NPBへの移籍選手人数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 08:54 UTC 版)
「四国アイランドリーグplus」の記事における「NPBへの移籍選手人数」の解説
発足当時、NPBへの人材供給をリーグの目的としたことから、この点には大きな関心が寄せられたが、初年度のドラフト指名は育成選手2人だった。以後、2021年までの17年間で、育成選手を含めて延べ63人(実数62人)がNPBのドラフトで指名を受けており、年平均では3.7人となる。ポジション別内訳(以下実数)は、投手が33人(うち支配下枠15人)、捕手が10人(同3人)、それ以外の野手が19人(同4人)である。また、2020年までの支配下枠指名者22人のうち一軍公式戦出場者は19人、同じく育成指名38人のうち支配下登録を受けたのは19人(うち一軍公式戦出場者17人)となっている(いずれも2021年シーズン終了時点)。 リーグ初年度終了の頃には、指名が少ない理由の1つとして「アイランドリーグ選手の実力がどの程度か分からない」といった声があげられていた。そのため、2005年11月に行ったサーパス神戸(オリックス・バファローズ (ファーム))との練習試合を皮切りに、2006年以降もNPB2軍チームとの交流戦を頻繁に行い、NPB関係者へのアピールの場としている。2007年からは、10月に開催される教育リーグのみやざきフェニックス・リーグにアイランドリーグ選抜チームが参加している(2021年度は見送り)。過去最高順位は2008年の7勝4敗1分、14チーム中3位。 2006年からの4年間、NPBで支配下登録された出身選手から一軍定着者が現れず、後発のBCリーグ(内村賢介が2008年に一軍に定着)の後塵を拝した。その後、2010年8月に登録された福田岳洋が初めて一軍登録抹消を経験せずにシーズンを終了した。2011年は三輪正義が開幕から主に代走として終盤まで54試合に出場、角中勝也が8月から閉幕までに主に右投手の試合でスタメン起用され(シーズン通算では51試合に出場)、野手でも一軍である程度の試合数をこなせる選手が出た。投手では金無英が8月以降に中継ぎとして9試合に登板した。2012年には角中が、国内の独立リーグ出身者として初のオールスターゲーム出場とタイトル(首位打者)獲得を実現した(規定打席到達も独立リーグ出身者として初)。翌2013年には、角中は第3回ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表に選出された。リーグ在籍者で過去最高となるドラフト2位指名を受けて2014年に中日入りした又吉克樹は、入団1年目に9勝1敗2セーブ24ホールドの成績をあげた。この又吉の成績について、鍵山誠CEO(当時)は2014年12月の文章で「リーグから育った選手が即戦力として使える。これを証明してくれたことは、今後のリーグにとって大きなプラス材料」と記している。2016年には角中が最多安打と2度目の首位打者を獲得し、日本の独立リーグ出身者では「トップランナーの選手」と評された。このほか、亀澤恭平は中日移籍後の2015年シーズンに主に二塁手として107試合に出場している。三輪正義は2016年で実働8年を数え、出場試合数は少ないながら「スーパーサブ」とも評された。三輪は2019年シーズン限りで(戦力外ではない形で)現役を引退し、球団によるセレモニーも実施された。 IBLJ取締役の荒井健司は2015年に雑誌の取材において、リーグに所属する約100人の選手のうちNPB球団から調査書が届くのが15%、指名を受けるのが4.5%、その年は無理でも次の年に調査書が届く可能性があるのが15%で、NPBに注目されるのは上位30%であると述べている。2010年代半ばまでは、NPBに選手を輩出している点を評価して他の独立リーグから移籍する選手も見られ、寺田哲也(BCリーグ新潟→香川)・福永春吾(BFL06→徳島)はNPB入団を実現させている。2016年に福永を阪神が指名したことで、リーグ発足以来存在するNPB12球団すべてからドラフト指名がなされたことになった。 2017年のドラフト会議では、指名者総数・支配下枠指名者数のいずれにおいてもBCリーグを下回った。香川は2006年以来続いた指名が途切れ、監督の西田真二は「BCリーグのチームも増えて選手の確保が年々難しくなってきている」と述べて、他の独立リーグチームとの間で選手獲得が競争状態になっていることを示した。 2018年のドラフト会議では、指名者が育成1人のみとリーグ発足以来最少となった。7年連続して指名のない愛媛と高知には、NPB球団からの調査書も届かなかったという。リーグ理事長の坂口裕昭は、10月31日に開かれたレセプション「四国アイランドリーグplusAWARD2018」での挨拶においてこの結果を「私自身はもどかしさと悔しさでいっぱい」と述べ、原因は「いくつか明確な点がある」として来シーズンまでに「公式戦のスケジュール、練習試合を含めた試合の組み方、選手契約のあり方、フロントを含めた指導体制のあり方、野球の技術以外の人間教育を含め、育成の根本部分を見直し、改革を推し進める」と宣言した。「原因」に関して坂口は取材に対し、北米遠征を取り止めて以降の公式戦中断期間の使い方をその一つに挙げている。前年に続き6人の指名者を出したBCリーグに対しては、「同じ独立リーグからこれだけ指名されたことを喜ばしい」としながらも、「数で勝負しようとは思っていません」「質で勝負しようと思っていますし、メソッドをリーグで共有化することが大事」と述べている。2020年のドラフト会議では3人の指名(うち支配下枠2人)を得た(BCリーグは5人だが支配下枠はなし)。この結果についてIBLJ社長の馬郡健は「一定の成果は出せたと考えている。これは来季に向けたリクルートにもつながり、良い選手が集まる循環のきっかけになるはずだ。」と述べている。 2020年代には増田大輝(徳島→巨人)のように育成指名から一軍で活躍する選手も出現しており、これに関して広尾晃は、育成指名ができない社会人選手との兼ね合いや「(高年齢や故障歴などの)事情を持った選手」が多い点から、独立リーグ選手が育成指名に偏るのは避けられないとしながら、決して評価が低いわけではない(育成の中では高順位)と指摘している。
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