日本の独立リーグ
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日本では国民野球連盟(1947年 - 1948年)とグローバルリーグ(1969年。日本以外の国も参加)以降、独立リーグは存在しなかった。しかし、2004年に起こったプロ野球再編問題の影響で、全国各地に独立したプロ野球のリーグ構想が持ち上がり、紆余曲折を経て2022年度は7つのリーグが活動している。 国民野球連盟は、日本野球連盟(現:日本野球機構、NPB)と対等のリーグを目指し、挫折したが2004年以降に設立された独立リーグは、地域密着を図ると共に、NPBを目指す選手の受け皿として選手育成を前面に打ち出している。 しかし独立リーグの立ち上げは容易ではなく、構想は発表されたものの、金銭的な問題(スポンサーがつかない、予想以上に経費がかかるなど)や人材的な問題(審判やスタッフが不足、ひいては選手自体が集まらないなど)から構想が頓挫したり、プロ形態を断念したものが複数ある。開幕に漕ぎ付けても運営資金の確保が課題となることも多く、特に関西独立リーグ(KANDOK)は最初のシーズン途中での運営会社の撤退、シーズン終了後にチームの脱退・新リーグへの分裂などの事態に陥った。また、KANDOKから分裂する形で発足したジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)も、大阪球団の経営難等を理由に1年で休止した。四国アイランドリーグplusやベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)は、多様なスポンサーの確保や地域のバックアップを得ることで運営の安定化に努めてきた。 2009年11月18日には、KANDOK、BCリーグ、四国・九州アイランドリーグ、JFBLの4リーグ代表者が東京に集まり、独立リーグ統一を目指した話し合い・意見交換(選手年俸、運営ルール等)を行った。この統一が実現すると、来季1地域2リーグとなる関西地域での球場確保等の問題が解消されると期待された。2010年4月1日に、4リーグの間で任意団体の独立リーグ連絡協議会(JIBLA)が設立された。2012年3月、アイランドリーグおよびBCリーグはNPBとの間で育成選手の派遣受け入れに合意したが、このときの発表でJIBLAはこの両リーグによる任意団体となっており、KANDOKはすでに脱退していることがあきらかになった。加盟チームの参入と活動休止や脱退を繰り返したKANDOKは、2013年のシーズン終了後に分裂する形で全3球団が脱退したため事実上活動を停止した。脱退したうち2球団は新たにBASEBALL FIRST LEAGUE(ベースボール・ファースト・リーグ)を結成し、2014年4月に開幕した。BASEBALL FIRST LEAGUEは2018年12月4日にリーグ名を改め、関西独立リーグ(さわかみ関西独立リーグ)となった。 2014年9月1日、アイランドリーグとBCリーグは新たに一般社団法人として日本独立リーグ野球機構(IPBL Japan)を発足させた。2020年3月6日には、いずれのリーグにも属さない独立球団・琉球ブルーオーシャンズが賛助会員として加盟した。 2010年代半ばからNPB球団に戦力外通告を受けた選手が独立リーグに再起を懸けるパターンが一般化したが、若松駿太は「本当にチャンスがあるとすれば、戦力外になった翌年だけだと思います。NPBから離れた時間が長いほど、難しくなるのは間違いないです」と私見を述べている。かく言う若松も結果的には独立リーグに定着するに至っている。また、独立リーグへ参戦したNPB経験者の人数に対するNPB復帰の事例はほんの一握り程度である。 2020年には、「選手がホームタウンでの就労により収入を得る」「監督は置かない」といった既存リーグとは異なるコンセプトを持つ北海道ベースボールリーグがリーグ戦を開始した。 2021年には九州アジアリーグが日本独立リーグ野球機構に加盟する3番目のリーグとして発足した。また2021年9月1日には、ベースボール・チャレンジ・リーグのうち西地区に所属する4球団が、2022年よりリーグを離脱して新リーグを結成することが発表され、9月16日には名称が日本海オセアンリーグとなることが明らかにされた。さらに10月6日には、北海道ベースボールを構成していた3球団が2021年シーズンで脱退の上、新リーグ(後日北海道フロンティアリーグに名称決定)を結成することを表明した。 広義では日本アカデミーリーグ、美ら島リーグ、九州リーグ、中四国クラブ野球リーグ、クラブ野球リーグ埼玉など、社会人野球クラブチームによるリーグも含まれる。これらの多くもNPB及び日本野球連盟(JABA)から独立した運営となっている(ただし、各クラブごとでJABAに加盟している場合もあり、中四国クラブ野球リーグはJABAからバックアップを受けている)。
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