測光観測の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/19 21:49 UTC 版)
地上から天体の明るさを測定するには、主に3種類の方法がある。 絶対測光(absolute photometry) 天体の光度を、地上のよく較正された標準光源(例えば白金の3重点温度などを利用した黒体炉)と比較し、その絶対値を測定するものである。地上からは大気を通した観測になるため乗り越えるべき困難な点が多い。 全天測光(all-sky photometry) 目的の天体と共に、さまざまな天頂距離にある標準星(測光システムにおいて等級と色指数が定義された恒星)を光電測光し、大気減光や変換係数の補正を施し(この手順を特に「整約」reductionという)、その天体の大気外での等級と色指数を、使用した測光システムの中に位置付けるものである。測光夜に注意深い観測と整約を行えば、精度は0.01等級になる。 相対測光(differential photometry) 目的の天体と、その近くにある星(比較星)との等級差を求める方法である。目的の天体の精密な等級変化を調べるために使われる測光方法であり、注意深い観測と整約を行えば、その精度はミリ等級におよぶ。比較星に使う星は変光していないことが必要で、その測光精度を上げるためには、目的の天体の近くにあるだけでなく、等級や色も目的の天体に似た物を選ぶ必要がある。測光システムにおける正確な値に直すためには、用いた比較星を(別の時期に)全天測光を行う必要がある。
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