通訳 通訳のプロセス

通訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 08:39 UTC 版)

通訳のプロセス

通訳は起点言語(原語 the source language:SL)を音韻的に認知・受容 (audition) し、さらに語彙と文法による表層構造の理解(記号の解読 decoding)および世界知識・背景知識・場の知識によって内包や外延をふくむ発言内容の深層構造の理解 (comprehension) に達し、その理解にもとづいて目標言語(訳出語 the target language:TL)へ転換(再記号化 encoding)し、最終的な音韻表現として表出する (re-formulate) 行為である。

[要出典]訳出する際には起点言語と目標言語とにおける、話者が伝えようとする内容に対しての忠実性(fidelity)・聞き手が得る内容に対しての等価性 (equivalence) を重視すると共に、文化的な差異なども考慮に入れねばならない。これはたとえば、長さをメートルからフィートに換算することも含まれる。

通訳者育成

一部の国ではオーストラリアのNAATI(国家翻訳・通訳認定局)など、資格が整備されている。

日本における通訳者育成

日本の国語審議会は2000年末に、通訳・翻訳の重要性を指摘し、次のように提案した。「通訳は、高い母国語能力と外国語能力、言葉の文化的背景を含む幅広い教養など高度な能力を要する専門職である。今後は教育を充実し、国際化に対応するための日本の人的資源として、高度に訓練された職業通訳者及び高い見識を有する通訳理論の研究者を養成することが望まれる」
通訳に関する公的資格は無いが、プロとしての技能を身につけるには通訳スクールに行くことが通例である。受講に必要な語学レベルは、通訳訓練を行うための語学力を高める基礎コースであっても非常に高く、英語の場合TOEICで最低900点程度は必要とされる。しかし、通訳に必要な語学力はTOEICで測れるものではないため、資格に関係なく入塾テストが課せられる。また、最近では大学院などで通訳を理論面、実践面から学ぶコースが開講されている。しかし実際には大学院の授業だけで通訳者に必要な能力を身に付けるのは難しく、やはり大学院に通いながら民間の通訳スクールに通うのが一般的である。

関連団体

日本会議通訳者協会(JACI
Japan Association of Conference Interpreters)
JACIは通訳者の技能向上、通訳者の社会的地位向上、情報交換等を目的として2015年に設立された日本最大の通訳者団体である。業界最大規模を誇る日本通訳フォーラムと、世界唯一の日本語・英語の同時通訳グランプリを毎年開催。認定会員は厳しい認定基準を満たした業界トップクラスの会議通訳者である(試験はなく、実績と推薦者の保証で評価される)。
国際会議通訳者連盟(AIIC
International Association of Conference Interpreters)
AIICは会議通訳者を代表する連盟である。1953年に設立され、会議通訳者を代表し、職業上の倫理規定を定め、メンバーが守るべき基準を定めている。本部はジュネーブにある。加入をするのに試験などを受ける必要はないが、通訳者としての活動時間とスポンサーシップ(既存の会員が、加入希望者の実力等を保証すること)が求められる。

注釈

  1. ^ フランス語表記Association Internationale des Interprètes de Conférence、英語表記International Association of Conference Interpreters 
  2. ^ The American Association of Language Specialists

出典

  1. ^ The Origins of Simultaneous Interpretation: The Nuremberg Trial”. books.google.com. 2024年3月14日閲覧。
  2. ^ Interpretation Equipment”. eventtechnology.org. 2024年3月14日閲覧。
  3. ^ The History of Simultaneous Interpretation”. translationexcellence.com. 2024年3月14日閲覧。
  4. ^ Simultaneous Interpretation Blog”. www.infinitytranslations.com. 2024年3月14日閲覧。
  5. ^ Simultaneous interpretation and its history”. lingoservice.com. 2024年3月14日閲覧。
  6. ^ Yvonne Kapp, Time Will Tell, 2003”. d-meeus.be. 2024年3月14日閲覧。
  7. ^ The Origins of Simultaneous Interpretation Equipment”. www.unitedtranslations.com. 2024年3月14日閲覧。
  8. ^ The Fascinating History of Simultaneous Interpretation”. nilservices.com. 2024年3月14日閲覧。
  9. ^ Translators Through History”. books.google.com. 2024年3月14日閲覧。
  10. ^ Introducing Interpreting Studies”. books.google.com. 2024年3月14日閲覧。
  11. ^ Translators Through History”. books.google.com. 2024年3月14日閲覧。
  12. ^ [1]
  13. ^ [2]






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