、容量はGBクラスがあたりまえの時代に BCNランキング 2008年2月22日


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