D1桁シリーズ
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「ニコンのデジタル一眼レフカメラ製品一覧」の記事における「D1桁シリーズ」の解説
D1桁シリーズはカメラマン、報道、デザイン事務所などのプロ用途向けモデルである。 フラッグシップであるD1桁シリーズは仙台ニコンで製造される「Made in Japan」であったが、2021年にタイ工場への生産移管を表明した。 D1(1999年9月29日発売、DXフォーマット) - キヤノンのデジタル一眼レフカメラEOS D2000が198万円、EOS D6000が360万円という非常に高価な機材であったのに対し、65万円という当時としては極めて低価格で販売されたことで、プロを中心としたデジタル一眼レフカメラ普及の基礎を作った。搭載CCD自体は10.8メガピクセルを備えていたが、感度や画質や速度を優先し4画素を1画素として出力していたため有効画素数は2.6メガピクセルと低くなっていた。しかし新聞に掲載するには必要十分な解像度だったこと、ISO1600という高感度撮影が可能だったことから報道機関を中心に普及した。カメラボディはニコンF100・ニコンF5をベースに作られたため、比較的堅牢性が高い。 D1X(2001年5月31日発売、DXフォーマット) - 有効画素数5.3メガピクセルでありながら、RAWのデフォルトサイズを6メガピクセルか10メガピクセルに選択できる。10.8メガピクセルCCDを備え、縦の2画素を1画素として扱っている。2.0型液晶モニタ。 D1H(2001年7月25日発売、DXフォーマット) - D1Xの連写性能を向上したモデルで5コマ/秒、最大40コマの連続撮影、最高1/16,000秒のシャッタースピード、1/500秒のシンクロスピードを実現した。有効画素数は2.7メガピクセルで電子シャッターと機械式シャッターを併用。 D2H(2003年11月29日発売、DXフォーマット) - ニコンが開発したJFET式センサ「LBCAST」を採用し、37msのレリーズタイムラグ、8コマ/秒、最大40コマの連続撮影が可能となっている。有効画素数は4.1メガピクセル。2.5型液晶モニタ。オートフォーカスセンサーも11点に増え、より激しい動きの被写体にも対応できるようになった。この機種よりデジタル一眼レフカメラを主体としたボディワークを利用するようになった。後に発売されたニコンF6はD2Hのボディーワークの一部デザインのほか、オートフォーカスセンサーなどを流用している。ボディ構造材にマグネシウム合金を採用。電源はリチウムイオン二次電池。ディスプレイを中心として左右にボタンを配したシンメトリーデザインで操作性に寄与。 D2X(2005年2月25日発売、DXフォーマット) - 新画像処理システムで色再現力と階調性を徹底的に追求したモデル。センサーは12.4メガピクセルのCMOSを採用。センサの中央部6.8メガピクセルだけを使うことで、ニコンD2H並の秒間8コマの連写ができるクロップ高速の機能を備える。 D2Hs(2005年3月25日発売、DXフォーマット) - D2Xの発売に伴い、D2Hの細かなボタン位置などをD2Xと共通化したマイナーチェンジモデル。 D2Xs(2006年6月29日発売、DXフォーマット) - D2Xにより大容量のバッテリーや高視野角液晶モニターを採用し、クロップ高速時のファインダー表示などを改良したマイナーチェンジモデル。2007年8月アメリカ航空宇宙局によりスペースシャトルでの記録撮影用カメラとして採用された。ニコンはレンズ、スピードライトと共にボディー76台を受注した。実際に宇宙で使用されるものは潤滑剤がアメリカ航空宇宙局指定のものに変更される以外は市販品と同じである。 D3(2007年11月30日発売、FXフォーマット) - D2Xsの後継機。これまでDシリーズが採用して来た「DXフォーマット」でなく「FXフォーマット」と呼ばれる12.1メガピクセル24×36mmCMOSを採用。クロップモードを搭載しFXフォーマット以外に5:4フォーマットやDXフォーマットでの撮影も可能。また従来機では対象ユーザー層に合わせて機種ごとで画像生成設定を変えていたため異なる機種を併有したり新機種に買い換え場合に発色傾向をそろえることができず不便というユーザーの声に応え、色彩統一システム「ピクチャーコントロールシステム」を初採用。設定はスタンダード、ビビッド、ニュートラル、モノクロームの4設定が用意され、ピクチャーコントロールシステム搭載機では機種が異なっても同じ設定をセットすればまったく同じ発色傾向が得られるようになった。画像処理コンセプト「EXPEED」も初採用。また、ニコンのデジタル一眼レフカメラの1桁機としては初めてライブビュー機能を実装した。 D3X(2008年12月19日発売、FXフォーマット) - ニコンD3と共通のボディに,24.5メガピクセルのFXフォーマットCMOSを採用。常用感度はD3のISO200〜6400相当に対して、よりスタジオ撮影に重点を置いた本機はISO100〜1600相当となっている。 D3S(2009年11月27日発売、FXフォーマット) - 有効画素数が12.1メガピクセルのFXフォーマットCMOS。感度ISO200〜12800相当まで拡大。「Dムービー」と呼ばれる動画撮影機能を搭載。カメラ内で完結できる、動画からの静止画の切り出しが可能。2009年12月、ニコンはアメリカ航空宇宙局からスペースシャトルでの記録撮影用カメラに11台を交換レンズ「AF-Sニッコール14-24mmF2.8G ED」とともに受注した。D一桁シリーズの中ではD3Sで初めて超音波によるイメージセンサーのホコリを落とす機能が追加された。 D4(2012年3月15日発売、FXフォーマット)‐ 有効画素数が16.2メガピクセルのFXフォーマットCMOS。画像処理エンジンは「EXPEED3」を採用。常用感度は100~12800、増減感領域を含めると50~204800まで対応。測光システムでは91000分割RGBセンサーを搭載し、光学ファインダー撮影時での顔認識も可能。フォーカスポイントはD3同様51点だが、11点はf/8対応である。約40万回のレリーズテストをクリアする高い耐久性を有する。有線LANコネクタを搭載し、ワークフローの効率化が図られた。 D4S(2014年3月6日発売、FXフォーマット)- - D4のブラッシュアップモデル。2014年1月7日に開発発表。有効画素数は16.2メガピクセルとD4と同等ながら、新センサーとなり画像処理エンジンは「EXPEED4」を採用。常用感度は100〜25600、増減感により50〜409600までの対応となった。AF性能などの機能向上が図られた。 D5(2016年3月26日発売、FXフォーマット)- 有効画素数が20.8メガピクセルのFXフォーマットCMOS。常用感度はISO100~102400。拡張感度は最低側がISO50相当、最高がISO3280000相当。画像処理エンジンは、新しいノイズ低減機能を搭載した「EXPEED5」を搭載。AF測距点は153点へと増加し、さらにその配置エリア全体の面積が、D4Sより130%以上と広くなっている。プロ機としては珍しく、背面モニターにタッチパネルを採用した。 D6(2020年6月5日発売、FXフォーマット)- 有効画素数が20.8メガピクセルのFXフォーマットCMOS。常用感度はISO100~102400。拡張感度は最低側がISO50相当、最高がISO3280000相当。画像処理エンジンは「EXPEED6」を搭載。新開発AF専用エンジンを搭載。AF測距点は105点ですべてがクロスセンサー。-4.5EVの低輝度にもAFが可能になった。記録メディアがCFexpress(TypeB)に対応。Bluetooth、GPS(みちびき対応)を内蔵。
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