測光システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:33 UTC 版)
天体の明るさを測定することを測光と呼ぶ。測光システム (photometric system) は、測光する波長帯やフィルタの透過特性、相対的な明るさの目安となる測光標準星などが定義されたものである。20世紀半ば以降は、1953年にジョンソンとモーガンが提唱した、U(波長360 nm付近)、B(波長440 nm付近)、V(波長550 nm付近)の3つの波長によるジョンソンのUBVシステムをベースに、これをカズンズが赤~近赤外線に拡張したRCIC (単にR、Iとも呼ばれる) 、さらに長波長側にJ、K、L、M、Nの5つの波長を拡張したものが標準的に利用されている。標準化された測光システムを用いることで、天体の明るさの比較だけでなく、同じ天体の異なる波長帯での明るさを比較することができる。異なる波長帯で測光された等級の差は、色指数と呼ばれ、その天体の表面温度等の特徴を示す。 測光は、観測値の天候や気候といった外的要因だけでなく、検出器の違いや、ガラスの透過率、鏡の反射率など機材の特性からも影響を受けるため、単に標準測光システムと同じフィルタを用いても同じ結果は出ない。そのため、最初の測光標準星が色補正なしで再現できる理想的な透過特性が考案されており、それに合わせてフィルタが製作されている。
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測光システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/19 21:49 UTC 版)
天体、特に恒星の光は、近似的に黒体放射として見ることができ、その光のピーク波長は可視域にあるため、適当なフィルターで分けてその波長帯ごとに取り出した明るさを比べると、恒星の表面温度を正確に知ることができる。RCA製の光電子増倍管1P21と色ガラスフィルターで3色に分けた標準UBVシステムが米国のジョンソンとモーガンにより最初に標準測光システムとして確立され、恒星の高精度な分類に利用された。特に星団の光電測光により得られた色等級図は、恒星の進化の研究に大変貢献した。その後、ストレームグレンによるuvbyβシステムやその他の測光システムが研究された。より長波長側のR Iに加えて、JHKLMN……と拡張された測光バンドは赤外線天文学で利用されている。RとIバンドは、ジョンソンの定義したものとクロンおよびカズンズによるものがあるが、CCDが普及した現在は、ジョンソンのUBV+クロン・カズンズのR I(Rc, Icと表記されることが多い)がよく使われている。
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