ブラーフミー系文字
インド系文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 06:13 UTC 版)
インドの文字が有する著しい特徴は、配列と編成の仕方にある。文字をランダムな順序で並べるラテン語アルファベットとは異なり、インドの字母は、音声学的な原理に従って編成されている。(硬口蓋音は実際には破裂音ではなく破擦音) 無声破裂音 有声破裂音 鼻音 無気音 帯気音 無気音 帯気音 軟口蓋音 k kh g gh ṅ /ŋ/ 硬口蓋音 c ch j jh ñ /ɲ/ そり舌音 ṭ ṭh ḍ ḍh ṇ 歯音 t th d dh n 両唇音 p ph b bh m わたり音と接近音 y r l v 摩擦音 ś ṣ s h この音韻分類は、目下問題としているすべての言語で守られている。更に、それぞれの言語は、当該言語に固有な音を示すための幾つかの特別な文字を有している。同様に、各言語は、複合音を表す幾つかのシンボルを有している。 母音の一覧は、子音とは別に規定され、以下のように配列される: a, ā, i, ī, u, ū, r̥ , r̥̄, l̥ , l̥̄, e, ai, o, au, aṃ, aḥ このうち、r̥ 以下の4文字は、サンスクリットにのみ表れ、母音化(音節主音化)した r/l を表す。 この一覧では、同じ母音の短母音と長母音が対になって表示されている( a と ā、i と ī など)。最初の「 a 」は、英語の bus の「u」のような音(/ə/)である。日本語の音韻表である五十音で、「あいうえお」という順番になっているのは、このサンスクリットの順序に基づいている。「 aḥ 」はサンスクリットの単語に固有で、苦痛や災難を意味する、duḥkhaḥ の場合のように、音節末に現れる。 これらの文字はサンスクリットの音韻体系にもとづいて決められたため、現代のインドの言語では、音声とつづりの差が大きくなっている。東インドの言語であるベンガル語、オリヤー語、アッサム語では短母音「 a 」がほとんど「 o 」のように発音されている。母音の長短を区別しない言語や、母音が5種類より多い言語も多い。多くの言語では ś と ṣ を区別しない。
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